ホンダの「CB」って何?その歴史やCBRとの違いなどをザックリ解説【後編】

【文:沼尾 宏明】

ホンダを代表するシリーズの「CB」。よく聞く名前だし、多くの車種があるけど、一体どういうシリーズで、どんな歴史があるのか?さらにCBRやGBとの違いは?その辺まるっと解説しちゃいます【後編】。

歴代初のCBRはヨンヒャクのネイキッドからスタート

そして1983年には、ついに歴代初の「CBR」を名乗る「CBR400F」がデビュー。市販車レースのベース車両として開発されたハイパフォーマンス車で58ps、乾燥重量176kgを実現しました。

CBR400Fは、まだカウルが認可されていない時代だったこともあり、ネイキッドでしたが、1984年にはフルカウルのCBR400Fエンデュランスを追加。後継のCBR400R、CBR400RRらは標準でフルカウルとなり、以降もCBRシリーズはフルカウルが標準となっていきます

CBR400F

CBR400F

1983年に登場したCBR400F。エンジンは、1981年登場のCBX400Fの空冷並列4気筒DOHC4バルブをベースにハイパワー化を達成。回転数に応じて2バルブと4バルブを切り替えるREV機構を採用しました。

CBを超える存在としてCBXが登場しましたが、さらにレーシーなCBRが追加されたという経緯です。その後、CBXは役割を終えたのか徐々にモデル数が減り、日本では1990年代に消滅してしまいます。

そしてCBRシリーズは拡大の一途をたどります。当初はスーパースポーツの位置づけでしたが、CBR750スーパーエアロ(1987年)やCBR1000F(1983年)といったツアラーや、CBR1100XX(1997年)のようなメガスポーツと呼ばれるジャンルのマシンも投入。CBR600F(1999年)のように公道での適度なスポーツ性能を重視した「F」シリーズも登場してきます。

近頃のCBはモダンカフェのCB-Rが勢力拡大中

話をCBに戻します。CBRが登場したことで、CBはスーパースポーツの位置付けから退き、オーソドックスなネイキッド路線の道を歩み始めます。そのシンボルが、1990年代に投入されたCB1000SFとCB400SF。CB1000SFは1998年にCB1300SFへと進化し、現在まで走り続けています。

現在のCBブランドとしては、「CB-R」シリーズが一大勢力となっています。2018年に新世代CBとしてデビューしたCB1000Rが旗艦で、650、250、125にも展開。正統派のCB1300や400とは異なり、よりモダンなスポーツカフェの趣がCB-Rの特徴です。

CB1000R

CB1000R

2018年に登場したCB1000R。元々はストリートファイターでしたが、近未来的なデザインを獲得。軽量ハイパワーな走りも魅力的です。

ちなみに現在は"CB”と似た"GB”350もラインナップされていますが、この違いはわかるでしょうか?GBは、クラシカル路線の空冷シングルスポーツに冠される名称で、1983年のGB250が源流。GBとはグレートブリテン、つまり英国車をモチーフにしたモデルの意というのが定説です。

なお、GB350は、生産国のインドでは「ハイネスCB350」を名乗っており、CBの仲間と考えてもいいかも知れません。

CB-Rシリーズの販売車両を見る

新時代を代表する次のCBにそろそろ来て欲しい!

近頃、CB400SF/SB、CB1100シリーズが生産終了となり、CBシリーズの勢いに正直やや衰えを感じます。2020年春のショーでは、CB誕生60周年の節目として次世代の提案モデル「CB-Fコンセプト」を披露しましたが、その後の音沙汰はありません(後にデザイナーが"市販化はない”と明言しています)。

しかし、CBは今も昔もホンダの歴史を象徴するシリーズのひとつ。EVの時代を見据えながら、未来にまで続く新型が登場するはずです。どんなモデルになるのか、期待とともに待ちましょう。

CB-Fコンセプト

CB-Fコンセプト

CB1000Rをベースに、往年のCB900/750Fスタイルを再現したCB-Fコンセプト。2020年春のモーターサイクルショーで初公開。

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