【文:沼尾 宏明】
「三密」を避ける移動手段として、通勤&通学にバイクを利用する人が増えました。
通勤ラッシュを避けられる上に、移動自体を楽しむこともできます。加えて、帰り道に少し遠出や寄り道も自由なので、ちょっとしたツーリング気分も味わえます。
バイク関連ライター歴28年の筆者が選んだオススメ通勤&通学バイクを紹介します!
選考基準は、燃費、走り、積載性、コストなど
通勤&通学に適した車種は「何を重視するか」によって全く違ってきます。ランニングコストなのか、ラクさなのか、スポーツ性なのか、求めるものによって選ぶ基準は人の数だけあると言っていいでしょう。筆者は次の基準で選んでみました。
・現行ラインナップで新車が購入可能かどうか
・燃費
・走行性能(加速力、乗り心地、疲れにくさなど)
・積載性
排気量に関しては原付二種(50cc以上)より上のクラスから選出。50cc未満の原付一種は、二段階右折、最高速30km/h制限ほか独自のルールが通勤&通学時にはタイムロスにつながるからです。とはいえ、免許取得の容易さ、車両価格の安さなどのメリットを重視する人に原付一種は十分考慮すべき存在でしょう。
ノーマルでの積載性に関しては、やはりシート下のメットインは外せません。また、運転のラクさを考えればオートマが優位なので、自ずとスクーターが選考対象になりました。なおデザインは一切考慮していません。というワケで選んだのはコチラ!
オススメ4選
ホンダ PCX160
ホンダの大人気スクーターが筆者のベストとなりました(笑)。「順当すぎる」と言われればそれまでですが、やはり人気には理由があるのです。
排気量は156ccで、125ccクラスよりわずかな差しかないように見えますが、加速力が125とは段違い。それでいてスポーティな走りや快適な乗り心地はPCX(125)譲りです。またスクーターでは珍しく、濡れた路面で後輪が滑りにくいトラクションコントロールも採用しています。
燃費はリッターあたり43.7km(WMTCモード)と優秀。PCX(125)より5.1km少ないですが、その分、走りがパワフルな点を推したいです。
シート下のラゲッジ容量は30L。残念ながらメットが2つ入る容量はありませんが、段差が少なく収納力は抜群。スマートキーやType-CのUSBソケットと装備も豪華です。
ネガな部分としては車両価格が41万2500円とお高いこと(ちなみにPCX125は36万3000円~)。また126cc以上の軽二輪クラスのため、自賠責や任意保険などのランニングコストは原二に比べればややお高めです。しかし、ネガを補って余りあるほどトータルでの完成度が素晴らしく、特に走りのよさが際立っています。
より維持費を抑えたい人や、さほどパワーを求めていない人にはPCX(125)もオススメです。
ホンダ ディオ110
値段が安いのにPCXに近いスポーティな走りと充実装備を持つことが選定の理由。
価格は25万3000円~で、PCX(125)より11万円も安価。それでいてPCXと同様のフロント14インチ大径ホイールのほか、軽量&高剛性なプレス成型フレームを採用します。直進時や若干速い速度でのコーナリングではPCXを思わせる安定感が味わえるのです。
エンジンパワーはさすがにPCXには劣るものの、足元がフラットなステップスルーはPCXにはないポイント。荷物が置ける上に乗降がラクです。また、ヤマハとスズキの20万円クラススクーターにはないスマートキーとアイドリングストップ機能を備えるのも素晴らしい。
さらに燃費はリッター55.6km(WMTCモード)と優秀。ただしメットインはジェットが1個収納のみとなります。
ヤマハ アクシスZ
価格と積載性のバランスが優秀なので選びました。
2021年に国内のヤマハで最も売れたモデルで、一時の出荷停止を経て、2022年3月に新型が登場。排ガス規制に対応し、コンビブレーキを採用しました。燃費も高水準の51.9km/Lです。
価格は27万1700円とお手頃。フラットフロア原2スクーターのライバルでは、ホンダのリード125(32万4500円~)、スズキのアドレス125(27万3900円)より安いです。
これら2台に比べると加速性能はやや劣るものの、シート下にはヘルメットが2つ入ります。リード125は2個収納可能ですが、アドレス125は1個のみ。本体価格がお安く、積載性の高い1台を探している人にオススメです。
スズキ アドレス125
ヘルメットが1個収納でも問題なく、価格抑えめでそれなりに走りも重視したい人向けにアドレス125を選びました。
従来型アドレスとは別物で、2022年10月18日に登場。インドで生産された世界戦略車となります。
アクシスZの最高出力が8.3psなのに対し、アドレスは8.7ps。走りのパワフルさではアドレスに軍配が上がります。さらにフロントが12インチ。ヤマハのアクシスZやジョグ125のフロント10インチですが、アドレスはより安定感や乗り心地に優れます。燃費も53.8km/Lと優秀です。
装備はややアクシスより豪華ながら、インド製とあって価格は同等の27万3900円なのも見逃せません。
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