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【トライアンフ「T100 Bud Ekins Special Edition」試乗インプレッション】黄金の60年代をレジェンドと共有できる特別なT100だ!

トライアンフから今春リリースされた「T100 Bud Ekins Special Edition」(T100 バド・イーキンズ スペシャルエディション)に、Webikeニュース編集長のケニー佐川があらためて試乗してみた。その印象を動画とともにお伝えしたい。

マシン解説

『大脱走』で飛んだレジェンドを讃えて

T100 Bud Ekins Special Edition(以下、T100イーキンズ)はボンネビルT100の特別限定仕様モデルである。

はじめにバド・イーキンズとはどんな人物なのか触れておこう。彼は1960年代にカリフォルニアを拠点に活躍していたスタントマンであり、オフロードレーサーであり、トライアンフのディーラーとしても成功した人物である。

▲デザートレースで活躍し、トライアンフで勝利を重ねたイーキンズ

もともとバイク業界では名の知れたライダーだったイーキンズだが、彼を一躍有名にしたのが映画『大脱走』である。当時ハリウッドの大スターだったスティーヴ・マックィーン演じる主人公がドイツ軍から逃れるためにバイクで逃走し、国境に張り巡らされた鉄条網の柵をそのままバイクで飛び越していくシーンがあった。
その危険なシーンを撮影するためにマックイーンの親友であり、バイクの師匠でもあったイーキンズに白羽の矢が立ったのだ。かくしてイーキンズは12フィート(約3.66m)の高さの大ジャンプを成功させ、映画史に残る名場面として語り継がれることになった。

▲映画『大脱走』の撮影現場にて。スティーヴ・マックィーン(左)とバド・イーキンズ(右)

そのシーンに使われたのがトライアンフ往年の名車「TR6」で、これはボンネビルT110がベースのダート仕様モデルだった。1950年代~70年代初頭にかけて米国では、速くて軽快で運動性能に優れるトライアンフが大人気で、当時イーキンズの店にもマックィーン他バイク好きの仲間が集まってはバイク談議に花を咲かせ、週末にはトライアンフでサンデーレースを楽しんでいたそうだ。「T100 イーキンズ」は彼の偉業を讃えるとともに、そんな古き良き時代のアメリカ・西海岸の香りを今に伝えるモデルである。

自由で陽気な60年代の雰囲気を再現

「T100イーキンズ」のエンジンや車体はノーマルのT100と共通である。ノーマルとの違いでまず目につくのがカラーリング。赤と白に塗り分けられた、かつてのアメ車を思わせるような鮮やかなツートンカラーが印象的だ。手書きのピンストライプや“フラインググローブ”のロゴ、1930年代から使用されているトライアンフのクラシックロゴ、ブラック加工のエンジンバッジなどが特別感を醸し出している。
また、被視認性に優れるLEDタイプのコンパクトな砲弾型ウインカーやレーシングタイプのフリップアップ式フューエルキャップに、ダイヤモンドカットのグリップとバーエンドミラーも専用タイプとなっている。60年代カリフォルニアの自由で陽気な雰囲気、そしてイーキンズのスピリットが伝わってくるようなアイコニックなモデルに仕上がっている。

ディティール

試乗インプレッション

力強く味わい深いバーチカルツインの鼓動

まずエンジンがいい!900ccバーチカルツインの鼓動感は力強く、そして扱いやすい。T120(1200cc)のドカンと押し出すようなトルク感もエキサイティングだが、T100のほうがマイルドで乗りやすい。それでいて、重低音のはっきりした鼓動感が楽しめる。水冷化された新世代ボンネビルは一方で270度クランクが採用されたことで、より味わい深くなったと思う。

3000rpm~4000rpmの最大トルクが発生する辺りで流しているのが気持ちよく、全身にパルス感が伝わってくる。速度にして3速3000rpm 、60km/h辺りでクルーズしているときがベストかも。もちろん、その気になればレッドゾーンが始まる7000rpmまで回せないこともないが、どちらかというと低中速トルク型のエンジン特性とその良さを感じ取ってほしいと思う。

軽快ではあるが軽薄ではない

トライアンフは伝統的にフレームがいい。T100にもそれは受け継がれていて、ガッチリとした剛性を持ちながらもスチールフレームならではの適度なしなり感があり、ハイスピードでもヨレたりしない。バーチカルツインとダブルクレードルフレーム、ツインショックなど、「これぞバイク」という昔から変わらぬデザインを見ていると気持ちが落ち着く。

乗り味も期待を裏切らない。ハンドリングは軽快ではあるが軽薄ではない。T120に比べると排気量が小さい分、軽快さはあるがいたずらに軽すぎず、しっかりとしたビッグバイクらしい乗り味になっている。それでいて、リヤタイヤのサイズも150と排気量の割に細めなので倒し込みは素直だ。

安定感のあるコーナリングが気持ちいい

フロントは18インチとリヤに比べてワンサイズ大径で、しかもワイヤースポークホイールなので「T100イーキンズ」の雰囲気的にも似合っているし、その重量感がハンドリングの安定性にもつながっている。実はこれがトライアンフのボンネビルシリーズに共通した特徴でもあるのだ。

また、ネオクラシカルな風貌に関わらず、思っていた以上にコーナリングが得意。けっこうな高速コーナーでも車体はピタッと安定したまま、狙ったラインをきれいに描いていく。電子制御に頼らない自然なフィーリングの中で安心感が伝わってくるのだ。
難しいことは一切考える必要はなく、素直にライディングを楽しめるバイクと言える。とはいえ、ABSやトラコンが標準装備であることが心のゆとりにつながることも確かだ。

街乗りからツーリングまで幅広く楽しめる

ライポジはシート高790mmということで足着きの良さは抜群だ。KYB製の前後サスペンションのストローク量も120mmということで初期の沈み込み量も豊富でしなやか。ハンドルは高すぎず低すぎないセミアップタイプで、レトロな2眼メーター越しの景色が広々として気持ちがいい。バーエンドミラーなので余計なモノが視界に入らないからだ。シート形状はフラットで座面はどこに乗っても自由度があるため、街乗りからツーリングまで幅広く楽しめると思う。

物語とともに長く乗り続けたい

ボンネビルシリーズは往年のトライアンフの雰囲気を現代的に再現したモデルであり、伝統的な英国車の作りはそのままに、エンジンをはじめとする各部の性能は現代レベルに引き上げられている。そして、「T100イーキンズ」にはトライアンフの歴史上に輝くリアルな物語が織り込まれている。さすれば、イーキンズやマックィーンが生きた60年代が好きな人にとっては、この上ない所有感を満たしてくれるモデルとなるに違いない。ぜひ長く乗り続けてもらいたいモデルだと思う。

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ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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