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【CT125 ハンターカブ 試乗インプレ】 走行性能が段違い!? オフもキャンツーも楽しいぞ!

▲photo by Atsushi Sekino

【ホンダ CT125 HunterCub】
ディテール&試乗インプレッション

2019年の東京モーターショーでコンセプトモデルが発表され話題を呼んだCT125ハンターカブ。6月26日から国内でも販売がスタートすると、発売開始1ヶ月を待たずしてお店からの発注ベースが1万台を記録する売れ行きだとか。そんな人気者のハンターカブを、元初心者向けオートバイ雑誌編集長の谷田貝 洋暁が、ホンダモーターサイクルジャパン主催の試乗会で乗ってきた。

1. 見ているだけでキャンプに行きたくなるスタイリング

【全長/全幅/全高】1,960mm/805mm/1,085mm
【車両重量】120kg
【軸間距離】1,255mm
【最低地上高】165mm

ジープなどのタフな乗り物を連想させる無骨なデザインでまとめあげられたCT125ハンターカブ。サイドアップマフラーやリヤキャリアにつながるエアスクープ、大きなキャリアなどが特徴的だが、かつて国内でも発売されたCT110(通称:ハンターカブ)をモチーフとして、見事にその雰囲気を現代版にアレンジしている。

【販売価格】
グローイングレッド/マットフレスコブラウン:440,000円(税込)

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2.カブよりちょっとだけ大柄なポジション

【シート高】800mm

車体のベースであるスーパーカブC125より10mm、同じアウトドアテイスト路線のクロスカブ110比で16mmほどアップしたシート高。カブシリーズとしてはかなり高い方だが、172cm75㎏の筆者だと、両足のかかとをつけようと思えばなんとかつくほど足つき性はいい。それでも足つき性が気になるなら、少し座る場所を前にずらせば、足が下方向へのばしやすくなり、それだけで足つき性がよくなる。ハンドルは幅広でアップライトに設定され、上半身はカブらしく垂直に保てる。ポジション的には長時間走行で疲れる要素はない。

3. カブを超えた圧倒的な走行性能 -実走インプレッション-

圧倒的制動力、コーナリングの安定感。もはやコイツはカブとは違う!

跨って最初に感じたのはその大柄な車格だ。スーパーカブC125が登場したときも、これがカブの大きさか?と驚いたものだが、このCT125ハンターカブはさらに大きくなった印象を受ける。事実、軸間距離はクロスカブ110比で20mm。C125比では25mmも大きい1,255mmを確保。存在感のあるステムや幅広ハンドルと相まって車格がかなり大きく見えるのだ。ただ数値をみると最小回転半径は1.9mとクロスカブ110やC125よりも小回りがきくようになっている。

アクセルを開けると、トルク型に振ったエンジンだけあって力強いパワーがマシンを押し出してくれる。とくに中低速の力強さは現行カブシリーズの中でもピカイチ。歯切れのいいパルスで気持ちよく加速していける。最高速に関しても、試乗会場が私有地であることをいいことにいろいろ試してみたが、60km/h巡行は当然実用領域なのだが、プラス20ぐらいも十分射程圏内な印象だ。

そんなハイスピードレンジのテストを繰り返していて感心してしまったのは、思いの外しっかり作られている車体だ。コーナリング時のサスペンションの動き、ブレーキの効き具合、どれをとってもかなり上質な味付けというか、誤解を恐れずに言えば“カブ”っぽくないのだ。コーナリングでのサスペンションの踏ん張り具合や、ブレーキング時のコントロール性、走行性能が全体的に底上げされたことで、明らかにキャラクターがビジネスバイクから逸脱。性能的には完全にスポーツバイクの領域へと踏み込んでいる。前後のブレーキが油圧式ディスクになったり、スーパーカブC125比でメインフレームが剛性補強されたりしていれば当たり前のことではあるのだが、この車体ならば、もはや排気量の大きなエンジンさえあれば高速走行もこなせるんじゃないだろうか? そんな印象さえ受けるのだ。

事実、開発者インタビューでは、この車体は実際どのくらいの速度レンジを想定しているんですか? いずれは高速走行も想定してるんじゃないですか? なんてぶっちゃけた質問もしてみたのだが、当たり前だがこちらが願うような回答は得られなかった(笑)。ただ「現状、高速道路を走れるエンジンは持ってませんが、計画段階ではそんな構想もあったのは確かです」というコメントだけは聞き出すことができた。現段階で売れに売れているCT125ハンターカブだけに、当然次回作やブラッシュアップに関しての話はすでに持ち上がっていることだろう。是非とも、初の“高速道路を走ることができるカブ”の登場を期待したいところだ。

さて試乗会場では二人乗りもしてみたのだが、これがなかなかいい感じなのである。試乗する前は、なんでここまでこだわっておきながらリヤサスペンションにプリロード調整機構を付けないんだろう? これでは、二人乗りしたりキャンプ道具満載で走るときにフロントの接地感が減って、不安定になりそうだなぁ。…などと思っていたのだが、走って納得。プリロードがいらないくらい、キチンとお金をかけて作り込んでいるというワケだ。

4.ダートだってへっちゃら!

お待ちかねのダート走行タイム。あいにくの雨だが、これ幸いとまずはフロント1チャンネルのABSの効き具合を試してみると、舗装路での効き具合を重視しているのだろう、小砂利が浮くようなフラットダートではちょっと介入は早めに感じる。ただ、このCT125ハンターカブで林道をガンガンに攻めるようなライダーは少ないだろう。そう考えるなら、いくら介入が早めとはいえABSが付いているだけで大抵のライダーは安心感が得られるハズだ。それにやろうとすればフロント1チャンネルABSの特性を活かして、リヤブレーキロックによるブレーキターンも可能なのだから、もう十分すぎる設定なのだ。

オフロード走行をしていて気に入ったのは、トップブリッジを得たことによる、ダイレクト感のある走行フィーリングだ。というのもユニットステアを採用する多くのカブ系のマシンでダートを走ると、操舵にしてもちょっとダイレクト感が希薄に感じる。ワダチで弾かれたフロントタイヤをハンドルで抑え込むような場合にもワンテンポ遅れるようなところがあるものだ。ところがこのCT125ハンターカブは入力した操舵をすぐさまフロントタイヤに伝えてくれる。おかげでフロントタイヤがとられやすい路面や、荷物をたくさん積んでフレームに大きな負荷をかけたりする場面で、ハンドリングのダイレクト感が良くなりコントロール性が段違いに高い。

そのステアリングの改変に加えて、ハンドルやステップといった入力系のコントロール性も秀逸。オフロード走行にあたっては、ステップのラバーパッドを外しての走行もしてみたのだが、ギザギザのステップはブーツの靴底をしっかりとホールドしてくれ、しかも接触面が大きいおかげで、マシンが暴れた際の抑え込みもしやすくなる。ハンドルに関しては、スタンディング時のポジションも絶妙な位置にある。ステムの構造が変わり、フォークのオフセット量も変わっているのだろう、事実、スタンディング姿勢がクロスカブ110比で取りやすくなり、上半身を前に乗り出してのコントロールも随分しやすくなっている。

比較論になってしまうが、アウトドアテイストの域を越えなかったクロスカブ110のオフロード性能が、きちんとオフロード走行を考慮した走行性能へと昇華されている、そんな印象を受けるのだ。事実、このCT125ハンターカブとなら大抵のダート林道でアクセルをワイドオープンしたとしても鼻歌交じりで進んでいけることだろう。

5.ディティール メーター&灯火器

【表示項目】
スピード/燃料残量/オドメーター/トリップメーター×2

反転式デジタルパネルを採用したメーター。表示内容は、ギヤポジション、燃費計どころか、時計もないというシンプルな構成。開発陣いわく、付けるなら正確な電波時計にしたかったとのことだが、C125にはすべて揃っていただけにちょっと残念。燃料残量計の最後の1つが点滅し始めたときの燃料残量は約1.1L。またフルLEDによる省電力化、発電量を190W確保したことにより、C125比で、グリップヒーターなどアクセサリー対応への幅が広がっている。

6.ディティール 走行性能

・エンジン

【エンジン形式/排気量】空冷4ストローク OHC2バルブ単気筒/124cc
【最高出力】6.5kW/7,000rpm
【最大トルク】11Nm/4,500rpm

オイルディップゲージなどが追加されているものの、内部構造に関してはウェーブ125iのエンジンをそのまま引き継いでいる。ただし吸気管長などの吸気系セッティングで中低速域のトルクを増強。歯切れのいいパルス感も得ることになった。

・トップブリッジ

車体におけるCTシリーズの一番の特徴は、カブシリーズお得意のユニットステアではなく、トップブリッジを備えたフロントフォークを備えていること。このフロントまわりだけを見ても車体のスポーツ性/走行性能は格段にアップしている。ちなみにハンドル切れ角は片側45度で、最小回転半径は1.9mと他のカブ並みに小回りがきく。

・ハンドル

ハンドル幅805mmと幅広でアップライトなポジションを設定し、シッティングはもちろん、ダートでのスタンディング走行のしやすさも考慮されている。グリップは凹凸が大きく滑りにくいオフロードタイプを採用。カブ系によく採用されるブレーキレバーロック機構は装備していない。

・足まわり
【タイヤサイズ】フロント:80/90-17/リヤ:80/90-17

フロントフォークのストローク量はC125比で+10mm、クロスカブ110比で+5mmの110mmを確保。リヤはアクスルトラベルで77mmを確保している。リヤサスペンションにはプリロード調整機構はないが、二人乗り時の荷重にも十分対応するようなパーツチョイス&セッティングが施され、全体的にコシのあるスポーティな乗り心地となっている。

・ブレーキ

【フロント】ニッシン片押し2ポット/φ220mmディスク
【リヤ】ニッシン片押し1ポット/φ190mmディスク

なんとついにカブシリーズも前後ディスクブレーキの時代が到来。しかもフロントのみの1チャンネルABSも搭載している。ただオフロードも走るCT125ハンターカブのキャラクター的にはこれが大正解。リヤブレーキが油圧式になったことで、レバーストロークが最小限化でき最低地上高への影響が最小限になった他、1チャンネルABSのおかげでリヤタイヤは、意図的にロックしてブレーキターンもできるというワケ。

・シフトペダル

オフロードキャラの強い大きなフットペグは、ラバーを外せばギザギザのオフロード仕様へと早変わり。4速リターンのシフトは従来のカブと同じだが、シフトペダルはCT125ハンターカブのオリジナルで、つま先で、アップもダウンもできるようにラバーチューブが取り付けられている。

・スイングアーム

 
 

スーパーカブC125ベースのスイングアーム。日本国内仕様は、C125同様二人乗りのためのタンデムステップがあり、マフラーにもヒートガードが装備されている。チェーンは428サイズでノンシール。スプロケットはフロント14丁でリヤが39丁と、C125よりもリヤスプロケットの歯数が3丁多く、中低速域での加速重視のセッティングが施されている。

・マフラー

歴代ハンターカブシリーズのアイデンティティである、不整地走行でヒットしないためのアップタイプマフラーももちろん踏襲している。国内仕様は二人乗りのためのヒートガードがサイレンサーに取り付けられている。

・ハイマウント吸気ダクト

大抵のカブシリーズはハンドル直下にエアクリーナーボックスを備えている。これに対しハンターカブ系はエアクリーナーボックスを車体左サイドに装備し、リヤキャリアにエアスクープを取り付けるのが慣例。新生ハンターカブにも、もちろんこのハイマウント吸気ダクトが採用されている。

・剛性強化されたフレーム

フレームのベースはスーパーカブC125で、赤く塗られたところがCT125ハンターカブとしての改変ポイント。60km/h巡行の快適性を求めて作られたこのフレームを使い、大型リヤキャリアへの対応、ピボットプレートの追加、リヤサスペンションの刷新などが行われている。極め付けは、フロントフォークのトップブリッジ化にともなう新規ヘッドパイプとフレームネック部分の補強追加。さらにサブフレームを得たことも少なからず車体剛性面に影響を与えている。

7.ディティール ユーティリティ

・シート

シート高800mmとカブとしては高めの設定だが、前方が大きく絞られており足つき性への最大限の工夫がみられる。左エアクリーナーボックス下にあるキーで解錠するとシートのロックが外れ、燃料タンクが現れる。

・燃料タンク

【燃料容量】5.3L
燃料容量はクロスカブの4.3Lに対し、さらに大きい5.3Lを確保。航続距離をWMTCモード値で計算すれば、なんとワンタンクで356kmも走ることになる。シートがロックできるおかげで内部の燃料キャップに鍵はなく、シートのヒンジ付近にはヘルメットホルダーも備える。

・アンダーガード

オフロードを積極的に走るハンターカブは、飛び石や岩角のヒットからエンジンを守るアンダーガード&サブフレームも必須。やはりエンジン下まわりのヒットを気にして走るようではダートランは楽しくないのだ。ただし、ちょっと板材が薄いので積極的にガツガツぶつけるつもりなら、ぶ厚いアンダーガードに交換したいところだ。

・リヤキャリア

幅409mm×前後477mmの専用大型リヤキャリア。これより大きなキャリアは、新聞配達御用達のスーパーカブ50/110プロ(幅384mm×前後543.3mm)くらいだろう。スチール製でいかにも頑丈そうだが、意外に二人乗り時の座り心地は悪くない(長時間はいやだが…)。荷かけフックは爪タイプでデザイン的にはいいが、実用性を考えると、110プロのようなピンタイプの方が使いやすそうだ。上面にはM6サイズのネジ穴が4ヶ所切ってあり、トップボックスなどのベースプレートが取り付けやすくなっている。

・工具入れ

リヤキャリアの左サイドには金属の頑丈そうなステーがあり、プラスチック製の書類&工具入れが取り付けられている。この工具箱を取り外せば、かつての純正サブタンクなど、別のパーツも取り付けられそうだ。

・センタースタンド

ノンシールチェーンなうえ、カバーもないのでチェーンメンテナンスは必須。センタースタンドを装備しているのでチェーンメンテは簡単だが、ダート走行後はいっそクリップ連結のチェーンは外してしまってドブ漬け洗いしてしまった方が早そうだ。

・フロントフェンダー

スチール製フロントフェンダーにはラバー製のマッドフラップも標準装備。またスポークには錆に強いステンレスを採用、前後のホイールはスチール製だが、マッドブラック塗装が施されている。

・スイッチボックス

【右】スタータースイッチ/キルスイッチ
【左】ヘッドライト切り替え/ウインカー/ホーン

プッシュキャンセルウインカーなど、ホンダの一般的モーターサイクルと同様式のスイッチボックスを採用。グリップは凹凸が大きいオフロード仕様となっている。蛇足だが、スーパーカブシリーズは自動遠心クラッチを採用し、クラッチ操作の必要ないので、小型二輪AT限定免許でも運転することができる。

8.まとめ

大荷物だって、長距離だって コイツとならばどこへでも!

カブらしからぬ卓越した走行性能が与えられたCT125ハンターカブ。他のカブに比べてちょっと足つきが悪くなっているものの、それさえ気にしなければ、通勤通学から荷物満載のキャンプツーリングまで、しっかりこなす頼れる相棒になること間違いなし。しかも、フラットダートくらいならなんなく走れてしまうオフロード性能も持ち合わせている。こいつを相棒に旅をするなら、日本全国どこへ行っても楽しめることだろう。

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撮影協力:株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

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谷田貝 洋暁

谷田貝 洋暁 フリーランスライター

投稿者プロフィール

1974年3月12日、千葉県八千代市生まれ。“旅のにおい”のする道具が好きでバイクに限らず、カヌー、山スキーなどでフラフラと出かけるのが趣味。それがこうじて山小屋アルバイトに、北海道の鮭バイ、沖縄での製糖工場など、しばらく“職業旅人”だったが、21世紀になったところで運良くバイク雑誌編集部に拾われ二輪業界へ。女性ライダー向けの『レディスバイク』 、ミドルクラス専門誌『Under400』、ビギナー向けの『タンデムスタイル』などの二輪雑誌の編集長を務めた後、2019年からフリーランスとして活動開始。誰にでもわかりやすい記事を書くことを信条に、二輪媒体に寄稿したバイクレビュー/試乗記事は約1000稿。ただし、ダート要素がちょっと多めだ。

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