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【Ninja ZX-25R 試乗インプレ 】攻めるほどに奥深い、日常域から楽しめるスーパーバイクだ!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

▲写真・動画/星野 耕作

【カワサキ Ninja ZX-25R】
ディテール&試乗インプレッション

カワサキが約30年ぶりに放つ4気筒エンジン搭載の新型250ccスーパースポーツ、「Ninja ZX-25R」の試乗インプレッションを動画解説付きでレポート。Webikeニュース編集長のケニー佐川がストリートとサーキットを存分に走ってみた。

【Webikeモトレポート】試乗インプレッションムービー

■マシン解説

10Rの設計思想をフル注入

クラス最強はもちろん、ライバルを圧倒するパフォーマンスを目指して開発されたカワサキ渾身の一撃。ZX-25Rに賭ける熱量は設計思想からも伝わってくる。
最大の注目点はやはりエンジンだろう。水冷直4エンジンは往年の4ストレプリカ、ZXR250を参考にしつつも完全新設計とした超ショートストローク設定。軽量アルミ鍛造ピストンや挟角大径バルブ化によりクラス最強45ps/15,500rpmを実現、加えてカワサキ十八番のラムエアシステムによって最高速付近で46psに上乗せされている。

メインフレームは高張力鋼トレリスタイプとしているが、同じ鋼管トレリスでもニンジャ250とは全く異なるレイアウトを採用。重心やピボット位置、キャスター角などのディメンションを含め、ZX-10Rのツインスパーフレームとよく似た構造となっている。足まわりにもショーワ製SFF-BP倒立フォークやホリゾンタルバックリンク式リヤシッョクを奢るなど、10R譲りとなっている。

電子制御も最新だ。電子制御スロットルによるクラス初の3段階トラクションコントロール(KTRC)、2段階パワーモード、アップ&ダウン対応のクイックシフター(KQS)などを装備。ABSもニッシン製の高精度な最新タイプが採用され、その制御システムを含めて10Rから多くをフィードバックするなど、まさに250cc版のZX-10Rと言えるハイスペックぶりがうかがえる。

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■試乗インプレッション

シート低めで見た目よりライポジは穏やか

メディア試乗会は大分のサーキット、オートポリスとその周辺のワインディングで行われた。
実車を目の前にして思ったのは、クラスを超えた存在感。6Rか10Rと錯覚しそうなグレード感がある。実際250ccとしては大柄で、特にエンジンまわりの重厚感は4気筒ならではだ。実際のところ、車重もニンジャ250と比べると18kgほど重いのだが、これはパワーを得るための多気筒エンジンの宿命と言っていい。
ライポジは見た目よりも穏やかで、スーパースポーツとしてはハンドル位置も低すぎず、シートも低い(785mmでニンジャ250よりも10mm低い)ので安心だ。

絵に描いたような高回転高出力型

まずは阿蘇山を取り囲む雄大なワインディングを走ってみた。クラッチは軽く、つなぎもスムーズ。出足は穏やかで、普段大型バイクに乗っている人は拍子抜けするかも。でもよく考えると250ccなのだ。しかも直4エンジンは回せば回すほどパワーが盛り上がってくるのが基本特性で、小排気量になるほど回転馬力で稼ぐことになる。これは良い悪いではなく、エンジンレイアウトからくる特性なのだ。それが分かっていれば問題はない。25Rが本当の意味で本領を発揮するのは12,000rpm以上と聞いても納得できるはずだ。なにせ17,000rpm超まで平気で回ってしまうエンジンなのだ。まさに絵に描いたような高回転高出力型である。

サウンドをBGMに流す走りも気持ちいい

しかしながら、25Rは現代のマシンである。昔の4ストレプリカのように低中速がスカスカというわけではない。しばらく走り込んでいくと、6000~8000rpmに美味しいゾーンがあることが分かってくる。しっかりと食べ応えのあるトルクが出ていて、エアボックスに共鳴する吸気音と4発ならではの甲高いエキゾーストとのハーモニーを聞きながら、3・4・5速辺りを使ってゆったり流す走りが気持ちいい。シフトアップ&ダウン対応のKQSのおかげで、発進と停止以外ではクラッチを使わなくていいので超ラク。街乗りでもストレスなく走れるはずだ。

積極的に操るほど深まるスポーツマインド

ハンドリングは軽快だが、一方で直4エンジンらしい重量感というかマスを感じるのも確か。コーナー進入では重心の高さを生かしつつ“タメ”を作ってからパタッと倒し込む感覚がスーパースポーツ的である。目線を向ければ自動的に曲がる感じではない。ライダー自身が倒し込みのタイミングを計りつつ、ステップワークを使って積極的に操ってやる。そこにカワサキらしいスポーツマインドを感じるのだ。もちろんイージーにも乗れるけれど、攻め込むほどに奥が深い。ちょっと玄人好みの味付けと言えるかも。
その日はワインディングを中心に100kmほどの距離を走ったが疲労感も少なく気持ちよく走れた。特に良かったのがシートで、一見薄いけれどホールド感があってクッション性にも優れるなど快適。ツーリングもできるスーパースポーツといった感じか。また、ハンドル切れ角が大きく、極低速域も安定していて足着きも良いなど、見た目以上に小回りが利いてUターンしやすいことも街乗りではメリットになるだろう。

アクセル全開&フルバンクの非日常を味わえる

そして、25Rが本当の姿を現すのはやはりサーキットだ。その性能をフルに引き出して心底楽しむには12,000rpm以上が必要。さらに言うと、本当に25Rを速く走らせるためには15,000rpm~17,000rpmのパワーバンドをいかにキープできるか、そこにタコメーターの針を入れ続けることができるかがキモになる。
スロットル全開、フルバンクで駆け抜ける、100%出し切った走り。ビッグバイクではなかなかそういう走り方はできないが、その敷居を下げてくれるのも25Rの素晴らしさだ。
ブレーキもいい。シングルモノブロックだが強力で、ABSも相当突っ込んだところで初めて介入するサーキットに対応した設定。250ccでは初となるクイックシフターも緻密かつスムーズで、コーナリング中でも瞬間的にギヤチェンジできるのでシフトミスもなくなり、その分余裕ができて周囲の様子やタイヤのグリップなどに神経を使えるなど、安全にも寄与している。

30年前にはできなかった現代の走り

また、KTRCのおかげで自信を持ってアクセル全開にできるし、従来のトラコンのような間引き感もなく加速も自然。最初はニーゴーでトラコンが必要かとも思ったが、実際にヘアピンなどではバイクがまだ深く寝た状態からスロットルをカチッというまで開けて、あとはトラコンに任せて(インジケータの点滅で分かる)立ち上がることもできる。
トラコンやABSを駆使することで、今までにない高次元の走りを安全に楽しむことが可能になったのだ。言わば、10Rの半分の速度でその世界感を垣間見ることができるようなもので、これは30年前の4ストレプリカにはできなかった芸当である。その意味でも、ZX-25Rはまさに現代のスーパーマルチクォーターなのだ。

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ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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