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【スピードトリプル1200RS 試乗レポート】サーキットでSSと張り合える走り まさに「カウルのないスーパースポーツ」だ!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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トライアンフが誇るスポーツネイキッドの最高峰「スピードトリプル1200RS」をWebikeニュース編集長のケニー佐川が試乗レポートする。

30馬力アップ、10キロ減量に成功したファイター

3年ぶりシリーズ8代目となる最新モデルは、エンジンから車体まで全てを刷新した文字どおりのフルチェンジである。トライアンフ伝統の水冷3気筒エンジンは排気量を従来の1050ccから1160ccへと拡大し、最高出力も30psアップの180psへと向上。

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新設計フレームにより軽量化とマス集中化が進められた車体はトータル10kg軽量化されて車重198kgへと大幅ダイエット。その姿はまさに筋肉をつけて体を絞った格闘家のようである。そして、サーキット仕様の足まわりに最新の電子制御を盛り込むことで、トライアンフ史上最強のロードスポーツモデルへと昇華された。

元祖ストファイがさらに過激なスタイルへと進化

攻めてきたな、というのが第一印象。スペックもさることながら、スタイルが一段とアグレッシブになった。元祖ストリートファイターとして1994年に初期型がデビューして以来、筋骨隆々のマッシブなイメージを打ち出してきたスピードトリプルだが、新型では贅肉がそぎ落とされて一段とシャープなフォルムに。
ヘッドライトやハンドル位置も低くなり、前傾スタイルがより強調されたプロポーションになった。

排気量は1200ccへと拡大されているにもかかわらず、ボディサイズはよりコンパクトに。エンジンを中心にマスをぎゅっと凝縮した感じだ。重心位置も低くフロント寄りに見直され、よりスポーティなディメンションへ。車体前後が切り詰められて“塊感”がさらに強調されている。
跨ってみるとシート高(830mm)はやや高めで、サスペンションもハード設定なので1Gでの沈み込みも少ない。ハンドル位置も低く幅広(30mmワイド化)に、ステップ位置もバックステップ気味になるなど、欧州発のストファイスタイルはさらに過激さを増した。

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3気筒らしさはそのまま、よりパワフルに洗練された

数値からも新型ストリートトリプルの戦闘力の高さは見て取れる。加速や運動性能を表す指標であるパワーウエイトレシオはなんと1.1。最高峰のスーパースポーツが1.0程度と、これに肉薄するレベルだ。
乗ってみると、想像どおり凄まじい! ひと言で表現するならば、カウルのないスーパースポーツだ。セパハンにしてフルカウルを取り付けたら、そのままスーパーバイクが出来上がってしまう感じ。クランクマスが低減されたエンジンはレスポンスも俊敏で軽々と回る。

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従来モデルのビッグネイキッドらしい重厚感やゴロゴロ回るような図太さも好きだったが、新型はシュンシュン回るスーパースポーツ的なフィーリングに。
パワーもトルクも大幅に向上しつつアウトプットは洗練されたが、その上で歴代シリーズの持ち味だった3気筒独特の低中速からの分厚いトルクの壁に押し出されるような加速感も健在だ。

狙いは完全にサーキット、SSと伍して走れる

ハンドリングもさらに洗練された。従来がビッグネイキッドらしい良い意味でのまったり感があったのに比べ新型はクイックで1200ccとは思えない軽快さ。足まわりもフラッグシップに相応しい装備で、前後サスはオーリンズの最高級グレードでしかも専用設計。
前後ブレーキもブレンボ製でブレーキレバーもスパンだけでなくレバー比も調整できるMCS(マルチクリックシステム)を採用。タイヤもショルダー部に溝がなく、ほぼスリックタイヤのようなメッツラーのレーステックRRが標準装備されるなどレーシングスペックで固めている。

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というように、トータル的に考えると新型スピードトリプルの狙いは完全にサーキットを想定していて、スーパースポーツと伍して戦える性能を目指していると思う。
というのも、トライアンフの現行モデルにはリッタークラスのスーパースポーツが空席ということもあり、新型にはその穴を埋める期待も込められているように思うのだ。さらに言うと、Moto2で積み重ねたノウハウを既に持っているトライアンフのこと。
新型スピードトリプルをベースにしたフルカウルモデルがいつ出てきてもおかしくない、という妄想まで広がるのである。

電制の進化でストリートも安全で乗りやすく

電子制御も進化した。5インチのTFTディスプレイを起動すると3Dのようなドラマティックな演出で始まり、美しいグラフィックがライダーに高揚感を与えてくれる。ライディングモードは5つの設定があり、「スポーツ」「ロード」「レイン」「トラック」「ユーザー」を走行中でも左手スイッチで簡単に切り換えられる。

モードによって乗り味の変化も分かりやすく、市街地などでまったり走りたいときは「レイン」を選ぶと出力が抑えられ、スロットルの当たりが柔らかくなってスムーズなはず。同時にリヤショックもダンパーを伸び側・圧側とも4ノッチほど弱めると、路面からの突き上げが緩和されてだいぶ乗り心地が良くなった。

ちなみにアジャスターは手でダイヤルを回すだけで簡単セッティングを変えられるのでツーリングでも重宝するだろう。また、今や普通になったクイックシフターもアップ&ダウン対応で発進・停止以外ではほぼクラッチも使わないほど。コーナリングABS&トラコンも標準装備と至れり尽くせりだ。

パワーも凄いがライダーサポートシステムもちゃんと備わっているため安心できるし、その分自分のライディングに集中していけると思う。

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新型スピードトリプルは、まさにスポーツするための戦闘機だ。ネイキッドスタイルでSSと一緒に走れるし、あわよくば食ってしまう。そんな理想を3気筒で、トライアンフで実現したい人に最適だろう。また、弟分のストリートトリプルに飽き足らず、さらなる高みを目指したい人にもぜひおすすめの一台と思う。

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ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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