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【バイク王 絶版車試乗会モデル ホンダ「NSR250R SE(MC28)」試乗インプレ】名車NSR250Rの最終型 PGMメモリーカード搭載

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写真:関野温

バイク王が店舗やイベントなどで行っている絶版車試乗会は、貴重な往年の名車に見て、触って、試乗までできる太っ腹イベント。今回はそんな絶版車試乗会のラインナップから、ホンダ・NSR250Rの最終型MC28をピックアップして公道試乗インプレッション!

車両概要
現在でも根強いファンが多いNSRシリーズ

1986年に軽量な水冷2ストロークV型2気筒エンジンを搭載し、クラス最軽量の乾燥重量125kgの車体を引っさげて登場したNSR250R。以後10年間にわたって販売され、MC16(86年)→MC18(87年)→MC21(90年)→MC28(93年)と型式名が変わる大きなモデルチェンジを3回敢行。その中でも当時、白熱した開発合戦の末にあらゆる技術がこれでもかと詰め込まれたのが、今回紹介するNSR250Rの最終型、MC28である。

その特徴は、自主規制目一杯の40馬力を9000回転で発揮する水冷2ストロークV型2気筒エンジンは言うに及ばず、片持ちスインアーム(プロアーム)をこの型式から、アルミツインチューブフレームにセット。このほか、初の試みとして一般的なキーシリンダーではなく、PGMメモリーカードを採用。スロットにカードタイプのキーを差し込むことで、ハンドルロック解除やイグニッションオンが可能だった。

しかし、ついにオートバイにまで及び始めた排ガス規制(平成10年排出ガス規制)を前に、2ストロークモデルたちは絶滅を余儀なくされる。このNSR250Rも1996年モデルを最後に姿を消すことになったのだ。

今回試乗する機体は、そのカラーリングから最終年式の1996年モデルだと類推される。しかも、レーシーな乾式クラッチや、カートリッジタイプで伸/圧の減衰調整機能付きのフロントフォーク&リザーバータンク付きリヤショックを搭載した“SE”である。さらに当時はこのSEの仕様に加え、軽量なマグネシウム製ホイールやさらに高性能なフロントフォークがおごられた“SP”も存在した。

■全長1970 全幅650 全高1045 軸距1340 シート高770(各mm) 車両車重153[157]〈156〉kg
■水冷2ストV型2気筒 249cc 40ps/9000rpm 3.3kg-m/8500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量16L ブレーキF=ダブルディスク R=ディスク タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17
■発売:1993年(MC28)
■当時価格:68万円[72万円]〈80万円〉
※[]内はSE、〈〉はSP

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POSITION&FOOTHOLD

身長:172cm 75kg

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シート高は770mm。 スリムな車体に加えて低めのシート高のおかげで踵までしっかりと付けられ、膝にもかなり余裕が残る。またがった瞬間に感じるのはその異様な軽さ。流石に初代の車両重量141kgからは10kg以上重くなっているものの、現代の4ストロークバイクに比べれば随分と軽く、感覚的には4スト125ccのオフロードモデルよりも軽く感じる。

走り

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極限まで軽くてハイパワー! 2ストの魅力が凝縮されている

ホンダのNSR250Rは、2ストロークマシンやレーサーレプリカに興味がなくても、バイク乗りならどこか聞いたことがある名車だろう。バイクブームの1986から役10年と息が長かったこともあって、現代のバイク人口の多くを占めるアラフィフ世代にもファンが多い。
ファンが多すぎて、ホンダから各年式ごとの欠品純正部品が再販されている(https://www.honda.co.jp/bike-genuineparts/
)ほど。そういう意味では、最終型はそんな再販パーツも一番多く、比較的維持はラクと言えるかもしれない。

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さてこのMC28の特徴であるPGMメモリーカードをスロットに差し込むと、“カシャ!”とハンドルロックが解除されてメーターが起動。キックアームを踏み込めば、「パインッ!」甲高い2ストサウンドを伴ってエンジンが目覚める。
暖気がてら、しばらく懐かしい2ストサウンドを楽しんだところでクラッチを握ってギヤを一速に入れれば、「カラカラカラカラ…」という、乾式クラッチの乾いた音が響き渡る。この機体は“SE”モデル。乾式クラッチやフルアジャスタブルタイプのサスペンションを備えた上級仕様なのだ。

走り出せば、思ったとおり軽いのだが、現代の4ストロークエンジンのずっしり感のあるロードマシンに慣れた体からすると、予想以上というか、驚異的に軽い。これでも初期型に比べれば随分重くなっているようだが、吹けば飛ぶような軽さを感じ、バイクの上で身じろぎすればそれが車体の挙動となって逐一現れる。

だがそこが面白い。コーナリングでアクセルを戻せばフロントが大きくノーズダイブし、フロント荷重が増加。そのフロント荷重を失わないように車体を寝かし、旋回が終わりかけたところでスロットルでパワーを絞り出しながら、トラクションをかけていく。

全ての挙動が手にとるように伝わってくるおかげで、ものすごく操っている感が強い。当然、荷重コントロールやアクセルワークをミスればそれが全て車体の挙動として跳ね返ってくるのだが、その分全てがバッチリ決まったときの気持ちよさはひとしお。
エンジンパワーで全てを誤魔化せる今の4ストマシンでは味わえない快感がある。多くのライダーがその走りに魅了される理由がわかった気がした。

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ディティール

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谷田貝 洋暁 フリーランスライター

投稿者プロフィール

1974年3月12日、千葉県八千代市生まれ。“旅のにおい”のする道具が好きでバイクに限らず、カヌー、山スキーなどでフラフラと出かけるのが趣味。それがこうじて山小屋アルバイトに、北海道の鮭バイ、沖縄での製糖工場など、しばらく“職業旅人”だったが、21世紀になったところで運良くバイク雑誌編集部に拾われ二輪業界へ。女性ライダー向けの『レディスバイク』 、ミドルクラス専門誌『Under400』、ビギナー向けの『タンデムスタイル』などの二輪雑誌の編集長を務めた後、2019年からフリーランスとして活動開始。誰にでもわかりやすい記事を書くことを信条に、二輪媒体に寄稿したバイクレビュー/試乗記事は約1000稿。ただし、ダート要素がちょっと多めだ。

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