

オープンから3年目。コト売りとトキ売りで、満足度の高い時間を提供する
取材:小川 勤
掲載日:2025/08/08
2023年7月にオープンした日本最大級の敷地面積を誇る「ドゥカティつくば」は茨城県で唯一のドゥカティストア。老舗ディーラーのDNAを受け継ぎ、オープンから3年目のシーズンで体制強化し、さらなる認知度の向上を目指している。
ドゥカティつくば
「ディーラー・オブ・ザ・イヤー常連ショップの直系、
ドゥカティつくばの新章スタート」

「ドゥカティつくば」スタッフの一同。右からサービス片岡さん、ストアマネージャー小川さん、サービス岩井さん、セールス立脇さん。
常磐自動車道の谷田部ICから「ドゥカティつくば」に向かうと開発中の建物や道路が多く、住宅地には新築の家がたくさん並んでいる。同店が店舗を構える茨城県つくば市島名は、つくばエクスプレス沿線開発地域の一つであり、今後も商業施設、業務施設、公益施設、住宅等が形成されていく街。道路は広く街並みは近代的だが、少し路地に入るとのどかな田園風景を見ることができ、その景色に癒される。最近は圏央道の出口も新設され、つくばスマートICから400m、つくば中央ICから10分(4.6Km)、常総ICから12分(7.8Km)と様々なアクセス方法が選べる立地にある。
「ドゥカティつくば」は、「ドゥカティ千葉セントラル」を運営する有限会社ライダースクラブの第2の拠点。同社はバイク販売&整備を手掛けて40年の老舗。2020年、2022年にはドゥカティのディーラー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。「モノ売りからコト売り、さらに時(トキ)売りへ」を実践しており、お客様に「豊かな時間を提供し、消費してもらうこと」をスローガンとし、バイクの楽しさを常にリアルタイムで経験・体験できる店舗作りを目指している。
そのため『コトを作ること=ツーリングなどのイベント開催やYouTube、SNSでの発信』も積極的。今回は「ドゥカティつくば」のストアマネージャーであり、同社のYouTubeチャンネルでも活躍されている小川 哲郎さんとサービスマネージャーの片岡 大基さん。そして同社代表の吉田 祐介さんにお話を伺った。ちなみにGoogleの口コミを見るとお店の特徴やスタッフの意識の高さが良くわかるので、ぜひ覗いてみて頂きたい。
インタビュー:ストアマネージャー小川さん
「ドゥカティ一筋20年。
3年目の認知向上に向け、スロットル全開で行きます!」

小川 哲郎さんはイタリアのボローニャにあるドゥカティ本社に過去4度も訪問。製造ラインやデザインセンターなどの工程を学んだ経験もあり、現地のスタッフとも密接な関係を築いている。
小川さんは、自らを『ドゥカティつくばの新顔』というが、ドゥカティストアでのセールス歴は20年以上。ドゥカティの魅力をさらに多くのお客様と共有する、という新たなる目標を掲げ25年4月に同社へ入社。「ドゥカティつくば」のセールスマネージャーに就任した。
小川さん:「当店は茨城県だけでなく様々なエリアのお客様がいます。千葉、埼玉、栃木などから来ていただける方も多く、ツーリングがてら来店してくださる方もいます。特に千葉県の柏市、野田市、我孫子市、埼玉県の幸手市などはアクセスが良いですね。都内までも、高速道路や電車で1時間ほどとアクセスはよく、ちょっと走るのにも丁度いい距離です。
また休日でもショップの周囲に渋滞が起きにくく、伸び伸び走っていただけます。当然、試乗コースもそういったコース設定をしており、不安な方には先導付きでも試乗を行います。ご家族に“ツーリングに行くね”と言って出るとちょっと後ろめたい気持ちになるかもしれませんが、“オイル交換、点検に行くね”と言って走りを楽しみがてら来てくれる方もいます(笑)。近所にツーリングスポットもたくさんあるんです。当店の特徴はお出迎えの精神で、一人ひとりのお客様にしっかり向き合うことです。オープンから2年が経過。まだまだ石垣を作っている最中ですが、そのスピードを高め、さらに認知度を高めていきます。」
小川さん:「今後はイベントなどにも力を入れて行きます。現在はドゥカティ千葉セントラルと合同でツーリングイベントなどを開催。また、筑波サーキットも近いので来年からは走行会への参加も企画したいと思っています。今後は、YouTubeでもドゥカティの魅力を発信していきます。お客様に来ていただくのを待っているだけでなく、情報を発信することでドゥカティと『ドゥカティつくば』の魅力を伝えていきます。やはりモデルごとの特徴は、動画で見るとわかりやすいと思います。さらに電子制御の設定方法やドゥカティならではの維持の秘訣なども公開していきます。
ドゥカティは魅了の塊です。走り出して開発者やエンジニアの魂が聞こえてくるバイクは他にありません。この素晴らしい時間を皆さまと共有したいです。また車両のことだけでなく、ダイネーゼ製レーシングスーツの相談もお待ちしています。私はスミズーラ(英語だとビスポーク)ライセンスを取得しており、過去に自分のスーツはもちろん、お客様のオーダーメイドスーツを何10着も仕立ててきました。
『ドゥカティつくば』には“小川”がいる、そう言って頂けるよう売るだけではなく、お客様の人生に寄り添い、“走る喜び”を一緒に育てていきたいと思います。またドゥカティを楽しむ時間をエスコートさせて頂きたいです。それが私の信念です。『ドゥカティつくば』はオープンから3年目のシーズンに突入しました。スロットル全開で頑張っていきたいと思います。」
YouTubeチャンネル『ドゥカティス千葉セントラル』:【降臨】あの天の声さんが遂に! 記念すべき初回登場企画は『ドゥカティつくば』店舗の詳細案内です。
サービスマネージャー 片岡さん:
「お客様とのコミュニケーションを密にして、車両購入して頂いた先の楽しさを提供します」

2019年に入社した片岡 大基さんの愛車は、パニガーレV4R。自らも最高峰ドゥカティを所有。オーナー目線を大事にしたいと思っている。
「ドゥカティつくば」の中2階の休憩スペースからは自分のバイクが整備されている光景を見ることができる。ピットは整理整頓が行き届き、美しい。そんなサービスを取りまとめるのが片岡さん。片岡さんはサービスではあるものの、サービストレーニングだけでなくファイナンスのトレーニングも受けており、セールスも積極的に行っている。
小川さん:「当店ではお客様とのコミュニケーションを大切にしています。私自身、これまでに沢山のメーカーのバイクに乗って整備してきましたが、メーカーそのものをここまで好きになったのは、ドゥカティが初めてです。ドゥカティは乗った時の楽しさはもちろんですが、理にかなったシンプルな作りも魅力です。整備性も悪くありません。お客様から希望があれば、ピットでカウルを外した姿を見て頂いたり、撮影して頂いたりすることもあります。実際にその合理的な作りを見て頂くとさらにドゥカティの魅力が伝わるからです。
当店はバイクを売るだけでなく、その先の楽しさを提供することを意識しています。そのためにイベントやツーリングなど、走って頂く機会を増やしています。そうでないとドゥカティの魅力が伝わりませんし、ドゥカティを好きになって頂けませんからね。サービスは、現在2名体制でフレキシブルな対応を心がけています。整備に関してもそれほどお待たせせずに対応しますし、他店で購入されたドゥカティでも問題ありません。」
ドゥカティつくば:吉田代表インタビュー
「スタッフの一人ひとり自身をブランディング、
お客様から支持を得られるのが理想」

ドゥカティつくば代表 吉田 祐介氏
実際に足を運んだ『ドゥカティつくば』は、新規店舗らしい真新しさを感じられるショップである。それと共にホスピタリティを始め、随所にディーラー・オブ・ザイヤーを2度受賞した系列店『ドゥカティ千葉セントラル』のDNAが感じられた。そんな素敵なディーラーのオープンを実現した立役者であり、『ドゥカティつくば』の代表を務める吉田さんに、この先のビジョンを伺ったので紹介したい。
吉田代表:「今だから言えますが『ドゥカティつくば』の出店構想は全くありませんでした。ドゥカティ千葉セントラルの経営は順調だったので、これ以上はと思っていたのです。しかし、ある時ふと気が付いたのです。社員は年齢を重ね、いずれは結婚し子供を授かり、家を買うだろうなと。ということは給料は上げなければいけないな。どうしようと。そうなると、売上を上げるしかないと思い、奮起しました。調べると全国で一番人口流入率が高い市町村がつくば市で、この地で勝負しようと決めました。
オープンから3年目のシーズンに突入して、底知れぬポテンシャルがある場所だと思っています。周囲の開発は着実に進み、アクセスも良くなっています。このあたりは先駆者として、とても楽しみです。そして小川ストアマネージャーにも期待しています。ドゥカティは当然『どこで買う』かが重要になってきますが、私としては『誰から買う』かが最も重要だと思っています。これまでもパーソナルブランドと称し、スタッフ一人ひとり自身をブランディングし、お客様から支持を得られるようにと、社員一同に声を掛けてきました。しかし小川ストアマネージャーは、最初から兼ね備えている“小川ブランド”があります。それを思う存分発揮してもらいたいと思います。またその影響を他の社員にも波及させてほしいと期待しております。」
僕(筆者)はドゥカティ本社とも交流があるが、ドゥカティと親密に付き合うには、彼らとファミリーにならなければならないと思っている。ビジネスのスタンスで話をしているといつまでもファミリーになれず、他人行儀のままの関係が続く。これはドゥカティに限らず、イタリアの企業特有のスタイルなのだと思う。
ただ一度、ファミリーの関係を築くと、途端に話が早く進む。日本人の感性だと中々馴染みにくいこともあるのだが、セールスマネージャーの小川さんは、すでにそこを超越している。
CEOのクラウディオ・ドメニカーリさんや副社長のフランチェスコ・ミリチアさん、さらにデザイントップのアンドレア・フェラリージさんやテストライダーのアレッサンドロ・ヴァリアさんなど様々なメンバーと交流があるのだ。
パフォーマンスや美しさだけでない、イタリアが生み出したドゥカティの魅力を直接聞くことができるのが「ドゥカティつくば」なのだ。
ショップインフォメーション

ドゥカティつくば(有限会社ライダースクラブ)
〒264-0028
茨城県 つくば市 島名2933-7
電話:029-896-4112
営業時間:9:00 - 19:00
定休日:火曜日・第1・第3・第5 水曜日
HP : https://ducati-tsukuba.jp/
モノ売りからコト売りへ。さらに時(トキ)売りを実践する。
新ストアマネージャーと共に「ドゥカティつくば」が躍進。