ドゥカティつくば(Part2)
特集記事

『ドゥカティつくば』が提案するハッピー・ムルティストラーダ・ライフ!

取材協力:ドゥカティつくば

取材:小松 男

掲載日:2024/03/31

 ドゥカティは最強のスポーツバイクブランドと言って過言ではない。昨年のMoto GPやSBK(スーパーバイク世界選手権)においてダブルタイトルを奪取。さらに現在、モトクロス選手権へのチャレンジが始まった。そんなドゥカティが世に送り出すマルチパーパスモデルのムルティストラーダも飛びきりスポーティなバイクで、しかも遊びのフィールドは幅広いと言える。
 2003年の登場以来、20年以上に渡ってその開発コンセプト(様々な路面コンディションに対応する)を継承しながら進化し続けているモデルである。その最新ムルティストラーダの魅力をユーザーに伝えながら、また楽しむことを提唱、実践しているショップが茨城県にある。昨年オープンしたドゥカティ正規ディーラーの『ドゥカティつくば』である。

 今回のスペシャルショップガイドでは『ドゥカティつくば』代表の吉田祐介さんと、ムルティストラーダオーナーとの座談会形式で、最新ムルティストラーダの魅力について話を聞く機会を得た。

最強スポーツバイクブランドのドゥカティにおける
ムルティストラーダとは

「様々な道=マルチロードからネーミングされたムルティストラーダ」

ドゥカティ・ムルティストラーダの歴史は長く、初代モデルは2003年でデザイナーのピエール・テルブランチによって登場。その後、モデルチェンジを繰り返しながらテクノロジー進化を続け、第4世代となる現在では2気筒(テスタストレッタ11°)と4気筒(V4グランツーリスモ)エンジンを搭載するモデルが存在する。他メーカーにも存在するビッグアドベンチャーセグメントで最新ムルティストラーダはまさにトップランカーである。

 世界最高峰ロードレースMoto GP、市販車ベースとしたモデルで戦い抜くSBK(スーパーバイク世界選手権)のダブルタイトルから始まり、Moto E(電動モーターサイクルの世界最高峰ロードレース)へ車両供給する公式サプライヤー、さらにモトクロスレースへの挑戦など、スポーツブランドとして挑戦の手を止めない、今イケイケのブランドであるドゥカティ。そんな挑戦をし続けているドゥカティのアドベンチャーモデルとして、世界中のユーザーから長年愛されているのがムルティストラーダである。

 少し話が逸れるが、今年の東京モーターサイクルショー会場で元WGPレーサーであり、モータージャーナリストとしても活躍されている八代俊二さんと話している時に、そう言えば(八代さんは)初代ムルティストラーダが登場してすぐに、手に入れて長いこと乗られていたことを思い出した。そこでムルティストラーダの魅力について訊ねてみた。すると「それまでのドゥカティは高回転は良く回るものの、低回転域でギクシャクしていたのがDS(ツインスパーク)エンジンを開発し、それを搭載したムルティストラーダは、足長スポーツバイクとして最高の運動性能を持つモデルとなっていた。仕事にもロングツーリングにも使える便利で楽しい一台だった」と返ってきた。

 ムルティストラーダは初代モデルから、どんなステージでも突出したスポーツライドを楽しめるという、基本的なキャラクターを変えず進化を続けて今に至っている。そんなムルティストラーダの魅力を多くのユーザーと共有し、楽しんでいるのが『ドゥカティつくば』代表を務める吉田祐介さんだ。『ドゥカティつくば』は、2023年7月にオープンした新しいドゥカティ正規ディーラーである。しかも2020年・2022年と2度に渡り最優秀ディーラー賞を受賞した『ドゥカティ千葉セントラル』の運営母体と一緒であり、古くからのドゥカティストの要望への応対や将来のドゥカティスト、そしてビギナーライダーのサポートまでも行っている。

 中でもムルティストラーダに関しては吉田さん自身も所有されており、キャンプツーリングや数週間単位のロングツーリングなど主催し、ユーザーとムルティストラーダライフを共有してきた。
 ムルティストラーダの良さを知る吉田さんと、『ドゥカティつくばで』で晴れてムルティストラーダを手に入れた二人のオーナーに、ムルティストラーダに実際に乗ってみた(所有した)印象や今の気持ちを聞かせて頂いた。

プロのレーサーやジャーナリストなどバイクを仕事にしている方ではなく、一般ライダーにムルティストラーダを語ってもらう方が、多くの一般ライダーにとっても身近に感じてもらい、その言葉も伝わりやすいと考えて今回の座談会を発案。二人のオーナーはムルティストラーダをどう感じているのだろうか? ※右写真の(左)中島裕司さん、(中)金子公亮さん、(右)吉田代表

最新のCIを用いたショールームスペースは、常時20台近くの展示車両がゆったりと置かれている。スーパーバイクモデルのパニガーレや日本上陸したばかりの新型スクランブラーまで、豊富な展示車両が用意されている。『ドゥカティつくば』に来れば、お目当ての一台とめぐり合うことが出来る。

初めてのドゥカティ、初めてのアドベンチャーモデル。大きく広がるバイク遊びに期待感もMAX!


 ここからは『ドゥカティつくば』代表の吉田祐介さんとムルティストラーダオーナーの中島裕司さん、金子公亮さんの3名による座談会の様子をお届けする。
吉田:ドゥカティやムルティストラーダに限った話ではないのですが、ネットでの情報や広告記事などだとレーサーや有名人などを起用し作られていることがほとんどで、なかなかその空気感というのは伝わりにくいと思っています。どうやったらリアルにムルティストラーダの魅力を伝えることができるだろうと考えたところ、やっぱり同世代であったり実際にオーナーとなった方を交えて話をすることが、親身になって話すことができて良いと思い、今回はドゥカティつくばにおいてムルティストラーダをご購入いただいたお二人にお越しいただいたのです。
 まず、お二人はドゥカティの前に別ブランドのアドベンチャーバイクを試乗されており、その後にドゥカティつくばに来られてムルティストラーダを試乗し、購入を決められましたよね。試乗に出られて何時間も戻られなかったことを良く覚えています(笑)。ムルティストラーダに興味を持ったきっかけや購入の決め手になったのはどのような部分だったのでしょうか。

金子:そもそも多くの方にドゥカティは敷居が高いというイメージを持たれていると思うのですよ。それとムルティストラーダを始めモンスターやデザートX、ディアベルなど素晴らしいモデルラインアップなのにも関わらず、スーパーバイクモデルの印象が強い。そういった面からドゥカティ正規ディーラーに足を運ぶということを躊躇してしまう人は多いと思います。私の場合はずっとスポーツバイクを乗り継いできたのですが、2~3年前にアドベンチャーバイクに興味を持ち、ホンダのX-ADVを買ったのですが、あれはやはりスクーター的な乗り味であり、思っていた感じと違ったのですぐに手放してしまいました。別のアドベンチャーモデルを考えてBMWのGS試乗に行ったのですが、シートの高さとボクサーエンジンのキャラクターが今ひとつしっくりこない。

 そのようなタイミングで、この『ドゥカティつくば』がオープンしたことを知り、ムルティストラーダを見に来たのがきっかけでした。まずムルティストラーダを目の前にした時の第一印象は『こんなデカイの乗れねーよ』でしたね(笑)。でも試乗してみると本格的なスポーツバイクに仕上がっていることがわかり驚いたのです。試乗をした時はバイク仲間の中島さんと2台を借りて、たぶん15分くらいの試乗枠だったかと思いますが、楽しくなってしまい筑波山まで往復してきました。時間なんて気にしないで2時間くらい走りましたね。それほど一気にムルティストラーダに引き込まれました。

  • 様々なバイクを乗り継いできたという金子さん。カワサキZX-14Rも所有している他、ムルティストラーダの後にモンスターを増車。ムルティストラーダの快適性能を活かし、超ロングツーリングに出たいと話す。

  • 「実際の路面は平らではなくカマボコ型であり、道路端に向かって下がっている。シートの高いアドベンチャーバイクは、特にしっかり試乗をして決めた方が良い」とアドバイスをくれた。

身長160cmでも足つき性問題なし。今はバイクを乗り手にアジャストする時代


中島:私は身長が160cm程度なので、やはり最初は足つき性に関して不安があったのですが、私のムルティストラーダはオプションのローシートに変更していることや、そもそも車体が細いこともあり、足つき性で不安を感じたことはありません。試乗に出た時もやはりその点を気にしていました。ディーラーなどで置いてある車両に跨るのと、実際にはカマボコ型をしている路上とでは、足つきの印象は異なるものですからね。ムルティストラーダの性能は最高ですよ。
 私はカワサキGPZ900Rも所有しており、スポーツ志向のバイクが好きなのですが、ムルティストラーダはさすがスポーツバイクの名門であるドゥカティが作ったバイクだと思います。低回転からしっかりとしたトルクがあり、しかも全回転域で力強く恐ろしいほどに速い。最高に楽しいです。

吉田:ムルティストラーダに興味を持っても、足つき性の問題で躊躇されている方が多いのは事実ですね。ただ中島さん、金子さんのお二人ともローシートにすることでその問題をクリアしていますし、ステップやハンドル位置の変更など、今の時代は乗り手がバイクに合わせるのではなく、バイクをライダーにアジャストさせることが一般的となっています。ですから実車に触れる前に無理だと思わないで欲しいです。ムルティストラーダのオーナーになられ装備や性能面など気に入っている部分や、気になっていることなどはありますか? ぶっちゃけた話をしてもらって構いませんよ(笑)。

  • 当初は買うつもりではなかったものの、ムルティストラーダに実際に触れたことで考えが変わったという中島さん。カワサキGPZ900Rも所有するスーパースポーツ好きである。

  • 「ムルティストラーダは目立つので走っているだけで宣伝効果があるのでは? ブロックパターンのタイヤに履き替えて林道走行やキャンプツーリングにも行きたいね」と話してくれた。

シート高は標準シートで、840~860mm(可変式)となっている。金子さんと中島さんは、オプションアクセサリー設定されている810~860mmのローシートに換装し、足つき性の問題をクリアしている。

『ドゥカティつくば』『ドゥカティ千葉セントラル』の母体であるライダースクラブ取締役社長を務める吉田祐介さん。ツーリング、キャンプ、BBQ、サーキット走行会、モトクロス体験などの体験型イベントを数多く催し、お客様とのバイクライフを共有し自らも楽しんでいる。

最先端のテクノロジーが凝縮されており、それに応じたアダルトな走りを楽しめる!


金子:前を走るクルマやバイクを追従してくれる“アダプティブクルーズコントロール”は便利で一度使うとやめられませんね。スポーツバイクを中心に乗り継いできたこともあるのですが、これまでは高速道路やバイパスなどで、ついつい先を急ぐような走りをしてしまっていたような場面でアダプティブクルーズコントロールを使うことで、クルマの流れに乗ってクルーズを楽しめるようになりました。やんちゃなライディングからアダルトな走りになったという変化だけでなく、ストレスも無くなりましたよ。ただ前を走るクルマが急にいなくなった時などの制御などは改善の余地があるように思えるので、今後のアップデートに期待しています。

中島:アダプティブクルーズコントロールを使うと快適過ぎて、むしろバイクの上で眠ってしまわないように注意しなければならないという別の問題が出てしまいました(笑)。それとドゥカティクイックシフターも良いよね。他のメーカーのクイックシフターも色々と試したことがあるけれども、ムルティストラーダのクイックシフターほど自然にアップダウンを行えるものはないし、2000回転程度でも自然にシフトチェンジが行えるのは、一日の長を感じられますね。
  • 市販二輪車で世界初採用となるアダプティブクルーズコントロール。車両前後に中距離レーダーセンサーを搭載し、追従車両と後方車両を検知、6軸IMUと紐づけられエンジンコントロールやブレーキ制御が行われる。

  • ムルティストラーダV4SはDQS(ドゥカティクイックシフト)を標準装備。レース界で培われた技術がフィードバックされており、クラッチレバー操作無しで、シフトアップ/ダウン双方を行うことができる。

ムルティストラーダを得たことで、バイクライフはどんどん広がりを見せる


吉田:お二人はそもそも地元のバイク仲間で一緒にご来店されましたが、他にも一緒にバイクを楽しんでいるメンバーはいらっしゃると思いますが、その方たちの反応はいかがですか? あとムルティストラーダで、これからやってみたいことなどあるのでしょうか?

金子:まずムルティストラーダは、バイクからして目立つので皆興味を示しますよね。人によっては羨ましがる方もいますし、あまり外車を良く思っていない人もいます。そういった反応を見ているだけでも面白いものです。なんと言っても400万円近くするバイクですからね。自分自身でも買うとは思っていませんでしたよ。(笑)

中島:私はまだムルティストラーダに乗り始めてから日が浅いのですが、普段キャンプなども楽しむので、これからはムルティストラーダを使いキャンプツーリングにも行きたいですね。それと林道ツーリングも行きたいです。GPZ900Rで未舗装路を走るのは中々難しいことなので(笑)。

金子:キャンプは苦手なのでしないかもしれませんが、超ロングツーリングには行きたいです。まずは熊本、阿蘇山まで一気に行き、ゆっくり帰ってくるようなアドベンチャーバイクならではのツーリングを楽しみたいです。

吉田:一人で乗っても皆でワイワイと走ってもムルティストラーダは楽しいものですよね。ドゥカティつくばでは、これからもキャンプツーリングなど遊びを提案していきたいと思います。是非とも一緒に盛り上がって行きましょう!
今日は取材に協力頂き、本当にありがとうございました。
  • ムルティストラーダでキャンプツーリングは究極のバイク遊びでないだろうか。舗装路ではスーパーバイク譲りのスポーツ走行を未舗装路であってもロングストロークサスペンションを活かして難なくパスする。

  • 「ブロックタイヤを履かせて未舗装路ツーリングにも行きたいよな!」と話す両名。ムルティストラーダは、バイクライフの可能性を無限大に広げてくれるスペシャルツールなのだ。

  • 大きな体躯で強い存在感を見せるムルティストラーダはどこを走らせても注目の的。これから茨城県唯一のドゥカティ正規ディーラーであるドゥカティつくばから、多数のドゥカティストが誕生することだろう。

  • 茨城県唯一のドゥカティ正規ディーラーであり、北関東全域をカバー。ライディングスポットも点在しライダー人口も多い茨城でドゥカティを盛り上げる。今夏、圏央道のスマートICも誕生しアクセスも向上。

ドゥカティつくばオリジナルのムルティストラーダV4ラリースペシャルパッケージ。ツーリングパッケージ、アーバンパッケージ、エンデューロパッケージなどドゥカティパフォーマンスパーツを組み合わせた車両が特別価格で提供されている。

編集部コメント

ドゥカティライフを一緒に楽しむ『ドゥカティつくば』の魅力

 ドゥカティは言わずと知れたイタリアを代表するスポーツモーターサイクルブランドだ。彼の地で開発される車両はどれもエキサイティングで且つエモーショナルだ。それが大きな魅力となっていることには違いないのだが、一方でそのことに対し敷居を高いと感じてしまうライダーが少なからず存在することを私は知っている。
 今回の対談形式の取材をさせて頂いたところ、『ドゥカティつくば』や系列店であるドゥカティ千葉セントラルというドゥカティ正規ディーラーは、ライダーの身になってサポートをしてくれることやドゥカティストとなった後のライフスタイルをしっかり支えてくれることが伝わってきた。まずラインアップされている全てのドゥカティのモデルキャラクターを熟知しており、そのモデルのオーナーになった時の楽しみ方をきちんと提供していることが挙げられる。さらに代表をはじめとしたスタッフ自身が一緒に楽しんでいるのである。

 座談会では、ムルティストラーダオーナーということで、『ドゥカティつくば』『ドゥカティ千葉セントラル』で催しているアウトドア遊びやキャンプツーリングなどの話を取り上げさせて頂いた。しかしスーパーバイクモデルやストリートファイターモデルを使ったサーキットライドもサポートしている他、オフロード走行を楽しみたいオーナーへのサポートも行っている。その根底にあるのは、ドゥカティというブランドが強い訴求力を持っていること、さらにドゥカティストが持つ熱い情熱があり、その橋渡し役的存在として同店があるのだ。高い買い物になるのだからこそ、手に入れた後は存分にドゥカティライフを楽しみたいと思うのが、ユーザーの素直な思いだ。
 同店では、その思いに応えるためにドゥカティスト初となるコトを楽しんでもらい、ドゥカティのあるバイクライフを素敵に思ってもらいたいと、本気に取り組んでいる“熱い情熱”を持ってユーザーと接しているのが伝わってきた。

ショップインフォメーション

ドゥカティつくば

〒264-0028
茨城県 つくば市 島名2933-7
電話:029-896-4112
営業時間:9:00 - 18:00
定休日:火曜日・第1・第3・第5 水曜日
HP : https://ducati-tsukuba.jp/