モトコルセ/ボルゴパニガーレ
特集記事

プレミアムモーターサイクルの殿堂で特別なバイクライフを実現

取材協力:モトコルセ

取材:小松 男

掲載日:2023/08/29

 イタリアンブランドを中心に多くのプレミアムスポーツバイクを取り扱っている、神奈川県厚木市にある『モトコルセ』は、世界最高峰とも言える宝石のようなモーターサイクルを見ることができる、とても貴重なバイクショップである。
 長年、お客様に支持され続けてきた『モトコルセ』の魅力は、同店の持つ“フィロソフィ”にあると思われる。今回は、そんな『モトコルセ』のプレミアムスポーツバイクオーナーを虜にする秘密に迫っていこう。

MOTO CORSE(モトコルセ)とは

「世界に数台しかないような、最高峰プレミアムモデルを扱う」

進化したbimota(ビモータ)のハブステアシャーシと、KAWASAKI Ninja H2のスーパーチャージドエンジンを組み合わせた世界限定250台の「TESI H2」。世界広しと言えども、これほどの台数の希少なバイクを見ることが出来るのは、ここ『モトコルセ』だけだろう。

 2024年に30周年を迎える『モトコルセ』という会社をこの記事で知る方もいるかもしれないので、まずはその歴史から紐解いていきたいと思う。1994年に「MOTO CORSE」の前身となる「CORSE(コルセ)」を創業。世界で唯一“bimota(ビモータ)”のSB6というモデルを専門のLABとしてスタート。生まれながらにスペシャルである“bimota(ビモータ)”を素材と捉え、翌年の1995年にはチタニウムやマグネシウムを活用した車体の大幅な軽量化と、エンジンの耐久性を重視した吸排気系の変更のみで、170hpを発生させた最初のコンプリートモデルSB6SRを発表する。その後、細部にわたり徹底的に手を入れたスペシャルモデルのSB6SRBを製作し、当時の最高速イベントではその安定した性能で、唯一オーバー300km/hを連発し記録を更新。新進のショップが有名老舗チューナーを相手に敵なしの状況となり、その名を世に知らしめることとなった。
 1998年、アメリカにおいて1マイル区間における静止状態から最高速度を競うという加速性能を重視する競技であったが、軽量に仕上げた車体を活かし200マイルオーバーの327km/hという世界記録を樹立した。そんなファクトリースタイルのショップとして運営してきた後、“bimota(ビモータ)”だけでなくDUCATI やMV AGUSTAなど性能もさることながらデザインにも秀でたイタリアンモーターサイクルブランドを扱うようになっていった。
 
 ここで私が特筆したいのは、同社がただ単に車両販売や整備を行うだけに留まらず、オリジナルをリスペクトしながらも製造メーカーでは出来ない手法でスタンダードの性能を引き出し、その魅力と共に車両の価値を高めることでオーナーの満足を得るという独自のコンセプトを具現化するコンプリートモデル製作に注力してきたことだ。先述したように出自からしてチューンアップやカスタマイズを手掛けてきた『モトコルセ』だが、その歴史はコンプリートモデル(製作)の歴史であると言える。

モトコルセブランドの本拠地は、DUCATIを始めとするプレミアムブランドの新車販売をする『モトコルセ ムゼオ』と、中古車の専売をコンセプトとするユーズドプレミアムモデル専門店『ボルゴパニガーレ』で構成される。

コンプリートバイクのMTC V4。ムルティストラーダも同店の手に掛かることでさらに魅力が増す。もちろん、コンプリートバイクでなくとも購入後にカスタマイズ相談もできる。メンテナンス、カスタマイズ、チューンアップと『モトコルセ』ではお客様の全ての高い要求に対応する。

ユーズドプレミアムモデルの専門店である「ボルゴパニガーレ」。スーパーレッジェーラをはじめ、限定車や流通の少ない希少な車両を数多く取り揃えており、そのどれもが極上車両である。

“世界的にも貴重なモデルを多く扱ってきた実績があるからこそ、安心して任せることができる”

 「モトコルセ・コンプリート・モデル」と呼ばれるバイクは、同社が手掛けたという付加価値によって更にその魅力が高められている。私が『モトコルセ』の敷居を初めて跨いだのは20年近く前のことだったと思う。当時、某出版社の編集部員として携わっていた“クラブマン”という雑誌で、バイクインプレッション記事を制作するにあたり、同店にbimota(ビモータ)TESI 3Dをお借りしに伺ったのが切っ掛けだった。
 もちろんお店の存在を知っていての訪問であったが、店舗入口に到着すると、やはり敷居の高さを感じたものであった。店内に整然と置かれた車両の全てが神々しく輝いて見え、その様子は何処かモーターサイクルミュージアム(店名の由来になっている)ように思った。そして店内にいるだけで何故か誇らしく感じたことを20年近く経った今でも覚えている。同店に行ったことのある方ならば当時の私と同じように感じているだろう。その特別感こそが、『モトコルセ』に惹きつけられる魅力だと思う。

『モトコルセ』は現在、神奈川県厚木市所在の「モトコルセ ムゼオ」とプレミアム中古車販売の「ボルゴパニガーレ」、東京都渋谷区所在のDucati社が提唱する世界初の大都市圏におけるブランディングストア「ドゥカティライフスタイル東京」、埼玉県さいたま市所在のDucatiストアCIに準拠した「ドゥカティさいたま」の4拠点を展開し、関東圏でお客様のバイクライフをトータルサポートしている。今回、同社が大切にしている“フィロソフィ”を知るため、近藤代表の元を訪れた。

MOTO CORSE(モトコルセ):近藤代表インタビュー

“バイクの楽しみ”を伝えたい

実際のところ私は『モトコルセ』というブランドの敷居は高いと感じている。ショップ紹介記事を作るにあたり、こんな書き始めをするのも何なのだが、プレミアムモーターサイクル専門店としての佇まいに少し身構えてしまう。しかし店の扉を開けてしまえば確かなプレミアムバイクライフが待っていると言える。そう断言できるのも同店で車両購入したりメンテナンス依頼をして、お付き合いをしている知人らが手厚いサービスを受け、濃密なバイク趣味の時間を過ごしていることを知っているからに他ならない。
 
 同社の経営方針の根底には、お客様の“ライダー心を熱くする”何かが隠されているように思えた。『モトコルセ』とはどのようなブランドなのか、どんな会社なのかを知るため、近藤代表へのインタビューでその質問を投げかけてみた。

モトコルセ代表 近藤伸氏。自身もツーリングやサーキットで率先してバイクに乗って走り、お客様と同じ目線でバイクライフを楽しんでいる。だからこそ、その言葉の一言一言に説得力を感じる。

 これまで当社はバイクの楽しみ方を求めて、お客様に育てて頂いてまいりました。『モトコルセ』で扱ってきたモーターサイクルの中には、世界で数台しか製造されないようなものもあり、特別なモデルは確かに多かったように思います。そこに敷居の高さを感じる方がいらっしゃることは仕方がないことなのかもしれないです。しかし我々もそれを自覚した上でお客様に車両とサービスを提供してきました。特にDUCATIやbimotaとの親和性は高く、DUCATI/bimotaと言えば『モトコルセ』。『モトコルセ』と言えばDUCATI/bimotaとおっしゃって頂けるお客様もいらっしゃいます。
 バイクには人生を豊かにしてくれるスパイスが凝縮されていると思います。まずは手に入れた時の喜び、眺めているだけでも満たされた気持ちになると思います。そして実際にまたがって走らせるのは最大の喜びであり、自身の個性を演出するようなカスタムやファッションに興じるのも楽しいと思います。そういったことを楽しむためのお手伝いが出来ることを目指しております。

“お客様と一緒にバイクライフを楽しみながら、サポートさせて頂いています”

 DUCATIのようなハイパフォーマンスなスポーツバイクを安全に楽しく、格好よく良く乗りたいという願望がある中で、運よく講師とのご縁も頂けましたので、昨年から「モトコルセ・ライディング・アカデミー(※MRA)」というサーキットスクールをスタートしました。もちろん自分も受講者です。 MRAでは受講者毎の個別カリキュラムによって指導を行い、受講者自身がライディングの理論や理屈を理解し、それをご自身で考えながら走ることで次のステップに行くための課題を一緒に見つけていきます。
 一つひとつをクリアすることでライディングスキルの向上とその引き出しを増やすというのを目的としています。サーキット走行というと転倒の心配やタイムを縮めたり、競争したりというのをイメージしがちですが、改めてライディングの基礎からスタートし、サーキットライディングに手応えを感じながら少しずつステップアップしていきます。 レコードラインのトレースとタイムアップを目標に走るライディングではなく、あらゆるシチュエーションにも対応出来るサーキットライディングスキルの習得を目指しています。スキルアップに伴い綺麗なライディングスタイルでスムースにカッコよく乗れ結果タイムも良くなります。
 これは街乗りやツーリングにおいてもマージンとなり活かされ、安全性の向上や周囲のライダーに良い影響を与えることに繋がっています。何と言ってもライディングスキルアップはライダーにとって永遠のテーマですからバイクライフをより気持ち良く楽しんで頂けると思います。

「モトコルセ・ライディング・アカデミー(※MRA)」は、袖ケ浦フォレスト・レースウェイにて月4回開催している。定員は各回3名とほぼマンツーマン。講師の溝口真弘氏の的確なアドバイスで、参加者のライディングスキルはみるみるうちに上達する。

 

私の同店に対する印象はプレミアムな車両やパーツを取り扱うイメージが多かったが、よくよく思い返してみるとツーリングやイベントで、近藤代表自らがバイクに乗って参加していたことを思い出した。バイクライフを率先して楽しむことで、お客様を巻き込んだ大きなムーブメントを起こしてきたのである。ハードとソフトの両面からバイクのある生活を楽しむきっかけ作りとサポートをしてくれる。そこに『モトコルセ』の“フィロソフィ”があり、多くのファン(お客様たち)に支持されていることが、近藤代表の言葉からも伝わってきた。

MOTO CORSE Museo(モトコルセ ムゼオ)/BORGO PANIGALE(ボルゴパニガーレ)

厚木の「モトコルセ ムゼオ/ボルゴパニガーレ」スタッフ。DUCATIからbimota(ビモータ)、Vyrus(ヴァイルス)などプレミアムモーターサイクルの頼れるスペシャリスト集団だ。購入時の相談からメンテナンス、バイクを使った遊び方まで、親身になって話を聞いてくれるので心強い。レストルームは赤と白を基調とし、広く高級感ある雰囲気は同店ならではの空間演出といえる。

スリッパ―クラッチのパイオニアブランド“STM”やタイヤウォーマーの“Capit(カピット)”の正規輸入元も務めるほか、オリジナルパーツの開発製造も行っている。モトコルセブランドのパーツは高い品質、性能により国内外問わず定評だ。

 

Ducati Lifestyle Tokyo(ドゥカティライフスタイル東京)

渋谷にある「ドゥカティライフスタイル東京」は、DUCATIが提唱する世界初となる大都市圏でのブランディングストア。店内には都会的で洗練されたされたアイテムが数多く取り揃えられ、アパレルを求めて訪れるお客様も多いという。

渋谷駅から徒歩5分という立地もあって都心でドゥカティライフを楽しめるショップと言える。エンジンを降ろすような重整備も可能なファクトリーが完備されており、バイクにアパレル、グッズなどの購入からメンテナンスまで万全の体制が整っている。

 

Ducati Saitama(ドゥカティさいたま)

さいたま新都心にある「ドゥカティさいたま」。広々とした店内にはストア店として十分な車両展示、様々な純正カスタムアイテムやアパレル、グッズなどが陳列されている。

「ドゥカティさいたま」には、長年DUCATIに携わってきたスタッフも在籍しており、現行モデルはもちろん旧モデルにも対応してくれるので心強い。サービスファクトリーは清潔感があり、DUCATIのプレミアムモデルをしっかりとメンテナンスしてもらえる。

編集部コメント

特別なバイクをどのように楽しむか? その答えが凝縮されている

 今回の取材で私が抱いていた『モトコルセ』の印象と実際のモトコルセブランドとは違いがあると感じた。それは私の思う『モトコルセ』は、一生に一度見ることが出来るか出来ないかという宝石のような貴重なバイクを取り扱い、さらにコンプリートバイク製作を始め、カスタマイズにも長けたショップというイメージが先行していたからだ。もちろん、それらは間違いではないのだが、近藤代表のインタビューを通じて“バイクを楽しむためのブランド”というメッセージをとても強く感じ取ることができたからである。
 「性能面で言えば最新が最良であるとはいえ、1台のバイクを長く楽しんで欲しい」という近藤代表の言葉は、私の心に強く響いた一言であった。同店ではお客様が愛車と長くバイクライフを楽しめるよう、自社オリジナルパーツの開発に始まり、絶版モデルのアップデートやレーシングパーツ入手などの高い要求のカスタム相談、遊びにおいては長年継続しているツーリングやサーキットライディングスクールを催すなど幅広く応えている。そして優先していることは、お客様が大切に乗っているバイクを今よりもっと楽しんでもらえるようにバイクライフサポートに徹していることである。

 『モトコルセ』にモーターサイクルショーなどでしか見ることが出来ない特別なバイクを見に行くだけでも十分価値はあるが、同店と付き合うということは充実したプレミアムバイクライフを約束してくれるお店のお客様になるということに他ならない。まだ『モトコルセ』に行ったことの無い方やバイクと長く付き合いたいと思っている方は、ぜひ同店を訪れて、モトコルセブランドを肌で感じて欲しいと思う。

ショップインフォメーション

モトコルセ/ボルゴパニガーレ

〒243-0022
神奈川県 厚木市 酒井3011
電話:046-210-3541
営業時間:10:00 - 19:00
定休日:火曜日、年末年始・春季休暇・夏季休暇、イベント日
HP : https://www.motocorse.jp/