「”コレ(Eクラッチ)”が良い!」と断言 今後従来ミッションが減る可能性あり!?

2017年に登場――いや、正確には約21年ぶりに新しいスタイルをまとって復活を果たした、ホンダ・レブル250
車検の必要がない最大排気量となる250ccエンジンを採用していることにはじまり、低く抑えられたシートによる安心の足つき、モダンでカッコいいクルーザースタイル……。これらの魅力がそろったことで、デビュー直後から瞬く間にスターダムへと駆け上がりました。
その人気ぶりはすさまじく、「石を投げればレブルに当たる!」と冗談交じりに言われるほど、街中で見かけるバイクの代表格になったのも記憶に新しいところです。
現在も新車・中古車ともに高い需要を誇り、さらにカスタムパーツ市場も大きく盛り上がり続けています。
そんなレブル250に、ついに新バリエーションが登場! それがクラッチレバー操作を必要としない最新モデル「レブル250 Eクラッチ」です。
もともと“扱いやすさの代名詞”ともいえるレブル250が、このEクラッチを得たことでどんな進化を遂げたのか――。
今回は注目の「レブル250Eクラッチ」を取り上げ、実際の操作感や走行性能を詳しくチェックしていきます!

昭和組には”青春”の一台だった? 旧モデルもちょっとだけおさらい!

すでに本項の冒頭でも触れたように、実は「レブル250」という名前は過去にも存在していました。いまでは中古車情報サイトを探してもほとんど見かけないほど希少になっていますが、当時を知るライダーにとっては“青春の一台”と呼べる存在でもあります。

初代レブルが登場したのは1985年。アメリカンクルーザーがまだ画一的だった時代に、クロームメッキをふんだんに使い、高めにセットされたハンドルやロー&ロングのシルエットでまとめた独自のスタイルは、まるでスペシャルカスタムのようでした。

この個性的で遊び心あるデザインは幅広い層に受け入れられ、のちに訪れるアメリカンクルーザーブームの火付け役となった一台だとも言われています。

私自身も高校時代、友人のレブルを借りて走ったことがありますが、ゆったりとしたライディングポジションや低回転から粘る並列2気筒エンジンのおかげで、とにかく気楽に楽しめるバイクという印象でした。

そのレブルは20世紀の終わりに国内販売を終了しますが、2017年に新たな姿で復活。既存のクルーザー像を覆すオリジナリティあふれるデザインは、往年のレブルを知る人からすると“異様”に映ったかもしれません。しかし結果は大ヒット。
振り返れば、初代もまた独自のスタイルで注目を集めた存在でしたから、「レブル=個性とオリジナリティ」というDNAは、時代を超えて受け継がれているのかもしれません。

魅力ポイントが多すぎ レブル250は幸せバイクなのです!

正直に言えば、私自身も現行レブルが発表された当初は「ん? これがレブル?」と首をかしげた一人でした。

バッタのようにも見える独特な燃料タンク形状、太いファットタイヤ、そしてシングルエンジンの採用……。どれも旧型のイメージとはかけ離れていて、違和感しかなかったのです。

きっと「レブル」という名前が付いていなければ、素直に受け入れられたのかもしれません。しかし先入観とは怖いもの。そう思い込んでいた私を裏切るように、デビュー直後から売れ行きは絶好調。あっという間にホンダ250ccクラスの看板モデルとなっていきました。

しばらくして、実際に取材でレブルに乗る機会が巡ってきました。すると――これが想像をはるかに超える完成度!「やられた…!」と心底驚いたことを、今でも鮮明に覚えています。

まず特筆すべきはシート高。690mmという数字は、世界中のバイクを見渡してもトップクラスの低さで、足つきの安心感は抜群です。ビギナーや小柄な方でもまったく問題なし。実際に初めての一台として選ぶ人や、女性オーナーが多いのも納得できます。

次に心地よいのがシングルエンジン。低回転から粘りがあり、全域でフラットなトルクを発揮してくれるので、とにかく扱いやすい。旧レブルがツインエンジンだったことから最初は抵抗を感じましたが、実際に乗ってみると“まったり感”が絶妙で、走ること自体を楽しくさせてくれるセッティングでした。絶対的なパワーは控えめですが、その分「次はもっとパワフルなバイクに…」と自然にステップアップしていける、いい意味での“入口モデル”にもなっています。
さらに意外だったのがハンドリングです。前後に16インチのファットタイヤを履いているのに、動きはとても素直。一般的なロードモデルに多い17インチ車から乗り換えても、すぐに違和感なく走れるのです。もちろんタイヤサイズ特有のクセはありますが、それがむしろコーナリングの気持ちよさを際立たせてくれる印象でした。

こうして走り出した瞬間に、「これは売れるのも当然だ!」と納得。正直、自分の子どもが免許を取ったら一台プレゼントしてもいいかな、と思えるほど“幸せになれるバイク”なのです。

Eクラッチを得たことで さらに広がるレブルの輪!

少し長い前置きになってしまいましたが、ここからが本題。いよいよ「レブル250 Eクラッチ」の“Eクラッチ”についてのお話です。

ホンダは創業当時から、「もっと簡単に、もっと安心して乗れるバイク」を目指して数々のクラッチ・変速システムを生み出してきました。たとえばスーパーカブに搭載された自動遠心クラッチ、多くのスクーターで使われるVマチック、さらにはトルクコンバーター式のホンダマチックや、油圧機械式無段変速のHFT。そして近年では、アフリカツインなどに採用されるDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)もその系譜にあたります。

その流れの中で誕生したのがEクラッチ。ただしこれは“自動変速”ではなく、あくまで「クラッチレバーを使わずにシフト操作できるマニュアルミッション」なのです。

仕組みはシンプル。エンジンをかけたら、左足でシフトレバーを踏んで1速に入れるだけ。クラッチレバーを握る必要も、半クラッチを意識する必要もありません

この便利さは一度体験するとクセになります。そもそもレブル250のクラッチは軽くて扱いやすいのですが、Eクラッチを知ってしまうと「もうレバー操作、いらないかも?」と思えるほど。

「発進やシフトチェンジでギクシャクするんじゃないか?」「低速では半クラが必要になるんじゃないか?」と最初は疑っていました。けれど実際はまったく問題なし。むしろライダーが操作するよりも、ずっと自然でスムーズにクラッチをつないでくれるのです。

この完成度の高さは、ホンダが長年積み重ねてきた自動変速技術や、近年のクイックシフター制御の進化によるもの。その結晶が「Eクラッチ」と言えるでしょう。

独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。

今回試乗したレブル250 Eクラッチの、グッド&バッドポイントをまとめてみましょう。

まずグッドポイント。1週間ほど乗り続ける中で、どんどん気に入っていったのがEクラッチです。ホンダはすでにDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)で高い完成度を実現していますが、DCTはコストの面から小排気量車への採用は難しいと考えられてきました。そんな中で登場したEクラッチは、「クラッチ操作に自信がないけどバイクに乗ってみたい」という人の受け皿になりますし、何より“楽で便利で楽しい”の一言に尽きます。

一方のバッドポイントは、意外にもタンデム性能。パッセンジャーシートの形状やステップ位置の関係で、後席ライダーがしっかり踏ん張れず、加減速時に体が振られて疲れやすいのです。ベルトはあるものの、グラブバーやつかまる部分が無いため、常にライダーを抱きしめるように乗る必要があるのも気になるところ。もちろん体格や乗り方にもよりますが、タンデムをよく楽しむ人なら、シシーバーやバックレストを追加してあげるのがおすすめです。

主流となるのに時間はかからない? Eクラッチが通常モデル扱いになると予言!

人それぞれ感じ方は違うかもしれませんが、少なくとも私は、教習所で初めて400ccに触れたとき“半クラの難しさ”に戸惑ったことを今でも鮮明に覚えています。さらに初めて所有したTZR125は半クラの幅が極端に狭く、低回転トルクも薄かったため、しょっちゅうエンストしたものです。それでも練習を重ね、気がつけば30年以上バイクに乗り続けてきました。

最近のバイクは発進アシストなどでエンストしにくくなっていますが、レブル250 Eクラッチに乗ったとき「これからは半クラで悩むライダーはいなくなる」と確信しました。

便利で快適。それでいて従来のマニュアル車と同じく、自分でギアを選び走らせる楽しさが味わえる――。これはただの新装備にとどまらず、“二輪車の大きな転換点”になる可能性を秘めています。

実際、各メーカーがクラッチ操作不要の仕組みに取り組んでいますが、その多くは大型モデルが中心。そんな中で、免許取り立ての学生からリターンライダー、女性ライダーまで幅広い支持を集めるレブル250に採用されたことは、とても大きな意味を持つと思います。

クラッチレバー操作不要のモデルが当たり前になる日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません!

Rebel250 E-Clutch[2025]主要諸元

・全長×全幅×全高:2,205×810×1,090mm
・ホイールベース:1,490mm
・シート高:690mm
・車重:174kg
・エンジン:水冷4ストローク単気筒DOHC 249cc
・最高出力:26PS(19kW)/9,500rpm
・最大トルク:22Nm/6,500rpm
・燃料タンク容量:11L
・変速機:常時噛合式6段リターン(Eクラッチ)
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=130/90-16、R=150/80-16
・価格:69万3000円

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