オフシーズンにショップに依頼したい作業「サスペンションメンテナンス」

乗れない期間も有効活用!

早朝深夜は路面凍結したり、地域によっては積雪などでバイクの稼働自体が難しくなってきたりする冬の時期は、ライダーにとって オフシーズン と言われたりもします。
オフシーズンはそんな理由で必然的に乗車頻度が少なくなることもあり、春に向けてのメンテナンス期間として時間を活用する方が大勢います。 自分で出来ることもたくさんありますが、中にはDIYには不向きな作業も。そこで今回は「ショップに依頼するのをおススメする作業」をご紹介します。 乗らない間に愛車をしっかりと整備して、シーズンインに備えましょう!

冬ごもり

オフシーズンのメンテナンス、何をする?

「オイル交換は自分で」という方は多く、オイル交換はまさにDIYの基本のキ!といった作業です。
いろんな雑誌やサイトでも作業の方法が紹介されており、初心者でも比較的チャレンジしやすいメンテナンスだといえます。

しかし、それはあくまでも「エンジンオイル」の話。
バイクでオイル交換が必要なのはエンジンだけではありません。

オイルは潤滑剤として各所に使用されています

例えばサスペンション。
サスペンションの中に使われているオイルも劣化するので定期的に交換が必要となりますが、ゆっくりと劣化していくサスペンションに慣れてしまって、乗り味が悪くなっていることに意外と気付きにくいもの。メンテナンスを定期的に実施することで安定した性能を維持するのは、エンジンもサスペンションも同じです。
サスペンションオイルの交換頻度はエンジンに比べ低いので、オンシーズンに乗車→オフシーズンにメンテナンス などのサイクルが一般的でしょう。
(当然走行距離が多い場合は、その交換頻度も上がりますよ!)

サスペンションは自分でメンテナンス出来るのか?

ところが、サスペンションのメンテナンスは初心者にはかなりハードルが高め。
サスペンション本体の脱着や分解が必要ですが、その作業はエンジンオイルの交換と比べて遥かに難易度が高く時間がかかります。チャレンジの気持ちでやってみたはいいものの、元に戻せなくなったら自走できずショップに持ち込むことすら困難に。

分解

このような作業は、素直にプロであるバイクショップに依頼するのがおススメです。
それはナゼなのか。
フロント/リアに分けて、それぞれ簡単に解説してみたいと思います。

フロントフォーク

DIYの方法が色んな所で解説されているフロントフォークですが、オイルや消耗部品だけでは完了できません。
一般的なハンドツールの他に特殊工具がいくつか必要で、頻度の低いメンテナンスのために用意するにはかなり費用も掛かります。
たとえば・・・
・メンテナンススタンド前後(車体を浮かしてサスペンションを外すため)
・長ーいエクステンションバー
・ダンパーロッドの廻り止め(特殊工具)
・スライドハンマー(オイルシール交換用)
・スプリングコンプレッサー(倒立フォークの場合など)
※フォークの状態や種類によっては、さらに専用の工具が必要な場合があります。

宙吊り

フロントフォークを外す際はフロントタイヤも外すため、車体を浮かす必要があります。
メンテナンススタンドの代わりに車体を宙吊りにしたり、ジャッキを使って車体を支えたりする人もいますが、作業中は車体が不安定な状態となります。とても危険なので、車体を安全に支える術がなければ無理に作業しない方が良いでしょう。
また当日中に組み上げまで完了できない場合、バラした状態のまま車体を保管しなければならず、基本的には屋根付きガレージ内での作業が必要です。

スライドハンマー

※スライドハンマーの代わりに塩ビパイプを使うといった節約テク?もありますが、あまりオススメはできません。

リアショック

リアショックについては、フロントフォークに比べてDIYメンテナンスについての読み物を見かけることが少ないと思います。
なぜなら、
・非分解構造のサスペンションも多く、分解するだけでも大変。場合によっては元に戻すのに溶接が必要な場合も。
・ショック内部に使われている色々な消耗部品は、単品で部品の設定がないことがほとんど。そのため内部パーツの新品交換が容易に出来ない。(ウェビックでも売ってません!)
・部品とオイルの交換だけでなく、窒素ガスの注入など一般家庭ではまず置いていない専門の機材も必要。
・電子制御式のサスペンションは更に複雑な構造のため、専門店レベルでなくては対応出来ない場合も。

オーバーホール

リアショックについて個人で出来ることは、外観の清掃か、基本的に各調整機構を利用したセッティングくらいしかないと思っていただいていいと思います。 傷んだり消耗したら専門店にオーバーホールを頼むか、社外品へのリプレイスしか選択肢はありません。

なぜショップに依頼するのか

ここまでお話をすれば、サスペンションのメンテナンスをショップに依頼したほうがいい理由がおわかりいただけたかと思います。
比較的単純な構造の正立フロントフォークであれば、分解整備・オイル交換くらいなら、作業に必要な『工具』と『場所』が確保できた上で『やる気』があれば、初心者でも覚えながら作業ができるかもしれません。しかしリアショックの(分解を伴う)メンテナンスは、種類やメーカーによってはバイクショップですらリペア専門の業者に外注することも少なくありません。
よって基本的に、まず一般ユーザーには不可能と言ってよいでしょう。
頑張って工具を揃えてチャレンジしても、現実的に自分でメンテナンスが出来るのはフロントだけ。フロントとリアが同時に作用するのが大事なサスペンションなのに、結果的に片手落ちの作業に終わってしまうのはちょっと切ないですよね。
ライディング時のコンディションを良い方向に持っていくための整備であれば、なおさらです。

またサスペンションの整備は、ショップに依頼しても数日かかることを想定しておきましょう。
だからこそ乗車頻度が少なくなるオフシーズンのうちに、余裕を持って整備依頼することをオススメします。
来シーズンは、より良くなった愛車で気持ちよく走りませんか?

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