「ツーリング」の定義とは?どんなことをすればいいの?

【文:沼尾 宏明】

バイクの醍醐味の一つがツーリング。自分の愛車で風を受けて自由に旅をするのは、実に楽しいです。
でもビギナーの場合、「そもそもツーリングって何?」と思う人もいるのでは?
一体どうすれば「ツーリング」なのか、解説していきましょう!

距離も場所も関係ない、とにかく旅=ツーリング

「touring」(ツーリング)は、旅行や周遊、観光を意味する「tour」(ツアー)に「ing」をつけた言葉です。旅をしていることがツーリングなので、バイクのみならず、クルマや電車、自転車など何でも旅ならツーリングと呼べます

初心者の中には「ツーリングをやってみたい。でも、どうすればツーリングになるの?」と考えてしまう人もいることでしょう。

でも難しく考えることはありません。「距離を何km以上走ればツーリング」であるとか「珍しい所に行けばツーリング」であるといった、そんなルールは全くないのです。

距離や場所は関係なく、どこかに出かけること自体がツーリングと筆者は考えています。動機や目的なんて要りません。例えば「通勤電車の途中に見かけて気になっていたけど一度も行ったことのないお店に行ってみたい」でも「隣町の公園や大きな川を見てこよう」でもいいですし、「バイクで気の向くままブラッと走りたい」のような理由でもいいのです。

好奇心の赴くまま、ちょっとした非日常を味わう。それがツーリングじゃないか、と私はユルく考えています。

バイクツーリング-1 バイクツーリング-2

やっぱり目的地やテーマがあると旅立ちやすい!

とはいうものの、目的地を決めるとツーリングしやすいのは確かです。

前述したとおり近所でもいいですし、○○スカイラインや○○峠といった道自体、久しぶりに友人の家に行ってみる、その日にしか開催されないイベントでもいいです。

また「テーマ」を設けるのもアリです。例えば、道の駅のソフトクリーム(ソフト好きなライダーは多いです!)をあちこち周りたい、神社や寺の御朱印を集めたい、などなど。

ちなみに筆者は「昭和レトロ紀行」と題して、懐かしい昭和のスポット(建物、グルメなど)を巡るツーリングをしています

バイクツーリング-3

筆者のツーリングの一コマ。昭和レトロなスポットを巡っています。

積極的に偶然を楽しむ、バイクならではの利点

時間が許すのなら、目的地に向かう途中の寄り道もアリです。途中で見かけた風景をはじめ、看板や建物、お店など、心が動くものがあり、むしろ積極的に寄り道しましょう。目的地に向かうより面白いなんてこともあります。

そんな時、クルマと違い、バイクは機動力が高く、小回りしやすいのもメリット。路肩に停車しても、あまり邪魔にならないのもバイクでツーリングする利点です。

写真や動画を撮るのもいいでしょう。後々振り返って楽しめるし、友達や家族に見せると楽しさが倍増します。

ソロ、タンデム、マス、ロング……ツーリングにも色々ある

ちなみにツーリングは、一人(ソロ)だけではなく、二人乗り(タンデム)、バイク同士複数で出かける「グループツーリング」「マスツーリング」もあります(マス=mass 集団などの意)。

各人によって好みはあれど、それぞれの良さがあります。ソロは自由気ままに束縛されない楽しさがあり、タンデムはペアライダーとの濃い交流ができます。マスツーリングには大勢の仲間と一体感を味わい、休憩時にワイワイガヤガヤできるのがいいですね。

とはいえ基本形はやはりソロ。旅の醍醐味が凝縮されていると筆者は考えます。

また「ロングツーリング」という言葉もあります。この定義は難しく、100km下道で走ってロンツーと思う人もいたり、宿泊しないとロングじゃない、いやいや日本一周ぐらいじゃないとロングじゃない、と思う人もいます。

えてして距離が長いほどエライと考えるライダーがいますが、定義を決める必要はなく、個人が体感的にロング=遠くまで来たと思えば、それでいいと思います。

ソロツーリングとマスツーリング

ソロ、タンデム、マスツーリング、それぞれに楽しみがあります。

日常から離れる。それだけでツーリング!

筆者が考えるツーリングとは、「日常から離れる」ことだと考えます。長距離でなくても珍しい場所に行かなくてもいい。世の中のルーティンや仕組みから離れて、物の見方が変わったり、気分がリフレッシュしたりすること。ツーリングは、あなたの人生をきっと豊かにしてくれるはずです。


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