振り返る2024!現行モデルから選ぶ、ビギナーにオススメのバイクはコレだ!【401cc~部門】

2024年末時点で、購入できるバイクの中から初心者でも乗りやすく、扱いやすいモデルを選んでみる当企画。今回は251~400cc部門に続き、ビッグバイク部門をお送りします。独断と偏見で選ばれたビギナー向け大型バイクは果たして!?

※選定基準と251~400cc部門はコチラ

注目のオススメ1位は……2023年に登場した、あのクルーザー!

1.レブル500 [ホンダ]

レブル500

HONDA レブル500


レブル500

レブル250とほぼ共通の車体に、並列2気筒エンジンを搭載。250並みのコンパクトサイズと適度なパワーを融合した1台です。

全長2205 軸間距離1490 シート高690(各mm) 車重191kg 水冷並列2気筒471cc 最高出力46PS/8500rpm 最大トルク4.4kg-m/6000rpm 価格83万6000円


続いては401cc以上の大型部門。予想がついていた人も多いかもしれませんが……、このクラスで最もビギナーに推したいのはホンダ レブル500です。
レブル250と基本的に同じという反則級(?)の車体が最大のポイントです。レブル250は、250クラスの中でもトップと言われる足着きの良さが魅力で、多くのビギナーに選ばれています。レブル500のサイズ感はなんとレブル250と同じ!スリムな車体と低いシート高690mmにより、身長150cmでも両足先がしっかり着きます。
ただし車重はレブル250より19kg重い191kg。大型バイクの中では軽い部類なので何とかなるハズです。ライポジもラクですが、ハンドルは250と同じく少しだけ遠いです。小柄な人はハンドルをフルに切った時に少し遠く感じるかもしれません。

走りは当然250とは違い、大型らしいトルク感があります。とはいえ回転数を上げてもドカンと唐突に加速せず、非常に扱いやすい。大型バイクはアクセルを大きく開けた時に速すぎる場合がありますが、レブル500はそこまでの過激さがないのも美点。低回転域でも粘り強くエンストしにくいです。
コーナリングもクルーザーとは思えないほど自然で、ネイキッドに近い感覚です。この辺はレブルシリーズを通じて変わらないですね。
「せっかくの大型なのに、まわりからレブル250と思われたくない」と考える人もいるかもしれませんが、“乗りやすい大型バイク”として外せない1台でしょう。

ちなみに2025年型の海外モデルではカラーメーターなどを採用。国内版もモデルチェンジが予想されます。

2.CB650R Eクラッチ [ホンダ]

CB650R

HONDA CB650R


CB650R

このクラスでは珍しい並列4気筒を搭載するネイキッド。世界初採用されたホンダEクラッチは、発進から走行、停止までクラッチレバーを触れずに走れてエンスト知らずのシステムです。

全長2120 軸間距離1450 シート高810(各mm) 車重207kg 水冷並列4気筒648cc 最高出力95PS/12000rpm 最大トルク6.4kg-m/9500rpm 価格108万9000円


2位はホンダ CB650RのEクラッチ仕様!車重207kg、シート高810mmとミドルクラスらしい車格ですが、なんといってもホンダEクラッチがビギナーに安心です。
クラッチを自動制御してくれるため、ライダーはクラッチレバーの操作が不要。そのままアクセルを捻るだけで走り出せます。機械がクラッチを切る/つなぐ、半クラッチなどの操作を肩代わりし、非常にスムーズです。
ただしオートマと違い、ギヤ変更は足元のペダルで行う必要があります。その一方でクラッチレバーを握ると瞬時にマニュアル操作にチェンジ。シフト操作が終わったらまた自動的にEクラッチ状態に戻ります。

車重やシート高を考えると、よりビギナーにやさしい車両もあるのですが、クラッチ操作が苦手なビギナーは多いです。運転に集中できるEクラッチはデメリットを補って有り余るメリットがあると思います。もちろん渋滞で頻繁にストップ&ゴーをする場面ではクラッチレバーを握らなくて済むのでラク。同時にスポーティに走りたい場面ではマニュアル操作ができるので、バイクに慣れてきたらマニュアルを多用するといったステップアップにも使えます。
シート高810mmは少し高めに感じられる数字ですが、足着きは身長160cmでつま先、身長170cm程度で両足のカカトまで接地。シート前方が絞り込まれ、角が落とされているので、意外と足着きは悪くありません。車体もコンパクトで、ライポジはネイキッドらしく上体の前傾が緩やかです。

並列4気筒エンジンは、とにかく扱いやすい。並列2気筒が多い600ccクラスですが、低速から滑らかで、アクセルを捻った分だけ加速してくれます。ハンドリングもナチュラルで、乗りやすさを実感できるハズです。

3.MT-07 [ヤマハ]

YAMAHA MT-07


G310R

コンパクトな並列2気筒を新設計し、2014年に登場。トルクフルな走りと400クラス並みの車重で、ビギナーからベテランまで好評を博します。現行の3世代目はカラー液晶メーターも採用。

全長2085 軸間距離1400 シート高805(各mm) 車重184kg 水冷並列2気筒688cc 最高出力73PS/8750rpm 最大トルク6.8kg-m/6500rpm 価格88万円


初代に比べてスポーティ路線に変化しましたが、ヤマハ MT-07も大型ビギナーにオススメしたい1台です。とにかく車体が軽い!車重184kgはこのクラスの最軽量級で、排気量の小さいレブル500より7kgも軽量です。
軽いため、立ちゴケしそうになる場面でもリカバリーしやすく、取り回しも簡単。重くて大きいビッグバイクは乗るのがおっくうになりがちですが、これなら普段使いにも問題ありません。
この軽さと低速域からトルクフルなエンジンが相まって、ハンドリングは非常に軽やか。曲がりたい方向を向くだけでスッと曲がるので、コーナリングが楽しくなります。あくまでニュートラルなハンドリングで、サスの動きもしなやか。一方で安定感もしっかりあり、不安感は少ないです。

ライポジは上体が起き気味で、ヒザの曲がりも自然です。ただし足着きはそれなり。シート高805mmは一般的ながらシートがやや幅広で、身長170cm程度で両足のカカトは少し浮いた状態になります。
なお、海外版の2025年型は新型に刷新。足着き性が一段とアップするほか、オートマ機構のY-AMT仕様が登場します。ホンダのEクラッチのようにマニュアルミッション機構をベースとしながら、クラッチレバーはなく、オートマ的に走行できます。シフト操作は全自動のほか、手元のボタン変速が選べます。

これまたクラッチ操作が不要になり、他の操作に集中できるため、現行型のマニュアル版MT-07よりビギナーにオススメできる1台に仕上がっていることでしょう。気になる人は国内版Y-AMT仕様の正式発表を待つのも手です。


MT-07

海外で発表された新型MT-07は車体を大幅改良。デザインを一新し、ハンドル&ステップ一を変更したほか、Y-AMT仕様が登場します。

4.Z650 [カワサキ]

Z650

KAWASAKI Z650


Z650

カワサキのストリートファイター「Z」の中堅モデル。Ninja650の兄弟車で並列2気筒エンジンを搭載します。2017年型から軽量コンパクトに生まれ変わり、現行型はカラー液晶メーターも搭載。

全長2055 軸間距離1410 シート高790(各mm) 車重189kg 水冷並列2気筒649cc 最高出力68PS/8000rpm 最大トルク6.4kg-m/6700rpm 価格103万4000円


MT-07とよく比較されるのが、このカワサキ Z650。確かに甲乙付けがたい魅力があります。まず足着き性がMTより優秀。シート高はMTより15mm低い790mmの上に、シートがスリムなので、身長170cm程度で両足のカカトまでベッタリ足が着きます。
ライポジもラク。ハンドルがMTより若干起き、ヒザの曲がりも緩いので、リラックスした雰囲気です。車体はMT-07と同様、400cc並みに軽量コンパクト。Z650の方が5kg重いですが、こちらも実に軽いです。

並列2気筒はMT-07と同様のエンジン型式ですが、より中低速域のパルス感やトルクが感じられます。エンジン回転が上がるとパワーを増しますが、基本的にMTより変化が少なく、フラット気味な出力特性で扱いやすさ抜群です。
ハンドリングはスポーティなMTに対し、より安定感があります。バイクをバンクさせた時の挙動もMTより穏やかで安心。またMT-07には非装備のアシスト&スリッパークラッチを備え、クラッチの操作感も軽いです。
後輪のスリップを抑えるトラクションコントロールも安心材料になります。これもMT-07にはない装備で、600cc台のバイクでは貴重です。
スポーティ寄りのMT-07に対し、Z650は全体的にラクな乗り味がポイント。ビギナーでも身構えず、気軽に乗ることができるハズです。どちらにするかは好みで選んでいいと思います。

ちなみに兄弟車にクラシカルなZ650RSがあります。エンジンや車体は同じですが、こちらの方がハンドルがアップライトで一段とラクです。ただしシートが厚く、足着きがZ650より若干悪化するので、Z650を選びました。

惜しくも選外となったバイクはコチラ!

1.CL500 [ホンダ]

CL500

レブル500と同様の並列2気筒を、独自のスクランブラー(往年のオフ車風)スタイルに融合させたモデル。レブル250/500の関係と同じく、兄弟車のCL250と車体が共通です。

全長2175 軸間距離1485 シート高790(各mm) 車重192kg 水冷並列2気筒471cc 最高出力46PS/8500rpm 最大トルク4.4kg-m/6250rpm 価格86万3500円


ホンダ CL500は2023年にデビューした新しめの1台。レブル500と比べるとシート高が高く、レブルほど足着き性はよくないです。とはいえ、シート高790mmは大型バイクとしては優秀な部類。シートが細く、ソフトなサス設定で乗車すると沈み込むため、160cmでも両方の足先がしっかり接地します。

ライポジはアップライトなハンドルで上体がラクですが、ヒザの曲がりは若干強いです。エンジンはレブル500と同様に扱いやすさ抜群です。

2.SV650 [ スズキ]

SV650

国産車で唯一のVツインエンジンを搭載するネイキッド。ワンプッシュで始動できるイージスタートシステムや、エンストしにくい機能も便利です。

全長2140 軸間距離1450 シート高785(各mm) 車重199kg 水冷V型2気筒645cc 最高出力72PS/8500rpm 最大トルク6.4kg-m/8000rpm 価格80万3000円


スズキ SV650はVツインエンジンのメリットを活かした単気筒並みにスリムな車体が魅力。一方でエンジンのためか重心位置がやや高い印象です。操る楽しさがある一方、ビギナーには押し引きが重く感じたり、低速時にグラッと来やすいかもしれません。また、車重199kgは十分軽い部類ですが、MT-07やZ650と比べると手応えをやや感じます。アシスト&スリッパークラッチがないので、クラッチは少し重いです。

ライポジはハンドルがやや遠く、ヒザの曲がりは少し強めですが、足着き性は160cm程度で両足先が着くので良好。エンジンの出力特性は基本的には穏やかで、回転の落ち込みを自動的に防止してくれる「ローRPMアシスト」も重宝することでしょう。

3.トライデント660 [トライアンフ]

TRIDENT660

トライアンフの代名詞でもある並列3気筒を搭載するネイキッド。エントリー層向けにエンジンや車体を設計し、2種類の走行モードやトラクションコントロールも装備します。

軸間距離1401 シート高805(各mm) 車重190kg 水冷並列3気筒660cc 最高出力81PS/10250rpm 最大トルク6.5kg-m/3250rpm 価格99万5000円


外国車で推したいのがコチラのトライアンフ トライデント660。660ccの水冷3気筒エンジンを搭載するネイキッドです。
エンジンが非常に特徴的で、パワーの出方がマイルドかつスムーズ。低速域で粘る上に、出力特性に大きな変動がないため、とても扱いやすく安心です。大型クラスながら車体も軽い部類で、ハンドリングも素直です。
ただしシート高は少しだけ高めで、身長160cmでは両足のつま先が接地するレベル。ハンドルは少し遠く、やや上体が前傾し、ステップも若干後ろ気味でそれなりにヒザが曲がります。

なお2024年冬以降に新型の国内登場が発表済み。電子制御やサスがアップデートされ、価格は驚きの据え置きなので注目したいところです。

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