
徐々に普及してきたバイク用ETC。しかし、クルマに比べると普及率はまだまだです。そんな中、ETCがないと高速道路が通行できなくなる計画が!この機会にバイク用ETCにどんなメリットがあるのか、改めて見直してみましょう!
目次
2025年にはETC専用料金所が7割以上、2030年には全線が専用に!?
高速道路の料金所は徐々に「ETC専用」になっており、ETCを搭載していないバイクやクルマは通行できなくなる可能性があります。
2025年度中にも首都高速で約160か所(9割)、阪神高速で約110か所(8割)、NEXCO3社では7~8割までETC専用に。さらに2030年頃には全ての料金所をETC専用にする予定なのです!
となると、現状でも現金やクレジットカードが使える料金所まで迂回する必要があり、将来的にはETCがないと高速道路が走れなくなってしまうのです(ちなみに現在はETC専用料金所でETCなしの場合、後払いなどで対応してくれます)。
また、首都高や阪神高速では現金支払いの場合、距離によらず、バイクは1,590円の上限料金が徴収されてしまいます。たった数kmの一区間走るだけでも1,590円がかかってしまう……。
――まだ導入していない人は、改めて「バイク用ETC」とはどんなものなのか、見直してはいかがでしょうか!?そもそもETCとは「Electronic Toll Collection System」の略で、無線通信で有料道路の通行料金を自動的に支払うシステムのこと。ノンストップで料金所を通過することができます。
2001年11月の導入当初、クルマ用しか存在せず、2006年にようやくバイクでも利用できるようになりました。
バイク用ETCは主に2タイプ、ただし一体式は生産終了へ
ETCは車載器とアンテナで構成され、両者が「一体式」と「分離式」の2タイプがあります。バイクは搭載スペースが限られており、設置に苦労する車種もあります。また、古いオフ車などには最初からバッテリーがない(ETCの電源を確保できない)車種も。
そして、価格もクルマ用より高価とあって、実際の普及率は50%程度と言われています。

「アンテナ一体式」はシンプル設計。配線してハンドルまわりに装着すればOKなので、車載器をシート下などに収納しないで済みます。ただし現在は生産終了している模様です。

「アンテナ分離式」のETCはハンドルまわりがゴチャつかず、スッキリした外観になります。アンテナとインジケーター(作動状態を示すランプ)が一体型と分離型があります。

アンテナ分離式の場合、車載器はシート下などに収納する必要あります。ハーレーなどシート下のスペースがない車種にはサイドバッグなどへの収納も可能です。
ETCのメリットは安くラクでスムーズ、特にバイクは便利
なかなか普及していないバイク用ETCですが、使うメリットは非常に多いです。バイク用ETCのメリット
1.距離割引が適用される(首都高速、阪神高速など)
2.時間帯割引が適用される
3.料金所の通過がスムーズ
また、2022年から特定シーズンの土日祝日限定で「二輪車定率割引」がスタート。Webサイトで事前に登録し、1回あたり80kmを超える走行に対して37.5%の割引が適用されます。
そして「3.料金所の通過がスムーズ」は、ライダーにとって大変メリットがあります。バイクでETCを利用しない場合、クルマより支払いが手間取りがち。グローブを外してポケットなどからサイフを探し、現金やカードを取り出す必要があります。ETCがあれば、この手間が要らないのだから非常にスピーディかつラクです。
ビギナーの場合、料金支払いに手間取り、バランスを崩して立ちゴケなんてケースも。ETCならこんな心配もありません。
デメリットは初期費用がかかること、クルマより高額です
では、デメリットはあるのでしょうか。それは導入費用がかかることです。バイク用ETC車載器は外部にさらされるため、防水性・防塵性・耐振性が必要。こうした性能が必要ないクルマ用より車載器が高額です。クルマ用の安い製品なら1万円以内ですが、バイク用だと2万円程度~となります。
さらにセットアップ料金や取付工賃もかかります。大手用品店でネイキッドの場合、コミコミの料金で3万円程度~。カウル付きのバイクやスクーターは外装の着脱が必要なので、工賃がより高額になり、4万円程度~となります。
安く装着したい人は定期的に行われているETC助成金キャンペーンに注目。最大1万円程度の助成金が受けられるので、見逃さないようにしましょう。
なお、防水性などをクリアしていない四輪用ETCは誤作動の可能性があるため、原則的にバイク用を取り付ける必要があります。
「ETC1.0」と「ETC2.0」の違いとは?
2016年から「ETC2.0」も登場しています。従来のETC1.0に追加機能を持たせた次世代ETCです。一部エリア限定ですが、従来では不可能だった高速道路からの一時退出が可能に。これは一定の要件を満たした時に、いったん高速道路から出て再進入しても料金が変わらないというもの。高速道路外にある「道の駅」などを気軽に利用できます。
さらに一部の高速道路では、通常のETC1.0よりも割引率が高い等のメリットもあります。GPSを搭載しており、緊急情報などを受け取ることも可能です。
今後はETC2.0車載器を対象とした割引も検討中。車載器の価格は、ETC1.0より数千円高い程度なので、頻繁に高速道路を使ったツーリングをする人はETC2.0を選んだ方がいいかもしれません。

写真はカワサキ Z900RS のETC2.0。純正で装備されているのは魅力的。
[まとめ] ビギナーや高速道路をよく使う人はぜひ導入を!
バイク用ETCは、高速道路を頻繁に使う人にとっては実にメリットが多いです。導入のための初期費用はかかりますが、高速料金が割引されるため、短期間で回収できるハズです。
地方に住んでいたり、高速道路をほぼ利用しない場合は当面不要かもしれませんが、全線がETC専用料金所になってしまった場合、やはりないと不便です。全線をETC専用にするのは、クルマよりETCの搭載が難しいバイクを無視した方針だと筆者は考えており、現金&カード払いも残して欲しいです……。高速道路にほぼ乗らず、ETCを装着していない人も今後の動向を見守ってみてはいかがでしょうか。
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