セカンドバイクや複数台所持のメリット&デメリットとは? どんな組み合わせがオススメ?

【文:沼尾 宏明】

バイクを複数台持つことは、ビギナーにとって実にうらやましい環境。でも、実現しているバイク好きも多いです。メリットやデメリットはあるのか? オトクな所有方法やオススメの組み合わせはあるのか? さっそく解説していきましょう。

異なるジャンルを組み合わせてカバーできる!

スーパースポーツクルーザーオフロードスクーターetc……バイクには多種多様なカテゴリーがあります。中でもそのジャンルに特化し、トガッたキャラクターを持ったバイクは、とても楽しいものです。

例えばCBR1000RR-RYZF-R1といったスーパースポーツはサーキットで圧倒的な速さを誇ります。一方で、ゴールドウイングハーレーといった重量級クルーザーは悠々と快適に高速道路をロングランできます。そしてCRF250Lセローなどはオフロードを楽々走れます。

ところが、それぞれの走るステージを入れ替えてみると……まるでキャラクターが輝きません。例えばハーレーでオフロードはあまり走りたくないですよね(笑)。

そこで出てくるのが、セカンドバイクや複数台所持という選択肢です。異なるジャンルのバイクを持つことで、得意な分野と苦手な分野をカバーすることができるというわけです。

大排気量バイクに125ccの組み合わせもテッパン!

前述した「異なるジャンルの組み合わせ」のほか、「ビッグバイク+小排気量車」も定番です。ビッグバイクを所持している場合、2台目に軽快な小排気量モデルを選ぶというわけです。

ビッグバイクは高速道路などがメインのツーリングで大活躍しますが、車体が大きく重いため、買い物などのちょっとした用事で使うにはなかなかシンドイものがあります。そこで、軽くてコンパクトな小排気量バイクを普段使いにするのです。

セカンドバイクとしてオススメしたいのが原付二種(51~125cc)。非常に人気が高まっており、走りも経済性も優秀です。

大型バイクだと、町中の小回りや頻繁なストップ&ゴーは面倒ですが、軽量コンパクトな原付二種であればキビキビ走れます。50ccの原付はさらにコンパクトですが、「制限速度30km/h」や「二段階右折」というネックがあります。また、2人乗りもNGです。

その点、原付二種はそんなネックがありません。制限速度は60km/hで二段階右折も不要。2人乗りもOKです(ただし高速道路は走行不可)。パワーに関しても、一般道でクルマの流れに乗るのは十分で、近場のツーリングもこなせます

250cc以下のため車検もなく、税金も原付とほぼ変わらないため、大型やミドルバイクに比べて安く済ませることができるのも魅力。保険に関しても、原付二種は「ファミリーバイク特約」で安く済ませられます(これに関しては後述します)。

HONDA CT125ハンターカブ

一昔前と比べ、125ccクラスはラインナップも人気も拡大しています。
画像はHONDA CT125ハンターカブ

やっぱりオカネや駐車場が必要なのがデメリット

複数台持ちにはメリットがたくさんありますが、デメリットもあります

当たり前の話ですが「広い駐車スペース」が必要になります。広い駐車場やガレージを持っている方なら大丈夫ですが、マンションなどにお住まいの場合、2台目用の駐車場を借りたり、駐車スペースのある物件に引っ越したりする必要があります。
特に首都圏では駐車場代も高額のため、かなりのコストがかかります。

また「維持費」も増大します。これも当然の話ですが、バイクが増えた分だけ、保険料やメンテナンスの費用などの維持費がかかります。

複数台所持すれば、当然ながら2台分の駐車スペースが必要です。
※写真はウェビックスタッフのセカンドバイク実例
HONDA CBR600RRHONDA PCX125

125cc以下ならオトクなファミリーバイク特約が使える

では、2台持ちのコストを減らす方法はないのでしょうか? それは「ファミリーバイク特約」(任意保険)の対象となる125cc以下のバイクを選ぶことです。

ファミリーバイク特約は、クルマやバイクの任意保険にオプションとして付帯でき、「原付特約」とも呼ばれます。通常の任意保険よりリーズナブルに利用できる点が大きな特徴。一般的なファミリーバイク特約では、補償対象のバイク台数に制限がないことが多いため、2台以上所有する際に適しているのです。

スーパースポーツ&原付二種スクーター

自動車やバイクの任意保険に加入済みで、2台目以降が125cc以下ならファミリーバイク特約が使えます。

具体的な組み合わせはこんなカンジがオススメ

では実際、どんな組み合わせがオススメなのか考えてみましょう。

個人の好みで組み合わせは千差万別ですが、よくあるのが「オンロード+オフロードバイク」。排気量が違っていても同じでも、舗装路とダートという走行できる道路が全く違ってきます。ちなみに私も以前は1,000ccのメガスポーツと250ccオフ車を所有していました。なお、どちらか片方がコースのみ走れるレーサー、片方が一般公道を走れるバイクというケースもよく耳にします

前述した「大型バイク+125cc以下」も定番。休日はツーリングでビッグクルーザーなどに乗り、普段のちょっとした用事に125ccを使えます。長距離も近距離もカバーできる上に、ファミリーバイク特約も使えるため、維持費を抑えられます

実際、私の知人でも重量級のクルーザーやツアラーを持っている人が、125cc以下のバイクを持っているパターンが多い気がします。なお、手軽に乗れるセカンドバイクがいつの間にかメインバイクになっているパターンもよく耳にします(笑)。

もちろん理想的なのは、各ジャンルの頂点的モデルを全て揃えることです。ちなみに、私の知人にNSR250R(スポーツ)、883スポーツスター(クルーザー)、スーパーカブ90(コミューター)というジャンル違いでキャラクターが際立った3台を持っている人もいます。

ネイキッド&オフロード競技車

ウェビックスタッフのセカンドバイク実例
ネイキッド&オフロード競技車
Kawasaki Z900RSHUSQVARNA TE250

ビッグスクーター&オフロードバイク

ウェビックスタッフのセカンドバイク実例
ビッグスクーター&オフロードバイク
SUZUKI スカイウェイブ650YAMAHA WR250R

スーパースポーツ&原付二種スクーター

ウェビックスタッフのセカンドバイク実例
スーパースポーツ&原付二種スクーター
Kawasaki ZX-10RSUZUKI アドレスV125S リミテッド

アドベンチャー&ビジネスバイク

ウェビックスタッフのセカンドバイク実例
アドベンチャー&ビジネスバイク
HONDA XL1000VバラデロHONDA スーパーカブ110

[まとめ] 1台でも十分ですが、複数台の方が濃い楽しみが!

セカンドバイクや複数台所持について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。実際のところ、そこまでキャラクターがトガッておらず、あまり用途を限定しないオールラウンドな1台だけ所有するライダーも多いです。

セールス的にも、250や400ccクラス、大型でも600~800cc台のネイキッドやフルカウルモデルは大人気。パワーが十分あり、軽快さも持ち合わせたバイクが多いので、1台あればツーリングも街乗りも苦になりません。また、価格が控え目なので、フトコロにもやさしいです。

とはいえ、フトコロ具合や駐車スペースなどの問題をクリアでき、バイクで多様な楽しみ方をしたい人には、やはり複数台持ちがオススメ。より濃厚なバイクライフを送ることができるしょう。
将来的な増車を考えて、1台目のバイクを選ぶのも手です。
もしできるなら多様なバイクを所持して楽しんで下さい!


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