
地球での生産累計1億台以上! 単一シリーズの原動機付モビリティとして最高の記録を持つスーパーカブ。
中でも初代スーパーカブであるC100の血脈を色濃く残している『スーパーカブ110』は、過不足無いパワーと質実剛健なボディワークで、ビジネスシーンはもとより、レジャーバイクとしてやファッションの一部として長年愛され続けてきたモデルです。
そんなスーパーカブ110は「欲しいけれど触れたことがない」、「実際どんなバイクなのか今一つ分からない」という方も多いようなので、今回はド定番モデルスーパーカブ110の魅力を今一度紐解いていきたいと思います!
目次
- 1 子どもからお年寄りまで みんな大好きスーパーカブ110!
- 2 今見るとレトロポップなデザインは、 斬新かつ合理的なものとして開発されました!
- 3 マニュアルミッション? オートマ? ロータリー式チェンジは難しい?
- 4 とにかくタフネス、燃費も最高! 生涯の伴侶としてスーパーカブ110は間違いない選択!!
- 5 いくら乗っても嫌にならないだけでなく 特有の深みすら感じられるのです!
- 6 独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。
- 7 未来永劫変わらぬ永遠の価値 できれば新車を一生ものに!!
- 8 スーパーカブ110[2025]の基本スペックをチェック!
子どもからお年寄りまで みんな大好きスーパーカブ110!

スーパーカブ110の始祖にあたるスーパーカブC100が登場したのは1958年(昭和33年)のことです。余談ですがこの生まれ年、実はスーパーカブC50よりも8年も早いのですよ。
初代モデルから跨りやすい低床バックボーンフレームに低燃費の4ストロークエンジンを搭載し、自動遠心クラッチを採用していました。足まわりを雨風から防ぐ大型レッグシールドも特徴ですね!
このスーパーカブC100から大ヒットモデルとなり、スーパーカブのスタイルを取り入れたライバルも多数輩出されてきました。
燃費が良く、保険や税金も安く、壊れないことから、ビジネスシーンでは特に重宝されるようになり、新聞配達をはじめとした”ビジネスバイク”の定番として重宝されました。
私が免許を取得した90年代初頭には、スーパーカブなどをベースにカスタムを楽しむワカモノも存在し、にわかなビジネスバイクブームもあったものです。
昭和、平成、令和と時代を跨ぎ、いつの時代もスーパーカブは多くの人々に愛されてきたのです。
現在ではクロスカブやハンターカブなどもラインアップされていますが、私的にはスーパーカブ110こそ”ザ・スーパーカブ”だと考えています。
今見るとレトロポップなデザインは、 斬新かつ合理的なものとして開発されました!


ほとんどの方が生まれた時から世の中を走るスーパーカブを見たことがあると思うのですが、スーパーカブのスタイリングって独特だと考えたことはありませんか?
一般的なモーターサイクルのようにフレームがあって燃料タンクがあってその後ろにあるシートに跨るのではなく、かといってフットボードがフラットな形状のステップスルータイプのスクーターでもない。これが実は大きなポイントで、センター部にバックボーンと呼ばれるフレームを持ちそこにエンジンを吊り下げています。燃料タンクはシートの下に置かれており、これらのレイアウトがマスの集中に貢献しており、自然なハンドリングをもたらしてくれるのです。
サスペンションの取り付け角なども積載時やタンデムなどをしっかり考えて設定されているのですよ!
なおスーパーカブ110は2009年にスーパーカブ90からフルモデルチェンジする流れで誕生したもので、フレームや足まわり、エンジン、クラッチシステムなどすべてにおいて一新。これをベースに派生モデルとなるクロスカブが誕生します。さらに2022年に新型エンジン、ABSおよびチューブレスタイヤを採用するなど各部がブラッシュアップされた現行モデルとなっています。
マニュアルミッション? オートマ? ロータリー式チェンジは難しい?


スーパーカブのクラッチシステム操作はご存知ですか? 現行モデルでは4段ミッションを搭載しており、停車時のみロータリー式で走行中はリターン式となっています。
言葉で聞いても意味不明ですよね(笑)。停車時はシーソータイプのシフトチェンジレバーを使って1→2→3→4→N・・・とグルグルミッションを操作することができ、走行中には4速からNに移動できなくなります。
しかもシフトチェンジペダルを深く踏み込んだところでクラッチが離れるような仕組みになっていることや、クラッチレバー操作を行わずに動力を伝える遠心クラッチなので、AT免許で乗ることができるのもポイントです!
それと現在はメーターディスプレイ内にシフトインジケーターが装備されているのも心強く、トップギアのまま停止してローに戻さず発進時にスロットルを開いても進まずに”あっ、しまった!”と慌てるようなことがなくなりました。
何にせよスーパーカブのクラッチシステムは操っている感が強く、ちょっと走らせるだけでも楽しいと思わせてくれますよ。
とにかくタフネス、燃費も最高! 生涯の伴侶としてスーパーカブ110は間違いない選択!!



仕事でCT125ハンターカブに乗る機会は結構多いのですが、スーパーカブ110に触れるのは久しぶりでした。こういっては何なのですが、ハンターカブはフレーム、エンジン、足まわりまでかなりしっかりと作られており、もはやモーターサイクル的なライディングフィールなのです。
それはとても良いことなのですが、一方で”スーパーカブを超越してしまっているな”と個人的には思えてしまいます。
対してスーパーカブ110は昔ながらのスーパーカブらしさをしっかりと残しつつ、全体的に使い勝手が良くなっていることに魅力を感じます。
例えばヘッドライトやターンシグナルそしてメーターが一体となったハンドルカバーのデザインは、どことなく昔のプロペラ飛行機を操縦しているような視界を得られエモい気分にさせられますし、前後17インチサイズの細身のタイヤからなるモーターサイクルともスクーターとも自転車とも異なるスーパーカブ特有のハンドリングは気持ちの良いものです。
どんなに荒い扱いをしてもびくともしない堅牢さや、何キロ走っても”これしかガソリン使ってないの!?”と驚いてしまう燃費の良さなどから、一生涯を伴にしたくなってしまいます!
いくら乗っても嫌にならないだけでなく 特有の深みすら感じられるのです!




3年程前のことになりますが、車中泊をしながら10日間ほど各地を回ってきたことがありました。その際に、「日本国中どこに行ってもスーパーカブだらけになってしまったな。しっかりと経済が成長していれば、もっと上位のバイクが増えるのだろうに」と感じたことがありました。
あとから考えるとそれは逆のことだったのだと思えます。
日本の高度成長期にはビジネスシーンをしっかりと支えてきており、さらにその後はカスタムやツーリング、さらにはオシャレアイテムの一つとしていつの時代もスーパーカブは日本の人々と共にいてくれたのです。
それはスーパーカブ110であれスーパーカブ50であれ、クロスカブやハンターカブなどすべてのカブシリーズがあってこそのことです。
スーパーカブ110を1週間乗り回して私が思ったのは、「いくら乗っても、どこまで走らせても嫌にならない」ということでした。例えば新聞配達などのビジネスシーンでは乗車時間が長いだけでなく乗り降りストップ&ゴーの連続です。それをストレスに感じさせないだけでなく、楽しいと思わせてくれるのがスーパーカブです。
荷物の積載時やタンデムの事も考えて1速はローギヤード気味です。ついついシフトダウンの際、1速まで落とすと強めのエンブレとなってしまうのですが、それに慣れてくると上手く扱えている感があり、そういった操作の深さすらも歓びに変えることができるのです。
独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。


スーパーカブ110はもはや完成形のスーパーカブであり、すべてがグッドポイントであり難癖をつける点はないのです。その中で一つずつ選んだGood&Badポイント。
グッドはシーソーペダル及びクラッチシステムです。クラッチレバー操作がいらないのに、しっかりとミッションを選んで走ることができ、しかも靴のアッパー部分を傷めずに済むのは最高です。
現在のモーターサイクル業界にはオートマチックシステムの波が押し寄せてきていますが、その点でもスーパーカブは元祖と言える存在です。
バッドポイントはシート後方に座ると標準装備であるキャリアのライダー側の荷掛けバーが、お尻にあたること。しかしそんなに後ろに座ることもそうそうありませんよ!
未来永劫変わらぬ永遠の価値 できれば新車を一生ものに!!

年間を通して50台以上の車両を試乗インプレッションしていますが、心から欲しいと思えるモデルは中々出会うことはありません。
そのような中で、スーパーカブ110は本気で買おうか悩んでいます。今現在もです。ネオクラシックブームや復刻版などではなく、ずっとこの世に存在し続けてきたスーパーカブ。
スーパーカブ50は若干非力なこともあり遠出するには多少きついですしタンデムもできません。そもそもホンダは50ccエンジンを搭載したモデルの生産を取りやめることを発表しており、手に入れることが難しいようです。
CT125ハンターカブは先述したように、もはや超スーパーカブの存在であり私の求めるところとは違う。
白状するとスーパーカブ110にぞっこんなのです。
中古でも良いのですが、出来れば新車を購入し、年齢を重ねて最後まで乗る1台にしたいのです。
走ることはもちろんメンテナンスすらも楽しく思えることでしょう。
今からホンダに行って購入契約サインしてくるかぁ!?
スーパーカブ110[2025]の基本スペックをチェック!
スーパーカブ110[2025]主要諸元
・全長×全幅×全高:1,205×705×1,040mm
・ホイールベース:1,205mm
・シート高:738mm
・車重:101kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC 109cc
・最高出力:8PS(5.9kW)/7,500rpm
・最大トルク:8.8Nm/5,500rpm
・燃料タンク容量:4.1L
・変速機:常時噛合式4段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=70/90-17、R=80/90-17
・価格:30万2500円
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