バイクのタンデム(2人乗り)の楽しさと注意点を徹底解説

バイクの楽しみ方の1つであるタンデム(2人乗り)。筆者が初めてタンデムをしたのは5歳の時、後部座席に乗りよくわからないながらドキドキしていた記憶があります。また一方で、私がバイクの免許を取り、初めて後ろに友達を乗せた際も少し不安を抱えながら運転していました。しかし、そういった緊張という記憶と共に、楽しかったという記憶もたくさんあります

今回は、「バイクの免許を取ったら2人乗りしてみたい」、「まだ2人乗りしたことないから不安」、「いつかタンデムするかもしれない」という方に向けて、バイクのタンデムの楽しさと注意点について解説していきます。

タンデムの魅力

タンデム その1

タンデムで走ることの魅力は様々ありますが、まずはなんといっても、2人で景色や自然を一緒に体感できること。風を感じながら景色を共有することで、ツーリングや、旅行自体の楽しさが倍増するといっても過言ではありません。1人でツーリングする時とは違った楽しさを味わうことができます。

つぎに、一体感のあるライディングを楽しめること。例えばタンデムの場合、車両をバンクさせる際に、ライダーとパッセンジャー(後ろに乗っている同乗者)が同じ方向に体を傾けるなど、一体となって操作する必要があるため、普段とは異なるライディングを楽しむことが可能です。
他にも、お互いに近い距離で直接的なコミュニケーションが可能なため、会話やジェスチャーを通じて、体験や感情を共有することも魅力です。

タンデムの注意点1 法律

それでは、実際にタンデムをする際に、どんな事に注意する必要があるのかを解説していきます。
まずは、法律に関する注意点。大きく分けてこの3つです。

  • タンデムが可能となるライダーの条件
  • タンデムが可能な排気量
  • バイクの登録証の乗車定員
タンデム 標識

タンデムが可能となるライダーの条件

免許所得後にすぐタンデム走行が可能というわけではありません。タンデムをするためには、小型限定を含む普通二輪免許、もしくは大型二輪免許を所得してから1年経過しているか、または通算で1年以上経過している必要があります。これは教習所で習った記憶がある方も多いと思います。
つまり所定のバイク免許を初めて所得してから、1年経過していれば基本OKということです。例えば普通二輪免許を所得してから1年経過していれば、大型二輪免許所得後すぐでもタンデムが可能です。

さらに高速道路でタンデムする場合は条件が異なります。所定の免許所得後3年経過しているか、または通算で3年以上経過しており、年齢が20歳以上である必要があります。また、首都高速の一部区間では2人乗りが走行不可の区間があるため、通行する際は事前の確認を推奨します。

図1

※道路交通法第七十一条の四

タンデムが可能な排気量

排気量が51cc以上でないと、タンデムができません。つまり原付一種はタンデムができないということです。

バイクの登録証の乗車定員

排気量がOKでも、車両の乗車定員が1名と登録されている場合、当たり前ですがタンデムはできません。登録証の乗車定員が2名であることを確認してください。
タンデム用の装備も必要で、「タンデムステップ」「タンデムシート」「タンデムベルト(グラブバー)」が必要となります。

シングルシートカウル

画像のようなシングルシートカウルの場合、タンデム不可。

タンデムの注意点2 事前準備

つぎにライダーと同乗者の事前準備について解説していきます。いきなりタンデムをすると思わぬ事態が発生し、危険要素が増えてしまいます。そうならないために、事前の打ち合わせや準備が重要です。
事前準備に関する注意点は大きく分けて4つです。

  • 乗り降りの際のルール
  • ルートや休憩所の共有
  • 走行中の注意点の共有
  • 安全な服装や装備
タンデム その2

乗り降りの際のルール

最初の事前準備の注意点は、乗り降りの際の取り決めです。「ライダーが準備している途中に、同乗者が乗ろうとして転倒」なんてことは、よく聞く話です(私もヒヤッとした経験があります)。しっかり停車してブレーキを握り、ライダーが合図を出してから乗り降りするなどのルールを決めて共有することが大事です。

ルートや休憩所の共有

続いて、ツーリングのルートや休憩所の事前共有です。「どんな道を走って、どんな頻度で休憩するのか」を共有しておくことで、同乗者の不安を軽減します。もしトイレに行きたい際はどうするのか、合図を決めておくことも必要です。

走行中の注意点の共有

走行中に起こりえる注意点も事前に共有する必要があります。同乗者が慣れていない場合、よくあるのが、ライダーがカーブで車体を傾けた際に、同乗者が怖くなり、姿勢を起こしてしまうことです。
急な姿勢変更はバイクの挙動が変わったり、思ったように曲がらなかったり、と危険に繋がるため、事前にライダーと同じ方向に姿勢を倒してもらうことや、ニーグリップの方法を共有しておくことが大事です。慣れていないうちは、ゆっくり走行し、車体を倒しすぎないように注意してタンデムをすると良いです。

安全な服装や装備

当たり前の話ですが、バイクに乗る際はライダー同様、同乗者も服装に気をつける必要があります。
長袖・長ズボン・胸部プロテクターグローブバイクに適した靴などを事前に伝えて用意してもらうことが大事です。スムーズなコミュニケーションが可能なインカムも用意できれば尚良しです。

タンデムの注意点3 走行時

最後に走行時の注意点です。タンデムの場合、1人で運転する時とは違った状態になるため、普段通りに運転すると危険です。
走行時の注意点は大きく3つです。

  • ブレーキとアクセル
  • 乗車ポジション
  • 同乗者のケア
タンデム その3

ブレーキとアクセル

走行時に一番注意したいのは、ブレーキとアクセルです。1人で乗車する際と比べて、重心や、総重量が変わっているので、普段よりもブレーキの効きが悪いと感じます。スピードを出しすぎないこと、そして普段よりも早めにブレーキをかけ始めることが安全にタンデムをするコツです。
またアクセルも同様です。普段よりも注意してアクセルを開ける必要があります。急にアクセルを開けることで、同乗者が振り落とされる可能性もあります。
急なブレーキ・アクセルは共に、ライダーは操作しているのでタイミングを把握でき、慣性についていけますが、同乗者はそうではありません。怖い想いをしたり、体への負担が大きくなるため、注意が必要です。

乗車ポジション

事前準備でも紹介しましたが、ライダーと同乗者が一体となって走行するために、ニーグリップが重要です。バイクに普段乗らない同乗者の場合、感覚がわからないため、練習してから走行した方が安心です。
同乗者がしっかりニーグリップをしているか、していないかで、車両の操作性や安定感が桁違いに変わります。ライダーの腰やお尻付近をしっかりニーグリップしてもらうことで、ライダーが運転しやすくなります。
また、ライダーと同乗者との距離が近すぎると、ブレーキ時などにヘルメット同士がゴツンと当たるなんてこともあるあるです。お互いに無駄な衝撃を受けることになるので、ニーグリップはしつつ上半身は近すぎないポジションを意識すると良いと思います。

同乗者のケア

最後にタンデムする際、ライダーは同乗者のケアを心掛けましょう。適度に同乗者の状況を確認し、疲労していないか、眠そうではないかなどを把握すると良いです。同乗者が居眠りしてしまう可能性もゼロではないからです。
ライダーは自身のタイミングで休憩ができますが、同乗者はそうではないため、こまめに様子を伺うことで、ライダー・同乗者共に、タンデムをより楽しめます

まとめ

今回は、バイクのタンデム走行について、魅力と注意点を解説しました。
ライダーと同乗者で、同じ景色や自然を体感できるタンデムは楽しい反面、1人の際よりも危険が多いため注意が必要です。
解説した注意点を参考に、これからも楽しいバイクライフを過ごしていただけたら幸いです。

タンデム その4
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