この5つが基本、アメリカンバイクのカスタムスタイル

【文:沼尾 宏明】

アメリカンバイクには多種多彩なカスタムスタイルがあります。そのスタイルに寄せていくのが大きな魅力の一つ。そこで、チョッパー、バガー、ボバーなど、現在のメジャー&流行スタイルを取り上げ、その特徴や注意点を解説します!

「チョッパー」ロングフォーク+アップハン以外はシンプル

切り捨てるという意味の「チョップ」が由来のチョッパー。一般的には、ロングフォークで極端なアップハンドルのバイクを指します。1968年公開の映画「イージーライダー」で主人公キャプテンアメリカが乗っていたバイクのイメージですね。しかし、本来はもっと広い意味でのカスタムの呼称なのです。

例えば前後のフェンダーを小さくしたり、ガソリンタンクを小型化したり、さらに各パーツをシンプル化することがチョッパースタイルです。

フロントフォークが長いと直進安定性は高まりますが、コーナリングは苦手。Uターンなどの小回りも厳しい。見映えを追求し、キャスターが寝て極端に長い場合は、ハンドルを大きく切っても曲がりにくい場合があるので、やりすぎにご注意を!

★現行のハーレーではブレイクアウト114やソフテイルスタンダードがいかにもチョッパースタイル。

「ボバー」よりシンプルで走りのイメージもアリ

ボバーという名称の由来は、フェンダーなどを「短く切り落とす(bobb)」という言葉と、切ったフェンダーが走行中に揺れている様子(bobbing)から生まれたという説があります。発祥は、1930~40年代のダートトラックレーサーと言われています。

短い前後フェンダーなどチョッパーと共通点が多いですが、チョッパーよりハンドルが低めで、そこまで長く寝かせたフロントフォークは採用しません

チョッパーより走りを重視したカスタムと言えるでしょう。

★トラアンフのボンネビルボバーは洗練された大人のボバー。
★ハーレーではファットボブやストリートボブがボバースタイル。

「バガー」未来的で流線形のサイドケースが特徴

バッグを装着したカスタムがバガー(Bagger)です。樹脂製のサイドケースを採用し、流れるようなスタイルが特徴。ウルトラやエレクトラグライドといった昔ながらのハーレーを現代風にしたカスタムもバガーと呼びます。

レザーバッグなどを備えたクラシックなスタイルはバガーとは呼ばれず、現代的なフォルムが必要。車高が低くバッグが地面スレスレなほどカッコいいとされる風潮があります。

近頃、このバガーで争うレース「King of Bagger」が注目を集めています。アメリカのMoto Americaというロードレースシリーズで開催され、バッグ付きのハーレーやインディアンが激走します!

King of Bagger

※写真はhttps://www.motoamerica.com/より

★アメリカで人気を博しているKing of Bagger。

「フリスコ」スリムでストリートの走りを意識

チョッパーから派生したスタイルの一つがフリスコです。サンフランシスコにあるカスタムショップ「フリスコチョッパーズ」が発祥と言われ、渋滞で車のミラーを避けるため、高く絞ったハンドルを装着。縁石にぶつからないよう、ステップやマフラーを高めにマウントしているのが特徴です。

スマートで、渋滞も得意なため日本のストリートにもバッチリかもしれません。

※本画像は「ウェビックバイク選び」の掲載バイクです。売り切れの際はご了承ください。

「クラブスタイル」高速走行も得意なスポーティ版フリスコ

フリスコの発展形で、高速走行などスポーティさを強化したカスタム。往年のFXRTのような曲線的なビキニカウルを持ち、ややカチ上がった2in1マフラーで走りの性能を高めています。

TVドラマ『サンズ・オブ・アナーキー』が火付け役になったスタイルです。

★2022年に新登場したローライダーSTは、クラブスタイルの流行を取り入れたファクトリーカスタムです。

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