【文:沼尾 宏明】
ツーリングの「定義」を解説した前回に続き、今回は「計画の立て方」をレクチャー。ビギナーにもオススメの距離や、目的地は何か所ぐらいあった方がいいのか、など基本中の基本をお送りします!
まずは100~200km圏内でスタート、この距離でも意外と侮れない!
前回記事では「好奇心の赴くまま、ちょっとした非日常を味わう。それがツーリング」であるものの、「やっぱり目的地やテーマがあると旅立ちやすい」と解説しました。
例えばゲームで、自由に世界を動き回れるRPGやオープンワールドというジャンルがありますが、目的地を提示されず、いきなり街中や草原に放り出されても、どこへ行ったらいいか困ってしまうのと同じ。特にビギナーならなおさらです。
目的地を決める際には、まず行きたい所が自宅からどれぐらい距離があるのか調べましょう。昔と違って、今はgoogleマップなどで検索すれば、距離と所要時間がすぐわかります。
距離に関しては、初めてのツーリングなら日帰りで片道100~200km以内にしておくのがオススメです。たったの100~200kmと思うかもしれませんが、往復で考えると200~400km走る計算。それに渋滞や寄り道、休憩などの時間もあり、想定以上に時間がかかると考えた方がいいでしょう。
なお片道100kmの行程だとして、高速道路なら時速100kmなので“1時間で100km走れる”と思いがちですが、実際は1時間で60km程度、一般道で50kmを走るとなると2時間程度かかると言われています。
となると、高速道路50km+一般道50kmの片道100kmツーリングでさえ、往復で6時間かかる計算。これに休憩や食事などの時間を入れれば、トータルで8時間程度はかかってしまうのです。
さらに、ツーリング中に興味が湧いたスポットに立ち寄ったり、疲れたからのんびり長めに休みたくなったりといったケースもあるでしょう。こういった余裕を含めて、100~200km以内の行程とし、何時に出発して何時に帰宅できるのか大まかなプランを考えるとスムーズです。
ウェビック
何かと時間がかかるので、立ち寄る場所は2~3か所が無難!
目的地は最も遠方になる所から決め、その途中に寄りたい場所を決めるといいでしょう。
ルートに関しては、道中にある面白そうな立ち寄りスポットを効率よく周遊できるよう設定するのがセオリー。往路と復路が全く同じだと、行ける場所が限られてきますし、単調になるので違うルートを取るのもいいでしょう。
立ち寄る場所は欲張りすぎるとキリがないので、2~3か所程度に留めておくのがオススメ。場所にもよりますが、1か所につき1時間以上はかかると想定した方がいいでしょう。
これらを考慮し、長くても「12時間」以内の所要時間に収める行程がいいと個人的に思います。朝出発して、あまり遅くならない内に帰宅でき。翌日に仕事や用事があったとしても、それほど疲れを引きずらないからです。
ツーリングに慣れてきたら、ゴールだけ決めておき、道中で心が動いたスポットに寄り道しまくる、臨機応変なツーリングをするのもいいですね。また、何回も行ったことのある場所ならノープランでも何とかなるハズです。
さらに1泊、2泊と宿泊しつつ、遠出するのもいいと思います。
【まとめ】やはり初心者はプランを立てるべし!季節も考慮したい
これまで解説してきたようにツーリング初心者の場合、計画を立てて出かける方がオススメ。想像以上に時間がかかって疲れたりトラブルが起きたりするケースがあるからです。
長距離運転による疲れやトラブルが生じるリスクを考えると、ビギナーはしっかり計画を立て、余裕過ぎるぐらいの感じでプランを立ててから出かけるのがオススメです。
ちなみに気温や天気の影響を受けやすいのがツーリング。また気温変化が激しいと体温調節のためにウエアが余分に必要になったりします。地域でも違ってきますが、関東~近畿圏なら、できれば春~初夏(5月ごろ)、まだ寒くない秋(10月ごろ)はビギナーでもツーリングしやすいシーズンだと思います。
なお、猛暑は体力的に、厳冬期は防寒対策、凍結など路面の問題でややハードルが高いです。
時間の面でも気候の面でも余裕があるプランを立てて、まずはツーリングに慣れていくのが初心者には何より大事です!
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