【文:沼尾 宏明】
ビギナーにとって緊張するのが初めての高速道路。「実は街中より安全」と言われたりもするけど本当なのか? そして、どうすれば安心して走れるのか? ポイントを解説していきましょう!
走りやすいのは確かだけど、万一の際のダメージは大きい
高速道路は、一般道に比べて同じ距離を疲れずに早く移動できるため、とても便利。しかしながら、街中を走るのに慣れた初心者ライダーでも、初めての高速道路は不安になるハズです。一般道の上限60km/hに対し、多くの高速道路は上限100km/h、新東名高速道路など一部では上限120km/h。街中とは速度域がまったく違います(ちなみに、ご存知とは思いますが、高速道路では排気量125㏄以下のバイクは走行不可です)。
その一方で「一般道より高速道路の方が安全」と聞いたことはありませんか? これはある意味、正しいと言えるでしょう。
まず高速道路の多くはほぼ一直線で見通しが街中よりいいです。また、一方向に向けて車両が流れるため、一般道において発生する、クルマが横の道から急に横から飛び出してくる「出会い頭の事故」や、右直事故といった「交差点での事故」がありません。
その代わり、速度域が高いため、ひとたび事故が起きれば一般道より受けるダメージが大きい。また、インターチェンジからの合流車両との事故といった高速特有の事故もあります。
なお2022年の二輪乗車中の死亡件数は435件で、そのうち高速道路での死亡事故件数は135件と4分の1強を占めています。
目次
1.装備は確実に!タイヤの確認も重要
ここからは高速道路ビギナーが安心&安全に走るためのポイントを解説していきましょう。
まず準備しておきたいのは、過去記事(バイク公道デビューの不安を解消!~この5ポイントを実践すべし!~)で書いたとおり、安全装備です。ヘルメットは一般的にフルフェイスの方が防風性能と保護性能に優れているので高速道路にオススメです。また胸部を含むプロテクター類、ブーツなども用意しましょう。
重大なダメージを負う危険性があるので、一般道より念入りに安全装備を整えてください。
車体に関しては特にタイヤの空気圧を調べておきましょう。高速道路では長時間、速い速度で走り続けるため、一般道よりタイヤに負荷がかかりやすい。そのため、空気圧が極端に低いとタイヤがバースト(破裂)する危険性があります。
空気圧と同時に、パンクしていたり、釘などの異物が刺さったりしていないかなども確認。高速道路の走行中にパンクすると非常に危険です。
2.ETCがあれば料金所がスムーズで安心&便利
さらにETCがあると、料金所や通行ゲートをスムーズに通過できるのでオススメ。「ETC」とは、専用の車載器をバイクに搭載することで、無線通信によりノンストップで料金の支払いが可能になるシステムです(登録のほか、クレジットカードなどと連携したETCカードも必要)。
クルマに比べ、支払いに手間取りやすいバイクにとって実に安心&便利なシステムです。
なお、ETCがない場合は、タンクバッグ、ウエストバッグなどを用意し、すぐ通行券をしまえるようにしたり、支払いのクレジットカードや現金を入れておくと焦らずに済みます。
3.走行中は流れに乗って車線のセンターを走る
走行中の注意点を解説しましょう。
最高速度は100~120km/hですが、「最低速度」も設定されています。最低速度は50km/hで、これを下回る速度で走ることは禁止されています。50km/hと考えると、やや気楽になる人もいるかもしれませんが、あまりに一人だけ遅いと追突される危険性が高まるので、交通の流れに乗ることが大事です。
また、心配なら流れに乗って左車線を走れば不安感が和らぐはすです。ただし車線の真ん中を走るべき。車線の左寄りを走っていると、同じ車線からクルマが抜いてくるケースがあり、最悪、接触する恐れがあるからです。
車間は、上記の過去記事にも挙げたとおり前車から「2秒」以上の間隔を開けておくと安心です。また、バスやトラックなどの大型車両にはなるべく近づかない方が無難。大型車は背が高いため、前方が見えにくくなり、先の様子や案内板を把握しにくくなります。
加えて、大型車の横を走行していると、風圧でバイクが不安定になることがあります。これは、追い越し時などに乱流が発生してバイクが吸い寄せられたり、押しのけられることが原因。車体を下半身でホールドして若干の体重移動やハンドル操作をすればフラつきは抑えられます。
4.難しい合流では、目的地点に向かって速度を調整しよう
最大の難所は「合流」です。料金所から本線への合流、サービスエリアやパーキングエリアからの合流では、合流車線で80km~100kmまで加速させ、本線に進入しましょう。
ここでも流れに乗ることが大事で、バックミラーで後方、目視で死角となる真横を確認し、クルマがいる場合、前か後ろに合流するか判断。そこに目掛けて速度を調整します。車線変更の際も同様ですが、バックミラーだけではなく、しっかり死角を目視することが重要です。
逆に本線走行中、合流してくる車両があれば、前に入れるのか後ろに入れるのか早めに判断し、速度をコントロールしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。コツをつかめば、巷で言われているとおり一般道より安心&安全に高速道路を走行できるハズです。特に装備は一般道よりさらに重要になってくるので、しっかり整えてから走ってください!
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