バイク通勤に使うならどっち?125㏄と150㏄(160㏄)スクーター

はじめに

通勤、通学用に原付二種スクーターを探していると、同じ車種名なのに原付二種区分である125㏄のほか、150㏄や155㏄など日本では中途半端な排気量のスクーターが多数あります。代表的なところでは、ホンダPCXやヤマハのNMAX。また、そもそも150㏄クラスの設定しか販売されていないホンダADV150、ヤマハのマジェスティS、Xフォースもあります。

原付二種までしか運転することができない「小型二輪免許」しか保有していない場合を除き、原付二種スクーターの購入を検討する方は「普通二輪免許」か「大型二輪免許」を保有している方だと思います。そうすると、わずか数万円の差で150㏄クラスのスクーターが購入できるので、実際どっちが得なんだろう?と悩む方も多いと思います。

私も原付二種スクーターから150㏄クラスに乗り換えた一人。その経験をもとに、原付二種と150㏄クラススクーターのメリット、デメリットを整理して解説したいと思います。

維持費用の比較

まず、バイクを所有するにあたっての固定費ともいえる、保険料と税金について比較したのが下記の表になります。

比較

※1 バイク保険はアクサダイレクトの基本プラン料金
※2 ファミリーバイク特約はアクサダイレクトで自動車保険に加入している場合の料金
※3 任意保険ではなく、ファミリーバイク特約利用時の金額
※4 重量税を除いた場合の金額。つまり二年目以降

こうして比較してみると、自賠責保険、任意保険、軽自動車税ともに金額に大きな差はなく、一か月あたり差額は約800円しかありません。最も差が出るのは任意保険の代わりに「ファミリーバイク特約」を利用した場合ですが、改めて比較してみると、月額で1,000円以下の差しか出ないとも言えます。

また、今回は重量税を維持費として加算しましたが、重量税がかかるのは軽二輪の場合は新規登録の時のみ。購入後は重量税はかからないので、一か月あたりの差額はわずか375円となります。

金額的には年間で1万円近い差が出るファミリーバイク特約ですが、注意が必要なのは補償内容です。ファミリーバイク特約は搭乗者傷害保険は含んでいないため、自分のケガに対する補償が十分ではない恐れがあります。また、最近任意保険に付帯しているロードサービスも対象外となりますので、注意が必要です。

ただ、ファミリーバイク特約には台数の制限がありません。原付バイクを複数台持っていたり、家族で複数の原付バイクを所有しているのであれば、ファミリーバイク特約に加入することで、保険料を節約することができるのは、とても大きなメリットですね。また、任意保険の料金が高い10代や20代前半の方にとっても、ファミリーバイク特約で保険料が節約できるのは大きなメリットですね。もちろん、ファミリーバイク特約は自動車保険に付帯する特約なので、そもそも自動車保険に加入していることが前提になってしまいます。

維持費用、という意味では、ガソリン代やタイヤ代、ブレーキパッドやオイルなどの消耗品代も含まれますが、今回はあえて比較していません。なぜなら、125㏄と150㏄では、燃費も使用する部品もほとんど差がないからです。

PCXとNMAXをみていただくとわかりますが、タイヤサイズも車体も全て共通です。違うのはエンジンの排気量のみ。なんでこうなっているのか、というと125㏄になっているのは、各国の保険や免許の制度上、125㏄のほうが販売するうえでメリットが大きい場合がある、ということです。

では、実際に日本の道路環境でバイクを走らせる上で125㏄(原付二種クラス)と150㏄(軽二輪クラス)を比較してのメリット・デメリットを比較したいと思います。

比較

私自身がNMAXとADV150の双方でバイク通勤していた経験からメリット・デメリットを比較して、それぞれのクラスでのポイントをまとめてみます。

125㏄(原付二種クラス)

125㏄のNMAXを利用していた時で最も不便でストレスだったのは、やはり自動車専用道路(高速道路など)を走行できない、ということでした。高速道路はもちろんですが、関東地方では人気のツーリングロードである箱根ターンパイクや箱根新道。都市・湾岸部では横浜ベイブリッジの一般道部分、保土ヶ谷バイパスなどが原付二種では走行できないため、迂回路を探すハメになります。
普段自動車やバイクに乗っているときにはあまり意識しないのですが、グーグルマップなどで指示されたルートが利用できない、というシーンに遭遇することがあります。
友人たちとツーリングに行った際に、ルートが制限されてしまい、別ルートを通って行かざるを得ないということもありました。

逆に良かった点といえば、都市部のバイク駐輪場で原付二種まで利用可能な駐輪場が利用できることです。この点は外出先で駐輪場を探すときに何度か助かったことがあります。

150㏄(軽二輪クラス)

150㏄クラスの最大のメリットは、やはり高速道路を利用できる、という点です。ちょっと急いでいる時や、高速道路を使うと移動時間がとても短縮できる、といった時に、選択できる自由がある、というのはとても気持ちが楽になります。

また、高速道路を使ったツーリングも楽しめるようになる、という点も大きいですよね。お休みの日には高速道路を利用し、ちょっと遠出のツーリングも楽しめれば、便利なだけではなく、バイクとしての楽しみもより広がると思います。

150㏄クラスのデメリットに関してですが、維持費が若干上がることを除けば、125㏄クラスと比較して思い当たる点がない、というのが正直な所です。

また、最近の125㏄と150㏄(160㏄)両方がラインナップされているバイクを乗り比べた時に、車体とエンジンパワーのバランスが優れているのは、150㏄(160㏄)ではないか、と感じることも多いです。125㏄は排気量だけではなく、出力での上限規制があるためだと思われます。

ただ、1台のバイクとして見たときには、排気量が150㏄しかありませんので、高速道路やアップダウンの大きい自動車専用道路では、エンジン性能に余裕がないのは事実です。高速道路では、時速100キロ の巡航が精一杯、と考えておけば良いでしょう。

まとめ

私の結論としては、125㏄クラスと150㏄クラスであれば、おススメは150㏄クラスです。維持費に関しては前述の通り、実は大きな差はありません。車両の販売価格差は5~6万円ぐらいの差がありますが、その差を十分に埋められる魅力と利便性が150㏄クラスにはあると思います。

通勤や通学で利用するなら原付で十分、とも言えますが、オートバイとしての便利さや楽しさをより実感できるのが150㏄クラスの魅力です。
1台でマルチに活躍してくれる150㏄クラスのスクーターも、ぜひ選択肢に入れてみてください!

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