今さら聞けない!?最近のバイクに搭載される『電子制御』ってなに??その3

これまでは代表的な機能や電子制御に欠かせないセンサーやユニットについて紹介しました。
今回は電子制御の中でもツーリングで活躍する機能について紹介していきます。

クルーズコントロール

クルーズコントロールとは、バイクの速度を一定に維持したまま走行する機能です。クルーズコントロールのスイッチをオンにしてライダーが任意の速度に設定すると、スロットル操作をすることなくバイクが設定した速度で走り続け、ライダーがブレーキの操作などを行うと自動的に解除されます。主に高速道路など長距離移動の際に活躍する機能で、疲労の軽減や燃費の向上が見込めます。

そのクルーズコントロールをさらにグレードアップしたものが、アダプティブクルーズコントロールです。アダプティブクルーズコントロールは、前方を走る車両の距離と速度をセンサーで常にモニターしており、前方の車両が減速した場合には自動的に減速し、前方の車両が加速した場合には設定速度に従って自動的に加速して車間距離を維持します。高速道路や渋滞などの交通量の多い場所で、車両同士の衝突を防止するための安全装備としても注目されています。

クルーズコントロールを搭載しているバイクの一例

電子制御サスペンション

電子制御サスペンションとは、サスペンションの動きをセンサーで検知し、その情報を基に電子制御ユニットがサスペンションの動きを制御するシステムです。具体的には、路面の凸凹やバイクの加減速などの変化をセンサーが検知し、その情報を基に電子制御ユニットがサスペンションのダンパー特性をリアルタイムに制御します。減衰力の設定方法も従来のアナログ式で予め設定する方法ではなく、モードを選択するだけで自動でモードの特性に応じた設定が行われます。他にも、乗車人数や荷物の積載状況に併せて自動で最適なダンパー特性に設定してくれるものも登場しています。

また、近年ではさらにハイテクなスカイフックテクノロジーを採用した電子制御サスペンションまで登場しています。これは、バイクのばね上重量部分が上空からフックで支えられているかのように揺れを減らし、安定した走りを実現する技術です。

電子制御サスペンションを装備しているバイクの一例

DCT(デュアル クラッチ トランスミッション)

DCTとは「デュアルクラッチトランスミッション(Dual Clutch Transmission)」の略称で、バイクの変速機構の一つです。従来のマニュアルトランスミッションとは異なり、クラッチペダルやシフトレバーを操作することなく自動でシフトアップやシフトダウンを行う機能です。

DCTにはその名の通りクラッチが2つ備わっており、1速-3速-5速-発進用クラッチと2速-4速-6速用クラッチに分かれています。片方のクラッチを使用中にシフトチェンジを行う時、もう片方のクラッチに切り替えることで変速時に発生する駆動力の途切れを抑え、なめらかな加速・減速を実現しています。

DCTを標準装備しているバイクの一例

ヒルホールドアシスト

ヒルホールドアシストとは、坂道発進や坂道停止時に、ブレーキを操作しなくても停車した状態を維持する機能です。作動条件はメーカーにより異なる部分はありますが、坂道でブレーキをかけて完全に停車するとセンサーがバイクの停車を検知し、ABSのユニットを介してブレーキを操作しなくてもブレーキをかけた状態を維持します。
これにより、坂道発進でブレーキを離した際にバイクが後退すること防ぐため、よりスムーズな発進をサポートします。

ヒルホールドアシストを搭載しているバイクの一例

まとめ

一昔前までは電子制御と言えばサーキットで限界走行を助けるための機能でしたが、今ではクルーズコントロールを筆頭に、街中やツーリングを快適にするための機能も多く登場しました。より快適に安全にバイクを楽しめるように電子制御も日々進化していますね。

ウェビックバイク選びでバイクを探す その他のモトガイドを読む

この記事にいいねする

おすすめの記事