豪華絢爛装備充実!こんなに贅沢仕様でいいんですか!?【ホンダ ADV160】

タフギア感が溢れ出るアドベンチャースタイルのデザインがストリートに激映えのホンダ軽二輪スクーターADV160
大型クロスオーバーモデルX-ADVを連想させる前衛的なスタイリングとしながら、しっかりとした運動性能、高い耐久性、さらに燃費も良好ということなどから、メインバイクとしてはもちろんセカンドバイクとしても人気の高いモデルです。
ただ排気量から考えるとちょっと中途半端では?と思ってしまう人もいるかも。
そんなADV160に実際に触れて、使い勝手やどのようなライダーに向いているかを調べて行きましょう。

現在のコミューター界において主流とも言えるセグメントなの?

ADV160の先代モデルにあたるADV150が登場したのは2020年2月のこと。ホンダの世界的ベストセラーモデルPCXをベースとしているのですが、その面影はないと言える程にスタリングは異なるもので、むしろ大型クロスオーバーモデルX-ADVを連想させるアドベンチャーライクな雰囲気で纏められていました。
それから約3年の時を経て2023年1月にフルモデルチェンジが行われ登場したのが現行モデルであり今回ピックアップするADV160です。
こういっては何ですが、スタイリングこそ従来モデルからさほど変化がないので、パッと見たところでは両者の違いは分かりにくいのですが、実はエンジン、フレーム、装備などあらゆる面において大幅なアップデートが図られています
私は250ccスクーターを所有していることから、ADV160は物足りないのではないだろうかとも考えていたのですが、実際に触れてみると“この排気量、サイズが便利なんだ”と分かってきたことがあったので、そのような点にも触れながら車両紹介を行っていきましょう。

インパクトのあるフェイスマスクこの顔だけでも心を奪われます!

軽二輪スクーターは様々なモデルが販売されていますが、その中でも特に印象が残るデザインがADV160の魅力。低くセットされたヘッドライトはスポーティな雰囲気を醸し出しながらも、アドベンチャーライクなデザインに上手くまとめています。
なお二眼ヘッドライトはX-ADVやアフリカツインなど、ホンダアドベンチャーの流れを汲んでいることが分かります

原付以上ビッグスクーター未満。これがベターなサイズかも!?

HONDA ADV160_右 HONDA ADV160_左

ADV160のサイズを考えた時、比較対象とするならばやはり兄弟モデルであるPCX160、あとはガチンコライバルとも言えるヤマハNMAX155あたりなのですが、それらと諸元表の数値的に比べるとADV160は若干大きいことが分かります。
大きな違いを挙げるならば最低地上高がPCX160、NMAX155より30mm高く、それによりアドベンチャー感がより一層助長されていると言えるでしょう。
実際に走らせてみると若干足まわりが固めに思え、個人的にはもう少しサスペンションストロークを上手く使える柔らかめの設定となっていると嬉しいです。ただタンデム時や荷物満載のロングツーリングなどではちょうど良いかもしれませんね

驚愕の低燃費!こりゃたまらん!

HONDA ADV160_エンジン

旧モデルであるADV150から7cc引き上げられた排気量156ccの水冷シングルエンジンを採用しています。4バルブ化されマイルドな特性となりましたがトルク感が向上しており、加速力バツグン。軽二輪スクーターの中でもスタートダッシュはなかなかのものです。
それでいながらもオンオフ切り替え可能とされたアイドリングストップなど環境燃費対策機構も備えており、街乗りなどでの実測燃費はおおよそ38.5km/L。40kmには届きませんでしたが、燃料タンク容量は8.1Lなので、無給油で300km近く走れることになります。

シート高が下げられたことで安心して付き合えます!

HONDA ADV160_足つき正面 HONDA ADV160_足つき側面

ADV150からADV160へのモデルチェンジでは、軽量かつ高剛性化が図られた新フレームが採用されているのですが、実はシート高も790mmから780mmに引き下げられました。PCX160(764mm)やNMAX155(765mm)のシート高と比べれば高い数値ではありますが、スリムな車体と相まって身長177cm、体重70kgのテストライダーではべた足です!
ADV160の使い道はタウンユースがほとんどだと思いますが、足つきが向上している上に、ハンドルの切れ角も大きく、視界も良好、これならば狭い道でもスイスイ入っていくことができます。

アドベンチャー風ではありますが、やっぱりオンロード志向かな?

HONDA ADV160_未舗装路 HONDA ADV160_フロントタイヤ

ストローク量130mmを誇るフロントサスペンションやブロックパターンのタイヤなど、オフロード走行をにおわせるADV160ですが、実際に未舗装路に持ち込んでみると、他のスクーターとさほど違いがある様には感じませんでした。
フロント14インチ、リア13インチのタイヤセットはスクーターの中では大径と言えますが、オフロードモデルとしては小径であり、特にマディな路面では足元を取られやすいのです。
ただトラクションコントロールの一種であるHSTCを装備しており、フロントタイヤの接地感だけ気を使ってあげていれば、そこそこのオフロード走破性能がある感じです

充実した数々の装備は、所有欲を満たしてくれます!

HONDA ADV160_LCDディスプレイ HONDA ADV160_インナーボックス
HONDA ADV160_スマートキーシステム HONDA ADV160_シート下ユーティリティスペース

私が古い人間だからかもしれませんが、ADV160には一昔前の軽二輪スクーターでは考えられないような装備がてんこ盛りです。
LCDディスプレイはスピードメーターや距離計、残燃料計などの基本表示だけでなく、タコメーター、気温計、燃費計などなども備わっています。
フロントカウルサイドにあるインナーボックスにはUSBソケットが標準装備されていますし、スマートキーシステムも快適。
シート下のユーティリティスペースは長尺の荷物も収納可能でした。
走りの面だけでなく、このような快適装備がふんだんに用いられているのもADV160の魅力ですね。

独断と偏見で伝えたい”勝手にGood&Bad!!”

HONDA ADV160_グッドポイント HONDA ADV160_バッドポイント

【テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド】
グッドポイントは2段階調整可能な大型フロントスクリーンです。街中やワインディングなどではスクリーンを下げて爽快感を楽しみ、高速道路を使ったロングランではスクリーンを立てることで快適な移動をもたらします。 一方バッドポイントは※センターアーチがかなり高いことです。シート下スペースの容量を稼ぎたいですし、燃料タンクは中央にレイアウトして前後バランスを取りたい、それにしっかりしたフレームを持たせて剛性も確保したいなど、こうしなければならないことはわかります。
でもフラットボードタイプのスクーターは日常的な使い勝手が良い上に気軽さがあるのです。

※センターアーチとは両足を置くステップの間の給油口(燃料タンク)があるふくらみの部分のこと。対して原付スクーターで良く見られる足を置く部分が平らな形状のものはフラットフロアやフラットボードと言うことがあります

個性的なルックスと充実装備これは欲張りさん向きですね!


先述しましたが私は250ccスクーターを所有し日常的に使っています。ただそれとは別に大型バイクも持っており、遠出にはそちらで出動するので、実際のスクーター使用状況はと言うと子どもの習い事の送迎や近所への買い物程度です。時間貸しパーキングのスペースに置く際にもややサイズが大きいと思っています。
となると250ccスクーターでは持て余してしまうというのが正直なところ。一方原付二種クラスのスクーターだったらと考えるとちょっと急ぎで移動する際などで高速道路を利用できないのはやや不便に思えるでしょう。
そう考えると軽二輪スクーターの中で150~200cc程度のサイズ感が人気となっていることが分かります。
特にADV160ではしっかりとした走りの面だけでなく、インパクトのあるルックス、質感の高いディテール、充実した装備など魅力的な要素が山盛り。
車両の比較にPCX160やNMAX155を引き合いに出しましたが、ADV160を求めるような方だと、もっと個性的で押し出しの強いトリシティ155(三輪コミューター)やベスパ(伝統的ガイシャ)などと迷うこともあるかもしれませんね。
それらの中では車両価格は抑えられていますし整備などの維持費などを含めたコストパフォーマンスを考えてみるとADV160には大きな魅力が感じられます!
それらは旧モデルにあたるADV150でも同様なので、初期投資を抑えたいならば中古マーケットを確認してみるのも良いかもしれませんね!!

ADV160[2024]主要諸元

  • 全長×全幅×全高:1,950×760×1,195mm
  • ホイールベース:1,325mm
  • シート高:780mm
  • 車重:136kg
  • エンジン:水冷4ストローク単気筒OHC 156cc
  • 最高出力:16PS(12kW)/8,500rpm
  • 最大トルク:15Nm/6,500rpm
  • 燃料タンク容量:8.1L
  • 変速機:Vマチック
  • ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
  • タイヤ:F=110/80-14、R=130/70-13
  • 価格:47万3000円

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