
今回はモンキー、ダックスと並ぶホンダのレジャーバイク、グロムをピックアップ!! ディフォルメされたようなコンパクトなボディワークを持ちながら、ストリートネイキッドスタイルのクールなスタイリングで纏められたグロムは、街中を縦横無尽に駆け回ることができるスーパーマシンなのです!!
現行モデルに実際に触れながら、初代モデルからこれまで続いてきた進化や、それぞれの時代のモデルで感じることができる魅力などを探っていきたいと思います。
手元に一台置いておきたいカワカッコイイグロム、きっと欲しくなってしまいますよ!
目次
昨今のホンダレジャーバイクシーンの火付け役はグロムだった!?

ホンダが世に送り出す人気レジャーバイクラインアップは、現在モンキー125、ダックス125、そして今回ご紹介するグロムが存在します(CT125ハンターカブも入れても良いかもしれませんが、サイズ的に今回は割愛させていただきます)。
モンキー125の登場が2018年、ダックス125は2022年なのに対して、初代グロムの登場は2013年と先輩的な存在。もっと歴史を遡れば50ccエンジンを採用したモンキーやダックスの存在に辿り着くのですが、少なくとも排気量125ccでカテゴライズすればグロムが一番手です!
長らくレジャーバイクの開発製造を行っていなかったホンダが、新たにグロムを登場させた時には世界的に注目されたものでした。海外で生活する知人から「グロムを買おうかと思っているのだけどどうかなぁ?」と相談の連絡をもらったことがあり、なんだか嬉しく思ったことを覚えています。
初代モデルの登場時にはインプレッション記事制作やツーリングレポート取材なども行いましたが、コンパクトながらに良く走るという印象を受けていました。
2016年には後期型へ2021年にはフルモデルチェンジが図られ、2024年モデルでマイナーチェンジが施されて現在に至ります。
バイクにうとい人たちからも人気! その魅力はやっぱりキッチュなスタイル!


グロムって独特なボディフォルムをしていると思いませんか? 大きなヘッドライト、ボリュームある燃料タンクとシートなのにフロント幅120、リア幅130mの12インチサイズという小径ファットタイヤ。モンキーやダックスと比べてもエッジの効いたデザインなので、都会的なモダンさがありながらもギュッと凝縮されたディフォルメ要素を感じられ、そこに魅力を覚える方も多いのです。
しかし跨ってみると想像しているよりも窮屈ではなく、むしろ自由度の高いライディングポジションに驚かれることと思います。
これが二番目の魅力ポイントとなる、”えっ!? 傍から見るとちっちゃく見えるけれど触れるとしっかりしてる❤”の部分です。
グロムはその見た目と跨った時に感じるギャップで老若男女問わずメロメロにしてきたのです。
日々の生活を大冒険化してくれる性格! 使い勝手の良さだけでなく楽しいのです!


今回の取材のためにホンダさんからグロムを借用する直前までスズキ・ハヤブサに乗っていました。片や市販車最高速においてギネスブック認定経験を持つメガスポーツモデル、一方グロムはコンパクトなレジャーバイク……。
そのような極端な乗り換えだったこともあり、本当に小さくて機動性が高いことが楽しくて仕方ありません。東京23区内のただでさえ込み入った道をあえて狭い路地を探して走り回るのです。行き止まりは当たり前、階段だってあわや駅の構内まで入ってしまいそうになってしまいました。
もちろん歩道はエンジンを切り押して進みます。軽いですしハンドルの高さも秀逸で取り回しも良好、傍から見てもカワカッコイイバイクなので違和感なし。走って迷って押してまた走る! これは家に帰るだけでも大冒険です!!
ほどよくシッカリ感が増し チープな印象も薄れています!


グロムは初代から現行モデルまでぱっと見の印象は変わっていないのですが、内容に関しては2021年のフルモデルチェンジで大きな変化がもたらされています。
その際のフューチャーポイントは、新設計されたエンジンはロングストローク志向で最高出力10馬力へ引き上げ、フロントブレーキにABSを採用、そして何よりも大きいのが5速ミッションの採用です。
以前のモデルは4速ミッションで幹線道路を走る際に、もう1速ギアが欲しいと思うことがありましたが、それが払拭されており、細かい路地から交通の流れが早い大通りまでしっかりカバーされているのです。
なお2024年のマイナーチェンジでは基本的に内容に変更はなく、デザインの主要部分となる外装パーツが以前の”着せ替えカスタム”を楽しめるボルトを露出したものから、ボルト類を見えない位置にし質感を高めた外装パーツへと移行しました。
これは好みが分かれる部分で、個人的には従来の無骨かつ外装パーツを変更できるスタイルにオモチャ的な魅力を感じていました。
原ツー会のファンファン大佐(意味不) つまり極上のファンバイクなのです!






グロムはコンビニへ買い物に行くような、ちょっとそこまで走らせるだけでも本当に楽しい気持ちにさせてくれました。やっぱり軽量コンパクトなレジャーバイクは偉大だと改めて感じさせてくれるとともに、それにはそもそもの走りの基本がしっかりとしているということも挙げられます。
前後12インチのファットタイヤは、ちょっと寝かせただけでもクルリと方向を変えてくれます。ただこれは、現在主流となっている前後17インチタイヤに慣れている方などには、異質なハンドリングと感じられるかもしれません。
すぐに慣れますが、独特なハンドリングであることには違いありません。ただそれが楽しいと思えるサスペンションのセッティングやエンジン特性がしっかりと纏め上げられているのです。
某トップクラススタントライダーが「グロムはスタントライドの練習にももってこいのモデルです」と言っているのを耳にしたこともありましたし、論より証拠というわけでないですが、メーカーであるホンダ主導の下、ワンメイクレースも長年行われています。
走りの性能に関してもしっかりしており、何よりも楽しく気持ちよく走ることができる。これがグロムの秘めたる大きな魅力となっていることは、実際に触れないと伝わらないと思います。
独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。


良いところだらけのグロムちゃんですが、個人的にグッドポイントを一つ選ぶならばシートです。シート高、幅、クッション性、フラットな形状、すべて好きです。
全体的なバランスを見てみてもシートの形状が非常にマッチしていると思いました。
なお、併せてハンドルバーの形状、高さも素晴らしいと思います。
バッドポイントとしてコレを言ってしまっていいものか、かなり悩んだのですが、せっかくですので告白します。
身長178cm、体重70kgの私が乗るとやはり”サーカスのクマ”感は払しょくできませんorz。これはレジャーバイク全般に言えることですし仕方がないことです。
でっかいオジサンが小さいバイクに乗っている……それも含めてカワカッコイイのがグロムの魅力なのです。
現行モデルの新車はもちろんマーベラス! 中古でも良い個体を見つければアリ!!

いやぁ、久しぶりにグロムに乗ったのですが、以前にも増して良いバイクだと思いました。モデルチェンジによる変更点はもちろんのこと、見えない部分の進化もあるのだと思います。
現在はモンキー125やダックス125が出揃い一際輝く存在という感じではなくなってしまったかもしれませんが、それでもそれらのモデルと比べて劣ると思える点は少なく、むしろ使い勝手や、走らせる楽しさというのはグロムの方が上だとも思えるほどです。
そうそう、モンキー/ダックスの新車価格が45万1000円なのに対してグロムは39万500円と、5万円以上も低い価格設定です。これも車両選択の際のポイントになることと思います。
基本的なデザイン設定を変えずにモデルチェンジを繰り返してきたグロムは初代モデルであってもあまり古さを感じないと思います。
むしろアップマフラーだった初代モデルが好きだという方や、初代の後期モデルの上下2分割ヘッドライトが良いという人もいることと思います。
中古流通数も多いので好みや予算に応じて選ぶことができるのも嬉しいですね。
ただし気軽に扱える原ツークラスであり、ぞんざいな扱われ方をされてきた車両も少なくありません。中古車を選ぶ際にはちゃんと整備されてきた個体かどうかを確認することをお薦めします!
グロムの基本スペックをチェック!
グロム[2025]主要諸元
・全長×全幅×全高:1,760×720×1,015mm
・ホイールベース:1,200mm
・シート高:761mm
・車重:103kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC 123cc
・最高出力:10PS(7.4kW)/7,250rpm
・最大トルク:11Nm/6,000rpm
・燃料タンク容量:6L
・変速機:常時噛合式5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-12、R=130/70-12
・価格:39万0500円
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