
ホンダ・フォルツァは排気量250㏄エンジン搭載するスクーターです。今でこそスクーター(コミューター)セグメントの排気量は幅広い分布となりましたが、20年程前までは250ccクラスの車両がビグスク(ビッグスクーター)と呼ばれ、それはそれは大きなムーブメントとなっていました。
今回のフォルツァはその頃より系譜が続くロングセラーモデルです。
2025年モデルではアップデートも施されているので、しっかりと内容を探っていきたいと思います!!
目次
- 1 後発モデルであるものの 最終的に独走状態となった名車!
- 2 ビッグスクーター復権をかけた意欲作? 装備の豪華さにもはや脱帽!
- 3 とにもかくにも便利この上なし! プレミアムコミューター路線が◎!!
- 4 旧世紀のビッグスクーターとは確実に違う その点は各パーツの出来の良さにあり!
- 5 コミューターとしては最強と言える使い勝手 スポーティでありながらカリカリさせない深い懐!
- 6 独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。
- 7 巷を見ると結構増えた!? 実はビグスクブームはすでに始まっています!!
- 8 フォルツァ[2025]の基本スペックをチェック!
後発モデルであるものの 最終的に独走状態となった名車!

今でこそ排気量150~200ccエンジンを搭載したスクーターが数多くありますが、90年代後半から2010年頃にかけて250ccスクーター独壇場とも言えるいわゆるビッグスクーターブームというものがありました。
何を隠そうこの記事を書く私は90年初頭にはビグスクの利便性に感化し、ほとんど見向きもされていなかったホンダ・フュージョンを使い高校への通学に使っていました。目をつぶれば、学校に行く際にピックアップしていた先輩が後ろのシートでヤンマガを読みながらカップ焼きそばを食べる姿が思い浮かびます。
フュージョン以外にもスペイシー250フリーウェイ、マジェスティ、スカイウェイブ400と乗り継ぎ、世間で盛り上がるビッグスクーターは専門誌なども多数発行されていたことを覚えています。
他人様よりも先に目を付け、カスタムなども行っていたこともあり、ブームの火付け役の一端を担ったと自称しているのですが、それから大分月日が経った今、ビグスク界はどうなってしまっているのでしょうか!? ストリートを見渡してもほとんど見かけないじゃないのよ!! と思ったことが今回フォルツァを取り上げる発端となりました。
何といってもフォルツァはライバルキラー的存在で一世を風靡したモデルですし、当時から今も名が続く唯一のビグスクです(TMAXなど他排気量は除きます)!!
さて現行モデルはどのような進化を遂げているのでしょうか!?
ビッグスクーター復権をかけた意欲作? 装備の豪華さにもはや脱帽!


実はフォルツァを紹介したいと思い始めたのは昨年晩夏のことで、その時に貸し出してもらえる広報車両をホンダに問い合わせたのですが、”ちょっと今は都合が良くありません”的なニュアンスの返答があったのです。メディア関係だけでなく色々なところに貸し出しているので、タイミングが合わないのかと思っていたら、今年1月にコッソリとアップデートされて登場しているではないですか!!
今回の改良は5インチフルカラーTFT液晶ディスプレイの採用、スマートフォンアプリと連動することができるHonda RoadSyncシステムの搭載、シート下ラゲッジボックスの粗油名追加などです。
もともと利便性が高い装備が”ウリ”なのですが、それに拍車が掛かった内容となっており、以前以上に興味津々。約半年に及ぶオーダーを続けてようやく借用することができました。
とにもかくにも便利この上なし! プレミアムコミューター路線が◎!!


最近インプレッション用に借用するスクーターと言えば、メインは125ccの小型自動二輪クラスで、普通自動二輪クラスでも150~200ccの間がほとんど。確かにそれはそれで便利なのです。
というのもそもそも半径30km程度の通勤や通学での使用を想定していることが多く、それに応じて老若男女問わず扱いやすい車重や、駐輪場などでも困らない車格が大きなメリットとなっています。
ただ一方でやはり高速道を使用した際の快適性や、走行性能面でスポイルされている部分も感じられました。
その点フォルツァはスタートダッシュから快速で、全域でトルクフル。しかも静かです。足まわりがシャキッとしており、それでいながらしなやかさも持ち合わせています。
だからソロライドではもちろんタンデム時にはパッセンジャーもこの上なく快適です。
各パーツの質感の高さもポイントとなっており、総じてプレミアムなコミューターとして上手くまとまっていると思える仕上がりです。
旧世紀のビッグスクーターとは確実に違う その点は各パーツの出来の良さにあり!



先述したように昔からビッグスクーターに慣れしんでいる私ですが、何を隠そう現在もフォーサイトという250ccのスクーターを所有していたりします(数か月前より兄に貸していますが)。
数年前に業界の先輩から譲ってもらったもので、たぶん1997年式の中古ではありますが整備を重ね良く走るのです。排気量が250ccと十分なこと、はっきり言ってしまうとビッグスクーターにおいてのパッケージ的な進化というのは乏しいこともあるので、程度の良いものであればセコハンを手に入れてもきっと満足できることと思います。
がしかし、現行フォルツァはモノが良いのです。サスペンションの動き、ブレーキのタッチ、駆動系の熟成、さらにタイヤの進化など、エンジンそのもののパフォーマンスはもとより、各パーツの精度や能力が向上しているというのが、大きな違いなのです!!
コミューターとしては最強と言える使い勝手 スポーティでありながらカリカリさせない深い懐!






キーレスエントリーシステムです。電動スクリーンです。スマートフォンアプリと連動できます。ラゲッジスペースはかなり大きく、ヘルメットの入れ方まで記載されています。もはや言うことはない贅沢装備に包まれた現行フォルツァは、コミューター界のキングです。
”もっと排気量が大きくて速いモデルもあるじゃないか”とか”もう一回りコンパクトな方がどこに行くのも便利ではないのか”などと言った意見もあるかと思いますが、それらを黙殺していいほど、フォルツァは快適かつ運動性能が良く、利便性も高いのです。
排気量がもっと大きなスポーツタイプのスクーターもありますが、それこそフォルツァより乗り手を選びます。150~200ccクラスだと軽量コンパクトな車体を活かした走りもできますが、むしろそれにより気が付くと目を三角にしてアグレッシブな走りをしてしまいがちです。
その点フォルツァのバランスはスポーティでありながらも急かすようなことはなく、スイスイと泳ぐように走ることができるのが気持ち良いのです。ハンドリングも秀逸で、ワインディングを攻めるような走りをしてもかなりイケますよ!
独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。


フォルツァは想像していた以上に、どこもかしこも良く作られており、もはや非の打ちどころはないと言えるビッグスクーターに進化していましたが、中でも装備的にこれが良いなと思ったのは電動スクリーンです。
むかーしビッグスクーターのカスタムが流行ったころ、スクリーンをカットすることが一般的となり、挙句の果てにメーカーが最初から短いスクリーンにして出してきたことがあったのですが、初代フュージョンで長いスクリーンでの快適性を知っていた私にはなかなか理解することができませんでした。まあ短い方がスポーティに見えることは分かるのですが……。それが電動スクリーンによってストリートなどでは低く、高速道路でのクルージングでは高くと、スイッチ一つで調整できるのですから最高です。
対してバッドポイントはセンターアーチが地面から高く、しもそこからテールエンドまでずーっと上方に伸びているために、どのように跨るか悩む人もいるかと思いました。スポーツ性を高めるなら短く、ラグジュアリー性を求めるなら低く、というところで、中間となってしまっている感じがします。
巷を見ると結構増えた!? 実はビグスクブームはすでに始まっています!!

モーターサイクル業界は昨今オートマチックトランスミッション化の流れが強まってきています。その中でもホンダは率先して長らく自動変速機開発を続けてきたこともあり、一日の長があると感じています。
フォルツァは駆動伝達方式が自動遠心クラッチ式なのでそれとは一線を画しますが、つまりはスロットル操作一つで走ることができるモデルが再注目されてきているという話をしたいのです。
私は大型フルカウルスポーツバイクとフォーサイトを所有していますが、その利便性の高さからついつい後者を選ぶことが多かったりもします。
それに今年に入ってから街中を走るバイクを見ていると、フォルツァはもちろんフュージョンやマグザムなど絶版系ビッグスクーターを多く見かけるように感じており、その事を、バイク買取り業を行っている知人に話したところ、「程度の良い個体の取引価格は上昇している」と言うのです。
これって、ビッグスクーターブーム復活の予感!? それならば最新最良とも言える現行フォルツァを選ぶのは名案ではないですか!!
フォルツァ[2025]の基本スペックをチェック!
フォルツァ[2025]主要諸元
・全長×全幅×全高:1,510×750×1,360(スクリーン最上位置は1,505)mm
・ホイールベース:1,510mm
・シート高:780mm
・車重:186kg
・エンジン:水冷4ストローク単気筒OHC 249cc
・最高出力:23PS(17kW)/7,750rpm
・最大トルク:24Nm/6,250rpm
・燃料タンク容量:11L
・変速機:無段変速式(Vマチック)
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-15、R=140/70-14
・価格:78万1000円
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