価格と維持費が高く、初心者には難しい? 輸入バイクって実際どうなの?

【文:沼尾 宏明】

BMW、ドゥカティ、ハーレー、トライアンフ、KTM、ハスクバーナetc・・・。
海外メーカーのバイクは、国産車とは一線を画した外観やメカを有し、とても魅力的です。
一方で「値段が高い」「維持費が高い」「部品がない」「初心者が乗るのは難しい」といったネガな噂も聞きます。では実際はどうなのか?解説とアドバイスをお届けしましょう!

平均的に見れば確かに車両価格は高いが・・・?

外国車に対して「価格が高い」というイメージを抱いている人は多いです。実際のところ欧米ブランドのバイクは国産車より概ね高額と言えるでしょう。海外から日本までの輸送費、国内の法規制に合わせた対応(欧州とは統一化されつつあります)、円安など様々な影響があり、高額なのは仕方ない一面があります。

ただしビッグバイクはともかく、400cc以下のバイクだと国産車に接近してきます。例えば水冷単気筒DOHC4バルブを搭載するネイキッドのするKTM・250DUKEとホンダ・CB250Rを比べてみましょう。

KTM 250DUKE 66万5000円(2023年4月時点)
ホンダ CB250R 56万4300円(2023年4月時点)

KTMの250DUKEは数年前まで58万6000円だったのですが、円安などのため、徐々に値上がりしてしまいました。それでもエンジンパワーはKTMが勝り(3ps増しの30ps)、足まわりのグレードもやや高い。デザインも凝っており、+10万円程度の価値はあるでしょう。

なおキムコやSYMといったアジア発ブランドのスクーターは日本製よりリーズナブルです。

整備費は国産車の1.4倍以上、中にはほぼ国産と同程度の場合も

「整備費が高い」というイメージが外国車にはあります。全国展開している大手販売店グループの整備工賃(1時間あたり)は、国産車に比べ外国車は1.4倍の価格に設定されています

正規ディーラーの整備工賃に関しても同様に国産よりお高めのケースが多いです。ただし額は様々で、国産とほぼ同額だったり、1.5倍以上の場合もあります。

また納車時の登録等諸費用が高め。輸入車は、開梱や部分的な組み立て作業が必要だったりして、乗り出し価格が国産車より数万円高くなるケースが多いです。

部品代はモノによっては高いが、タイヤなどは国産と変わらず

パーツによって異なるものの、部品代も国産車より高めです。数年または数万kmで交換が必要なフィルター、ガスケット、ベルト類などの消耗品は、国産車より少々高い程度。タイヤやチェーンは同じサイズが国内にあるのであまり心配は要らないでしょう
万一壊れた場合も正規輸入車は保証がしっかりしており、保証期間内であれば修理費は安心です。

また「部品が手に入りにくい」「入荷が遅い」と心配する声もあります。消耗品など需要の多いパーツはまず在庫があると考えていいです。ただし修理部品の在庫がない場合、本国から取り寄せになるので、いつ届くかはケースバイケースとなるでしょう。数週間あるいは数ヶ月の場合も考えられます。

車格が日本人向きじゃない車種もあるが、乗りやすいモデルも

「ビギナーが外国車に乗るのは難しい」というのもよく聞く話です。ユーザーのターゲットが欧米だった場合、車格、ライディングポジションなどが日本人には合わない場合は確かにあります。またストップ&ゴーが多く、曲がりくねった道路が多い日本と、ほぼノンストップで直線が多いアメリカと比べれば、使用環境が全く違います。

とはいえ、こうした個性こそが国産車にはない外国車に乗る醍醐味。また、小排気量モデルを中心に小柄な人でも乗りやすいモデルも存在します。ショップで実物をまたがらせてもらうか、試乗会に参加してから購入するのがオススメです。

[まとめ]コスパ重視なら国産だが、個性を重視したい人にオススメ

外国車は、購入時にかかる額をはじめ、整備工賃など乗り続けていくうちに差が出る部分がお高めではあります。コスパや利便性を重視するなら国産車を選んだ方がいいでしょう。しかし、それを補って余りある魅力があるのが外国車。その魅力にどこまでハマれるかで選んでみてはいかがでしょうか。

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