スタイリッシュ&便利! 長く付き合える俊足コミューター!!

いま、125ccスクーターの世界が静かに熱を帯びています。燃費や維持費の安さに加え、最新モデルは快適装備や走行性能まで磨き上げられ、単なる“移動の道具”を超えた存在へと進化しているのです!

そんな中でヤマハが送り出すシグナス グリファスは、長年愛されてきたシグナスシリーズの最新形です。軽快な取り回しと、ブルーコア水冷エンジンが生み出す力強くスムーズな加速。街乗りのストップ&ゴーから郊外の流れの速い道まで、思わず“もっと走りたくなる”フィーリングが魅力となっています。

見た目はスタイリッシュで実用的。しかし、その中身にはスポーティなDNAが息づいています。日常を快適に、そして少しワクワクさせてくれるシグナス グリファスの魅力を、これからじっくり紹介していきます。

名門”シグナス”の看板を背負い 磨き上げられた見た目と内容!!



ヤマハ「シグナス グリファス」は、125ccスクーターの名門「シグナス」シリーズの最新世代として2021年に登場したモデルです。 初代シグナスXが2003年にデビューして以来、約20年にわたりヤマハの125ccスポーツスクーターを代表する存在として愛されてきたシグナスですが、このグリファスはそれまでの流れを継承しつつ、大きく刷新された意欲作となっています!

なぜ「シグナス グリファス」は登場したのか。その背景には、125ccという排気量クラスの特殊な立ち位置と、変化し続けるユーザーニーズが関係しています。

125ccは、いわゆる「原付二種」に分類され、維持費が安く、通勤・通学に便利で、かつ法的には高速道路の使用こそできないものの、60km/h制限がなく、二段階右折の義務もないという大きなメリットがあります。都市部を中心に、実用性を重視するユーザーに支持されている排気量帯であり、かつては“ビジネススクーター”や“原付の延長”としての役割が強かったものの、近年ではスポーティなモデルや、より高性能・高機能なモデルを求める傾向が強まってきました。

特に、台湾・東南アジア諸国では125〜150ccクラスのスクーターが主力となっており、その技術開発やデザインの流れが日本市場にも強く影響を及ぼしています。シグナス グリファスが搭載する水冷・4バルブ・ブルーコアエンジンも、そうした国際的な需要と競争を背景に生まれた新世代パワーユニットです。従来の空冷2バルブエンジンに比べて出力・燃費・環境性能のすべてが向上しており、“グリファス”という新たなネーミングを与えるにふさわしい進化を遂げました。

筆者が自動二輪車を取得した80~90年代を思い返すと、今一つパッとしなかった原付二種区分ですが、現在ではもはや主力コミューターといえるセグメントに成長したのです!

『シグナス』って昔からありますよね? 実際のところどのようなモデルなの!?



ここで改めて、「シグナス」という名前の歴史にも触れておきましょう。初代「シグナス」は1982年に登場したスクーターで、当初は排気量180ccのモデルだったのですが、1984年には125ccモデルの初代にあたるシグナス125が追加されています。 街乗りにちょうど良いサイズと機能性を兼ね備えたモデルとして多大な人気を得ることができ、その後、2000年代に入ってからは台湾ヤマハとの共同開発により、125ccクラスのグローバルモデルとしての進化を遂げます。

特に2003年登場の「シグナスX」は、スポーティなデザインと走りの良さで多くの若者やカスタムユーザーの支持を集め、日本国内だけでなくアジア市場でも大ヒット。以降、約20年にわたって「X」の名を冠するモデルが続いてきました。モデルチェンジを重ねながら、LEDヘッドライトやデジタルメーターなどの装備を充実させつつ、徐々に現代的なスタイルと快適性、さらには燃費性能を高めていったのです。

そんな歴史を持つシグナスシリーズに対して、グリファスは“再定義”とも言える新たな挑戦です。2021年に発表されたグリファスでは、従来の空冷エンジンを完全に刷新し、冷却効率の高い水冷エンジンを採用。これにより、高回転域の伸びや、発進時の鋭さ、さらには熱ダレのしにくさなど、あらゆる走行シーンでの性能向上が図られました。

また、フレームも新設計の軽量ボディとなり、取り回しやすさと剛性のバランスが改善されています。シート下のラゲッジスペースも十分な容量を確保し、スクーターとしての実用性を損なうことなく、全体の質感もワンランク上に引き上げられています。LED化された灯火類、液晶メーター、スマートキーなどの装備も現代的で、通勤通学用としてはもちろん、ライトツーリングにも対応できる実力が備わっています!

実はシグナス グリファスの開発背景には、日本市場における125ccユーザーの多様化がありました。単なる“便利な移動手段”ではなく、バイクとしてのスタイルや性能にもこだわりたい、そんな声に応えるため、ヤマハは従来の延長線上ではなく、思い切ってモデル名まで一新するほどの変化を選びました。

ちなみにグリファス(Griffus)という名は、ギリシャ神話の聖獣「グリフィン(Griffin)」に由来するとされており、力強さと高貴さの象徴でもあります。その名にふさわしく、日常を走るだけでなく、ライダーの所有欲を満たすだけの質感と性能を備えた一台。それが、ヤマハ・シグナス グリファスなのです。

走ってわかる完成度の高さ! スポーティでありながらコンフォータブル!!



グローバルセグメントとして成熟した原付二種クラスのスクーターなので、地球上を見渡すとたくさんのライバルモデルが存在しています。 そのような中において、シグナス グリファスを選ぶ意味や、魅力を探るために今回実際に触れたのですが、まず跨った瞬間に、“ピッタリサイズ”感が強く伝わってきました。

両脇をシェイプされた上、高さを抑えられた足つき性が良いシートに関してはもとより、ハンドルやステップボードの位置関係も万人受けするように設定されています。 身長177㎝、体重70㎏の筆者の場合、このクラスのスクーターだと窮屈に感じられることも多いのですが、それがありません!!

さらに走らせてみて分かったのは、フロントタイヤの見切りが良いことと、ライダーの着座位置に対してリアタイヤの場所が絶妙であることです。

ブレーキのタッチや効きも十分であり、リアブレーキを使用した際には前後連動となることと大径タイヤを採用しているため、故意に操作する以外では、そう簡単にロックすることもありません。

通勤通学に使用することが多いこの手のスクーターは、狭い駐車スペースを強いられることもあることと思います。そのような時でも、取り回しが良くスイスイと軽々と扱える点は大きなメリットとなっています!!

走りが光る質実剛健な基本設計と利便性の高いパッケージの二段構え!!



NMAXXMAXX FORCEなどにも採用されているヤマハ・ブルーコアエンジンは、静粛性にや燃費に優れているだけでなく非常にパワフル。駆動系のセッティングも上手くチューニングされており、スタートダッシュの瞬発力がありながら、快適な巡行走行も両立しています。 しっかりとしたトルクがあるのでタンデムライドも問題なくこなすことができると思えましたし、特に交通の流れが速い幹線道路でもストレスがないだけでなく、むしろ流れをリードして走れたことには嬉しく思えました。

ワインディング的な場所にも持ち込み。コーナーを攻めるような走らせ方もしたところ、若干フロントフォークストローク量が少ないかとも感じましたが、スクーターと言うパッケージを考えると致し方ないと思える範囲です。

そのようなことよりも、シート下のユーティリティスペースの開錠はイグニッションキーがオンでもオフでもできることや、USB電源ソケットが装備されていること、タンデムグリップがしっかりしており荷物を括り付けやすいなど、スクーターとしての利便性の高さがしっかりと考えられていることの方が光ります!!

独断と偏見で伝えたい ”勝手にGood&Bad!!” テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド。

◆Good:ステップボードの形状が絶妙!!

足の置き場の自由度が高いウオークスルータイプのステップボードであり、しかもフロントカバー側にも足を投げ出して置くことができるような作りとされていることがとても良いです。 NMAXをはじめ最近のスクーターはセンターアーチを設けることが多く、それも良いのですが、利便性の高さではウオークスルータイプに軍配を挙げます!

◆Bad:メーターが意外と見にくい?

メーターの取り付け角度やラウンド形状のカバーの問題からか、はたまたライダーの体格とのマッチングか、走行中にメーター内の表示が若干見えにくく感じることがありました。 もしかすると意外とアナログメーターの方が視認性は良いのかもしれません。

カスタムパーツも豊富なので 自分仕様の一台を作り上げるのも良いですね!!





今回の試乗テストを終えた後、家の近所でかなりカスタマイズが施されたシグナス グリファスを見かけました。 それがえらく格好良かったので、ウェビックでアフターパーツを調べてみたところ、外装、マフラー、足回り、駆動系などなど、ありとあらゆるカスタムパーツがあることが分かりました。

そのまま乗っても十分魅力的なパフォーマンスを備えているシグナス グリファスですが、世界に一台だけの”俺仕様”を仕立て上げるのも楽しみとなりそうです。

なんといっても軽量コンパクトでストレスのないパッケージングは、毎日付き合う相棒としてもってこい!! できれば新車での購入をお勧めしたいところですが、中古マーケットでの流通量も豊富なので、予算に応じた一台を探すのも良いですね!!

シグナス グリファスの基本スペックをチェック!

シグナス グリファス[2025]主要諸元
・全長×全幅×全高:1,935×690×1,160mm
・ホイールベース:1,340mm
・シート高:785mm
・車重:125kg
・エンジン:水冷4ストローク単気筒SOHC 124cc
・最高出力:12PS(9.0kW)/8,000rpm
・最大トルク:11Nm/6,000rpm
・燃料タンク容量:6.1L
・変速機:Vベルト無段階変速
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-12、R=130/70-12
・価格:37万4000円

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