普通自動二輪免許で乗ることができるホンダのフラッグシップロードスポーツバイクCBR400R。
年齢性別問わず幅広い層から支持されているモデルです。
その源流を遡って調べていくと1983年に登場した初代CBRであるCBR400Fや、1986年のCBR400Rに辿り着きます。つまり昭和のニオイがプンプンするのです。
それってもしかすると超ロングセラーであり、すごいことじゃない?
今回は最新型CBR400Rをピックアップし、どうして長い間愛され続けてきたのかを探ってみることにしました。
目次
フルカウルスポーツバイクはやっぱりカッコいいのだ!
このモトガイドの企画が立ち上がる際に、担当さんから「あまり走りのインプレッションぽい内容にしないでください」と念を押されていたのですが、フルカウルスポーツバイクとなると少々乗り味や走行性能面などについても触れなくてはならないと思っています。
しかも個人的な話で恐縮なのですが、実を言うと私自身、今から30年ほど前の高校生時代にCBR400RRというモデルを所有していたことがあるのでCBR400Rには思い入れがあるのです!
レーサーレプリカバイクファンだった私はフルカウルスポーツモデルが大好物。だってシャープなラインと無駄のないボディワークはスーパーカーみたいでカッコよく目に映ってしまうのだもの……。
それでは最新のCBR400Rにフォーカスを絞ってどのようなモデルに仕上がっているのか探っていきましょう。
イマドキはツインエンジンがトレンドなのよ!
先述したようにむかーしむかし私はCBR400RRというバイクに乗っていたのですが、それは並列4気筒エンジンを搭載していました。そのCBR400RRというモデルは90年代中盤に姿を消し、現在に繋がるCBR400Rは2013年に登場するわけですが、このモデルは並列2気筒エンジンを採用しているのです。
ここで大きなジェネレーションギャップが生まれてくるわけで、旧型ライダーな先輩たちの中には「CBRは4気筒でなくちゃ」などとおっしゃられる方もいたりして、正直に白状するならば、2013年にCBR400Rが登場した時に私も若干そのように感じたことを覚えています。
ただ、今回CBR400Rを紹介するにあたり車両に乗ってみて驚きました。現行モデルに搭載されている並列2気筒エンジンはしっかりと熟成を感じさせてくれる上に最高に扱いやすく、それでいながらパワフルでエキサイティングな特性となっているのです。
さすが日本が世界に誇るエンジン屋、ホンダ!!
デフォで超絶ウマい!!極みを感じさせる1台!!
いつものように青山にあるホンダ本社ビルでCBR400Rを借用し走り出した瞬間ビビッときました!「コイツは乗りやすい!」
やや上体を前傾させるライディングポジションを強いられるセパレートハンドルであるにもかかわらず、リラックスした姿勢で走らせられること。
エンジンは低回転域からしっかりとしたパワーとトルクがありながら、高回転まで気持ちよく吹け上がること。
なので街中で走らせていてもとてもスポーティで快適。さらに高速道路に持ち込めば、小排気量よりも格段にパワフルで、大排気量のように扱いきれないという感じでもないので、思い切ってギュンギュンと走らせることができる。
2024年3月に行われたマイナーチェンジでは新型カウル、ヘッドライト、テールランプなど外観を一新しているのですが、カウルの形状もよく考えられており、不快な走行風をいなしてくれます。さらにはトラクションコントロールを標準装備するほか、スイッチ類も扱いやすく新たに採用した5インチフルカラーTFTメーターではスマートフォンとの連動も可能となりました。
もはや至れり尽くせり申し分なし!
幅広い体格で扱いやすいちょうど良いサイズ感!
フルカウルスポーツモデルはシートが高めに設定されている場合が多いのですが、CBR400Rは785mmと低めに抑えられており、車体もスリムで車重も軽量。身長177cm、体重70kgのテストライダーではべた足で、跨ったまま取り回しすることも楽々こなせてしまいます。
本当に400ccクラスとは思えない気軽さを持ちながら、しっかりとした運動性能を備えているので、乗るのが楽しくて仕方ないのです。
スポーツバイクの入門用としてハナマル。なんならサーキット走行も最高です!
約1週間に渡りほぼ毎日乗り回してみたところ、毎日の通勤や通学、ソロや仲間とのグループツーリング、これらは完璧にカバーすることが分かりました。
そして重要なことなのですが、特に”ワインディングロードでのスポーツライディングが超絶楽しく気持ちいい!”のです。
元々峠小僧出身の私としては、辛口コメントをつけてやろうと意気込んでいたのですが、まあなんとも非の打ち所がないのです。
良く動くサスペンションやグリップの良いタイヤのおかげで吸い付くような接地感があり安心して一気にフルバンクまで倒し込めますし、なんならシャシーとタイヤ、ライディングポジションのバランスが良いおかげでほとんど車体を寝かせなくても曲がっていってしまう。
エンジン特性も扱いやすくスロットルワークに対する反応が気持ちいい。このトータルバランスの高さにははっきり言って脱帽です。
免許を取得したばかりのビギナーでも、長年バイクに慣れ親しんだエキスパートでも、メロメロになってしまうこと間違いなし!
必要にして十分な装備。もはやベストオブベスト400
スマートフォンのマップやミュージックアプリなどの操作を可能にする5インチフルカラーTFTメーター、CBRシリーズのアイデンティティーであるLEDデュアルヘッドライト、ハザードランプを高速点滅することで急ブレーキをいち早く後続車に伝えるエマージェンシーストップシグナル、などなど。贅沢過ぎる数々の装備。
独断と偏見で伝えたい”勝手にGood&Bad!!”
【テストライダー小松男が独断と偏見で決めるグッド&バッド】
グッドはちょうどよい垂れ角のセパレートハンドルからなるライディングポジションと走行中の景色。スポーツライディングを楽しめるのですが、目が三角になるような果敢な感じではなく、あくまでもスマートに、しかも速く駆け抜ける感じを誘ってくれ、イマドキポイントだと思いました。
もはやCBR400Rにメロメロ状態になってしまっていたためバッドポイントを見つけることができるかと心配になるほどでしたが、強いて上げるならば、荷物の積載時にネットやコードをひっかけられるような、いわゆる”荷掛けフック”がないので、それがあると便利だと思いました。
とはいえスポーツバイクに求めるようなポイントでもないのです。
もう一度言います。CBR400Rに完敗です!
便利で快適、しかも楽しい。これほどバイクが良くて打ちのめされることは少ないです。
オジサン的には重箱の隅をつつきたい気持ちもあるのですが、それすらもさせてくれない。
良くできていることを”ツマラナイ”と感じるのかと思っていましたが、そうではなく”タノスィー! キモチイー!”だったのです。
はっきり言って完敗すぎて悔しさも感じませんでしたね。CBR400Rのオーナーである皆さん、間違いない選択でしたね。これからCBR400Rを買おうかなと考えている皆さん、豊かなバイクライフが待ち受けていますよ。
よってCBR400Rは幸せバイクに認定!
CBR400R[2024]主要諸元
- 全長×全幅×全高:2,080×760×1,145mm
- ホイールベース:1,410mm
- シート高:785mm
- 車重:191kg
- エンジン:水冷4ストローク並列2気筒DOHC 399cc
- 最高出力:46PS(34kW)/9,000rpm
- 最大トルク:38Nm/7,500rpm
- 燃料タンク容量:17L
- 変速機:常時噛合式6段リターン
- ブレーキ:F=ダブルディスク、R=ディスク
- タイヤ:F=120/70ZR17、R=160/60ZR17
- 価格:86万3500円
ウェビックバイク選びでバイクを探す この他のモトガイドを読む
この記事にいいねする