新車で買えるカフェレーサー! 正統派英国スタイルからモダンクラシックまで【ロイヤルエンフィールド コンチネンタルGT650】

PHOTO:長谷川 徹・高島 秀吉

カフェレーサー。これは、多くの世代のライダーに突き刺さる魔法のキーワード。このスタイルを大切にしているのが、ロイヤルエンフィールドのコンチネンタルGT650です。1901年にイギリスでスタートしたロイヤルエンフィールド現在はインドのメーカーですが、研究・開発をイギリスでも続け、1950〜60年代の英国スタイルを現代に継承し続けているのです。

ハリスフレームに空冷パラレルツインエンジンを搭載!

少し低めのハンドルに手を伸ばし、少し長いタンクを抱え込む。バックステップに足を乗せ、軽いクラッチを握ってギヤを1速に送り込んでスロットルを開けると、空冷ツインは小気味よく回転を上げ、スロットル操作に忠実に加速します。

僕は2020年くらいから頻繁にコンチネンタルGT650に試乗を続けていますが、この何気ない動作が常に気持ちよく、走り出した瞬間から身体に良いリズムが刻まれます。今回はモダンなスタイルのアペックスグレーを借り出しましたが、メッキタンクにスポークホイールを組み合わせた正統派英国クラシックをイメージさせるカラーであるミスタークリーンを用意するなど、カラーバリエーションはとてもロイヤルエンフィールドらしいラインナップになっています。

一番人気のミスタークリーンはメッキタンク&スポークホイールを採用。23年モデルから左右レバーに調整機構を設け、クラッチレバーの下にUSB電源ソケットを装備しています。

キャストホイールを標準装備するアペックスグレー。エンジン&マフラーをブラックアウトすることで静観かつモダンな印象に仕上げています。

存在感のある空冷648ccパラレルツインエンジン。47ps/7150rpm、52.3Nm/5150rpmのスペックを発揮しますが、数値にとらわれない速さと気持ちよさが魅力です。

エンジンは空冷648ccのパラレルツイン。デザインの中でも大きなアクセントになっている大柄なエンジンは、味気ない水冷エンジンとは異なり趣があります。眺めていても磨いていても美しいエンジンには愛着が湧きます。デザインは往年の名車を感じさせますが、中身は最新。これがロイヤルエンフィールドの空冷エンジンなのです。

ちょっと専門的な話になりますが、昔のパラレルツインはクランク位相が180度や360度でしたが、ロイヤルエンフィールドは270度を採用しています。これはヤマハMT07やスズキGSX-8、トライアンフの最新ツインシリーズなどと同様で、この不等間隔爆発に独自アレンジを施すことで、乗り味にも趣を出しているのです。

そのエンジンをハリスパフォーマンスのフレームに搭載。ハリスは往年のシャシービルダーで、スズキやヤマハのエンジンを搭載したWGP500レーサーやドゥカティのレーサーなどを手がけたイギリスの名門です。現在はロイヤルエンフィールドの傘下でシャシー開発を手がけています。

フレームは、往年のダブルクレードル形状がクラシックな雰囲気ですが、ハンドリングも現代のクオリティで徹底追求。しなやかで確実にライダーの操作を手応えとして返してくれる反応の良さは特筆です。

市街地のクルージングが気持ちよく、早朝の横浜を流してみました。この速度域でしっかりとバイクとコミュニケーションが取れるのが良いのです。

市街地に佇む姿も絵になります。

今となっては珍しい2眼メーター。安心感があり視認性の高さも好印象。

クラッチレバーの下側にはUSB電源ソケットも装備します。

どんなシーン、どんな速度域でもカッコ良くて気持ちが良い

ストップ&ゴーを繰り返す市街地でも走っていてストレスがどこにもありません。アペックスグレーは外装以外をブラックアウトし、キャストホイールを履くモダンなスタイル。左右どちらからみても絵になるスタイルなだけに、市街地の片隅に停めていてもスッと景観に溶け込みます。

648ccのバイクにしては車格は大柄で、取り回しや引き起こしでは確かに重量感もあります。しかし、それが走り出すと安定感や手応えに繋がるのです。2眼メーターの奥に広がる景色もノスタルジック。速度に限らず、気持ちよさがあり、街中クルージングが快適です。

高速道路に乗ってワインディングを目指します。100km/h、120/h巡行ではどこにもストレスがありません。速度が乗り、重たいフライホイールとクランクに回転が乗ると、ジャイロ効果が働き、車体に安定感をもたらしてくれます。直進安定性はすこぶる高いのです。脈動を伴う気持ちの良いフィーリングは高速道路でも健在。思わずスロットルを開け続けたくなります。

そして、ワインディングでコンチネンタルGT650は、さらに輝きを増すのです

車体の中でエンジンの占める割合が大きく、それが存在感を確立しています。

左側から見ても絵になるのは、カッコいいエンジンを搭載しているから。

丸いヘッドライトにセパハンが雰囲気。

マフラーは左右2本出し。ハンドルは思ったほど低くないので安心を!

良いハンドリングとは何か?それがわかる

コンチネンタルGT650は、コーナリングが大得意です。前100サイズ、後130サイズの細身の前後18インチタイヤが生み出すハンドリングは、ライダーの思い通りに軽く曲がれる感性があり、難しさを感じさせません。思い通りのラインをトレースできる自由度の高さは、ストイックなスポーツバイクにはないスポーツ性に溢れています。

少しペースを上げて積極的に荷重を与えてみても、コンチネンタルGT650はきちんと応えてくれます。サスペンションやブレーキの穏やかな動きもさることながら、ハリスフレームの応答性のよさが光るのです。ちなみにアペックスグレーは、キャストホイールが標準装備ですが、他にスポークホイール仕様のカラーも用意。スポークの方が乗り味はしなやかでしっとりとしたフィーリングを持っているので、そのあたりも考慮して選ぶと面白いかもしれません。

峠に入ると生き生きとするコンチネンタルGT650。ライダーの操作をしっかりと受け止めてくれます。

リヤショックはオースドックスな2本サス。コシのある動きでスポーツライディングを許容。

正立フロントフォークにシングルディスクの組み合わせ。穏やかで扱いやすい特性です。

容量12.5Lのスチール製燃料タンク。

長距離を走っても疲れにくいシート。ロイヤルエンフィールドは全車シートのクオリティが高いです。

様々なライダーにフィットしやすいように、左右レバーには調整機構を装備しています。

ロイヤルエンフィールドのスローガンに「ピュアモーターサイクリング」「ピュアスポーツ」がありますが、峠を走っているとそれをすぐに体感することができます。

実はロイヤルエンフィールドはインドやアメリカでコンチネンタルGT650を使ったワンメイクレースも開催。このあたりはYouTubeで探すことができるので、興味のある方はご覧になってください。また、僕はコンチネンタルGT650で毎年5月に開催されている「鉄馬」というレースにも参戦。そのスポーツ性を謳歌しています。

コンチネンタルGT650で一般道からサーキットまで様々なシチュエーションを走ることで、フルカウルや大パワー、キツイ前傾姿勢に挑むばかりがスポーツライディングでないことを教えてくれます。等身大のスポーツバイク、それがコンチネンタルGT650なのです。

カラーリングによってガラリとイメージが変わるコンチネンタルGT650。モダンにもクラシックにも楽しめます。

毎年5月に九州のHSRで開催されている「鉄馬」というイベントレースに参戦しているコンチネンタルGT650レーサー。

足まわりをセットし、軽量化を施せばサーキットでも十分なポテンシャルを発揮します!

コンチネンタルGT650のカラーバリエーションを紹介

 

 

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