
【文:沼尾 宏明】
原付二種(51~125cc)クラスは、スクーターのみならず、バイク=モーターサイクルのラインナップも充実しています。250ccのバイクとどちらを選べばいいか迷っている人も多いかもしれません。このクラスのバイクを選ぶメリットや楽しさを解説していきましょう!
目次
250よりダンゼン軽い!さらに足着きがいい12インチも選べる
ひと昔前、125ccと言えば通勤に便利な原付二種スクーターというイメージが強かったですが、近頃はグロムを皮切りにホンダからモンキー125、ダックス125、CB125Rらが登場。スズキもGSX-R125、GSX-S125などを展開し、ついに2023年からヤマハがYZF-R125、MT-125、XSR125を市販することになりました。
見映えも立派で、1クラス上の250ccクラスと見間違えるほどです。こうしたスクータータイプではない、原二モーターサイクルは250ccとどう違うのでしょうか。
まず250クラスより大幅に軽いです。車体のサイズは、オンロードモデルで前後17インチホイールを採用していれば、さほど大きく変わりません。しかしが車重がとても軽い。250cccも気負わず走れる排気量帯ですが、125ccクラスはさらに車重が軽く、取り回しや走りが一層イージーです。
バイクで最も重い部位はエンジン。排気量が大きいほど、これを支えるフレームも頑丈さが必要にになり、車重が重くなります。また、250では並列2気筒、125は単気筒が多いのですが、この気筒数が多いほどエンジンが重くなり、車重も増します。
例えば250cc単気筒のCL250(ホンダ)は172kg。同じくホンダで125cc単気筒を搭載するCB125Rは130kgで、CL250より42kgも軽い。
また、並列2気筒250ccのMT-25(ヤマハ)と、単気筒125ccのMT125(同)では29kgもMT125の方が軽いのです。
これだけ車重が違うと、極低速や停止時にフラついても支えいやすいです。
オンロードモデルで主流の17インチホイールを採用する場合、125と250のシート高はほぼ同じです。しかし前後12インチホイールを採用するダックスやモンキー125、グロムは足着き性が非常にいいです。250のモーターサイクルでは見られないホイールサイズなので「250だと足着きが不安・・・・・・」と感じている人にオススメできます。これもまた125ccバイクを選ぶ大きなメリットです。
パワーは250よりさすがに低めだけど、独特な楽しみが!
パワーに関しては、250ccと比べるとやはり劣ります。250ccは単気筒で25ps前後、2気筒は35ps程度。125ccは最大でも15psなので、力強い走りを求める人は250ccがオススメでしょう。
ただし、125はパワーがない分、スロットルを多少ラフに扱っても大丈夫(あくまで多少です)。ミスして大きくスロットルを開けてしまっても何とかなるシーンは多いハズ。操作に神経質にならずに済むので、これも運転の気軽さにつながっています。
また、スロットルを大きく開けられるのはバイクの醍醐味の一つで、実際のスピードはさほど出ていなくてもスポーツしている気になれます。
一方、125ccで速く走るにはワザが必要。シフトチェンジを駆使して、高回転を維持しながら走るテクニックが求められます。特にエンジン回転数が落ち込むコーナリングではいかに回転を落とさずに走るかが重要。これは250とは一味違う125の楽しみでもあるのです。
もちろんビギナーにとって250でも十分なパワーがあるので、125で慣れておいてから250にステップアップするのは賢い方法です。
車両価格もランニングコストも125は安く済む!
国産250クラスは本体価格50万~60万円台がボリュームゾーン。一方125クラスは40万~50万円台が多いです。なおホンダのモンキーやグロム、ダックス125はよりリーズナブルで、本体価格40万円程度から購入できます。
さらに見逃せないのが維持費の安さです。自賠責保険は250とほぼ同じなのに対し、任意保険が非常に安い。125cc以下なら、クルマの保険とセットにできる「ファミリーバイク特約」が使えます。ただし、ファミリーバイク特約は基本的にロードサービスを使うことができないため注意が必要です。
燃費も250より優秀。250cc2気筒がリッターあたり20km台なのに対し、125cc単気筒は50km台だったりすることも(いずれもメーカー発表値)。つまり125はガソリン代が半分で済む場合もあるのです。
海外では実は250よりラインナップが充実!
外国車などの海外に目を向ければ、実は250ccクラスよりラインナップが豊富だったりします。欧州やアジアではクルマの免許で125ccまで乗車できる例が多く、125ccバイクはグローバルに展開されています。
また、海外では日本のような「250cc」という排気量のカテゴリーで免許や保険が区分されておらず、最高出力で区分されています。そのため世界的に見れば250よりラインナップが豊富です。
欧州メーカーでは、MUTTモーターサイクル、LEONART、FANTIC、SWM、FBモンディアルなどが125ccバイクを販売。日本にもデリバリーされています。
ちなみに海外で300ccクラスのバイクを、日本向けに250ccまで排気量ダウンさせて販売する例もあります。そして、中には125の方が豪華装備だったりする場合も。KTMの125DUKE。上位版の250DUKEがモノクロ液晶なのに対し、125はカラー液晶を採用しています。
【まとめ】
車格は250に近いのに、軽くて扱いやすさが特徴の125ccクラス。テクニックを磨いてスポーツ走行する楽しみもあります。世界に目を向ければ250より様々なバイクが存在しますし、実に楽しいクラスです!125ccのバイクを見る
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