初めてのバイクを買った人が初めての工具を買うときに知っておいた方が良い話

初めてバイクを買う、初めてバイクを買った、という段階で少しずつ気になり始めるのがメンテナンスやカスタムについてのモヤモヤした疑問、ではないでしょうか?
基本的には、自分の整備スキルや知識で賄えないような事柄は買ったお店に相談すればプロに作業してもらえますので、そこまで心配をする必要はありません。

しかし、日々の洗車などの延長上で、簡単な整備にもチャレンジしてみたいとか、そんなに複雑そうなカスタムパーツでなければ自分で取り付けたりもしてみたいとか、 そんな向上心とも言える気持ちを持っているあなたに「こんなはずじゃなかった...」という思いをできるだけさせないように、初めての工具選びにまつわるTIPSをお伝えします。

まず初めに、工具って何を買えば良いのか?

結論から言うと、ある程度の種類の工具が『セット』になったものを買うのを基本としてください

セット工具

コダワリのある方であればドライバーやレンチなどを個別に揃えていくのも良いのですが、これから取り組もうと考えている作業に「プラスのドライバーと12mmのレンチが両方必要」、「裏側を10mmのレンチで抑えつつ、#5のヘックスで回す」といった具合に複数のサイズ、複数の種類の工具を使って作業することは珍しくありません。
作業に必要となる工具をピンポイントでゼロからその都度買い足していこうとすると、作業に必要な工具を見落としてしまったりするだけで、作業が中断してしまう可能性があります。

そのため、まずは概ね『50ピース程度』の工具が揃った工具セットを買うのが近道でしょう。
価格帯としては、ホームセンターなどにおいてある格安の工具セットであれば、おそらく50PCSで1万円台から。
バイクやクルマを趣味とする人が買う、スタンダードな工具セットであれば50PCSで3万円から5万円くらいの価格帯が目安です。

セット工具

雑誌やネットで勉強しつつ、本格的な整備やカスタムにもチャレンジしてみたいのか、それとも、ちょっとしたメンテナンスだけできれば良しとするのかで価格帯は決定してしまって大丈夫です。
車両にも寄る部分がありますが、オイル交換やレバーを社外品に交換するといった程度であれば安価な工具セットでも大きな問題はありません。

価格帯の他に気をつけて欲しいこと その①

今回、主にお伝えしておきたいことは、これから買おうとしているバイク、もしくは買ったバイクのメーカーごとに必要な工具の種類が大きく分けて2種類あることです。
工具には日本車、欧州車の採用する「ミリ」規格と、主にハーレーダビッドソンに使用される「インチ」規格があります。

国産バイク  ハーレー

車両ごとにこの採用されている規格が異なりますが、基本的には「ハーレーダビッドソン以外のバイク」はほぼ「ミリ」規格。「ハーレーダビッドソン」は「インチ」規格を使用します。
プラスやマイナスのドライバー、ペンチなどの工具はミリもインチも関係なく使用することが出来ますが、せっかく工具を購入しても、購入した工具の規格が間違っていると、 スパナやメガネレンチはサイズが合わずにボルトを緩めたり締めたりすることが出来ません。異なる規格の工具を無理に使うと、ネジを壊してしまったりのトラブルにもつながってしまいますので要注意!

とは言え、どの規格の工具を買えばよいか、については凄くシンプルですのでご安心ください。

まず、基本的にはハーレーダビッドソンを買う、買った方は最初に揃える工具セットは「インチ」規格のものを購入してください。

それ以外のメーカーであれば、購入するのは「ミリ」規格の工具です!
簡単でしょ?
(ハーレーでもV-RODというシリーズやSTREET750などのちょっと古い車両はミリ規格、という一部の例外もありますが...)

価格帯の他に気をつけて欲しいこと その②

上記、ハーレーダビッドソンは「インチ」、それ以外のメーカーは「ミリ」と規格について説明しました。
これに加えてもう一つだけ注意点!
一般的なネジやボルトはミリ規格・インチ規格を問わず、頭の部分に「プラス、マイナス」、もしくは「六角形の凹凸」がついています。⇩

国産バイク  ハーレー  ハーレー

しかし、主には欧州車を中心に「六角形で星型の凹凸」が頭の部分についたネジやボルトが存在します。これは「トルクス」と呼ばれる規格です。⇩

セット工具

BMWやKTMといったヨーロッパメーカーのバイクを購入する/された方は、一緒にこの種類の工具も揃える必要があります。

トルクスもサイズが複数種類あるので、トルクス規格のネジやボルトが使用されているバイクを購入した方は、下記のようなトルクス規格で一般的なサイズの工具がセットになったものを一緒に購入することをおすすめします。
ヨーロッパメーカーのバイクでは非常によく使われている規格のため、オイル交換のような初歩的なメンテナンスにおいても必要になります。

トルクスセット工具

トルクス規格は日本メーカーの車両やハーレーダビッドソンでも一部の箇所に使われているケースがありますが、車両が日本車であれば必要に応じて必要なサイズだけを単品で購入するというスタンスで十分です。

また、トルクス規格には「不用意に触らないほうが良い場所」に使う「いじり止めトルクス」と呼ばれるものが存在します。これは普通のトルクスの星型の真ん中に丸い突起が配置されているものです。

いじり防止トルクス

これを使ってある場所は重要保安部品であったり、非分解部品と呼ばれるエンドユーザーが分解することを想定していない部品等に用いられているケースが殆んど。
もしも何か作業をしようと思った場所にいじり止めトルクスが使われている場合、自分で作業をする前に車両を買ったお店に相談するようにしておきましょう。

まとめ

以上、これから初めてバイクを買う、初めてバイクを買ったという方向けに、最低限の工具選びをお届けしました。
いきなり高級な工具を揃える必要はありませんが、今回の記事の内容に目を通しておいて頂ければ、間違えて自分のバイクに使えない工具を買ってしまったり 作業中に足りない工具が出てきて作業が中断ということは少なくなると思います。

無理はせず、心配ならお店に相談しながら自分のペースで整備やカスタムを覚えていくのも楽しいバイクライフですよ!

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