
カワサキ ZX-25Rや話題のZX-4Rで初めて並列4気筒を知り「並列4気筒のバイクって何が魅力なの?」「他にどんな車種がある?」と興味を持った人もいるかと思います。
そこで、ホンダ ホーネット250に5年近く乗っている筆者が、250cc並列4気筒のバイクのメリットやデメリット、代表的な車種をご紹介します。
目次
250cc並列4気筒エンジンの魅力とは?
イケてる点
音が良い!
まずなんといっても法定速度内で高回転域が楽しめます。大排気量車は低いギアだったとしてもエンジンが高回転になる前に法定速度に達してしまうことが多く、フルスロットルの全開走行は一般道ではあまりできません。
しかし、250cc並列4気筒エンジンは低いギアであればどんなに高回転で回して走っても法定速度内で収まるスピード走行することが出来ます。また高いギアで高回転まで回してあげればしっかりとスピードも出る一石二鳥なエンジンです。
高回転まで回して走ると甲高いレーシーなエンジンサウンドを奏でてくれるところは、一度聞くと病みつきになってしまいます。
車検がない!
250ccの全体のメリットになりますが、車検がないので車検の際にわざわざ純正の仕様や車検に通る仕様に戻す必要がありません。そのためカスタムが気軽に自由に行えます。
『車種名 カスタム』で検索をすると、フルカウル仕様にしたりカフェレーサー仕様にしたりと自由にカスタムされている車両を見ることが出来ます。
並列4気筒なのに軽い!
排気量や気筒数が増えると、構造上部品が大きくなったり増えたりするため車重が重くなります。しかし250ccの並列4気筒エンジン搭載車であれば、排気量が少ない分部品が小さくなり軽量になります。
初心者や女性でも扱えるフレンドリーなところがイケてる点です。
振動が少ない!
同じ排気量同士で比較すると、並列4気筒エンジンは単気筒エンジンや並列2気筒エンジンに比べて振動が少なく、高回転までスムーズに回りやすい特性をもちます。
気筒数が少ないエンジンは振動が大きく、エンジンのドコドコ感で体が疲れやすい特性を持っています。しかし並列4気筒エンジンはドコドコ感があまりないため、振動が少なく体が疲れにくい特性があります。
そのため長距離ツーリングに向いています。
イケてない点
低回転域のトルクが薄い
高回転域にトルクつまりパワーがあるため、低回転域のトルクが薄いです。このことにより、発進時アクセルワークによってはエンストしやすくなってしまいます。
250ccの中でも、2気筒や単気筒だとトルクがあり少し雑なアクセルワークでもモリモリ進んでいきます。
燃費が悪い
気筒数が増えると燃費が落ちる傾向にあります。やはり漏れなく250cc並列4気筒エンジンも同排気量帯で、気筒数別に比較すると燃費は悪くなります。
筆者が乗っているホーネットはリッター平均20-22キロと、他の気筒数の250ccの車両と比べると低いです。
代表的な車種紹介
ホンダ ホーネット250
ホーネット=スズメバチ、という名前を持つ250cc並列4気筒エンジンのスポーツバイクです。テールカウルに沿ったアップマフラーとワイドなタンク、リッタークラス並みの180mmのワイドラジアルタイヤを特徴とする躍動感と力強さあふれるボディデザイン。そしてカムギアトレーン水冷4気筒エンジンの俊敏なレスポンスと18,000回転まで回る伸びやかな高回転性能、車両重量168kgの車体に40馬力のエンジンを搭載しており、小さくても強力なスズメバチのイメージにマッチしています。
1995年秋の東京モーターショーに参考出品され、翌年の1996年2月に市販されたホーネットは、1980年代からのCBR250系の流れをくんでいるエンジンを搭載していました。しかし、2007年の排ガス規制に適合させずに、同年に生産終了し、11年のモデルライフに幕を閉じました。
▲張り出したワイドなガソリンタンク
▲テールカウルに沿ったアップマフラー
▲大型バイクに負けない180mm幅のワイドなタイヤ
▲カムギアトレーン方式が採用されていてるエンジン
ホンダ CBR250RR(MC22)
先述したホーネット250の兄貴分で、レーシー仕上がっているCBR250RR。
高次元・ヒューマンフィッティングと呼ばれるコンセプトに基づいて開発され、ライダーの操縦技術を問わず高いレベルの走りを楽しむことができる性能を目指しました。
ホーネット250と同様にカムギアトレーンを搭載しており、その独特な甲高い排気音とF1カーに匹敵するエンジン回転数から、「F1サウンド」と呼ばれ、今でも非常に人気があります。
また、1994年のマイナーチェンジで登場したCBR900RRのイメージを受け継いだトリコロールカラーは、所有欲をかきたてる一台です。
1988年に発売されたMC19型CBR250Rからのフルモデルチェンジ車で、1990年に発売され、数度のマイナーチェンジを経て2000年に生産が終了しました。
▲ホンダのみが名乗ることができるガルアーム。湾曲したこのスイングアームが特徴的
▲シート高は675mm。初心者や女性に扱いやすい高さ
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▲CBR250RR(MC22)
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▲CBR250RR(MC22)
足つき、オーナー評価
カワサキ バリオス2
1992年にデビューしたリアモノショック仕様のバリオスをベースに、低中速トルクを強化し、ツインショック化したのが、このバリオス2です。10年間にわたり、カワサキ250ccモデルの中核として活躍し、2007年に生産が終了しました。
バリオス2は、最高出力を1万4000回転で発生する高回転型の水冷4気筒エンジンを特徴としています。このエンジンは低中回転域でも十分なフレキシビリティを確保しており、独特なクレードル形状を持つ鋼管製フレームに搭載されています。スポーツネイキッドとして、流麗でコンパクトなスタイルと活発な走りが特徴です。
バリオス2は、オールステンレスバフ仕上げの集合マフラーやシート下の収納スペース、ハザードランプなど、ハイグレードで充実した装備も備えています。そのため、幅広いユーザー層から支持を集めています。
ホーネット250と同様に、バリオス2もシートの高さが745mmと足つきが良く、初心者でも扱いやすい一台となっています。
▲バリオス2のツインショック
▲フレームはダブルクレードル式を採用
スズキ バンディット250V
バンディット250は、1989年に新しいネイキッドバイクのシリーズ車種として発売されました。バンディット400と共通の車体を持ち、鋼管丸パイプを強調したダイヤモンド構造のフレームに4ストローク水冷4気筒エンジンを搭載しています。
バンディット250の特徴的な点は、純正仕様でセパレートハンドルとバーハンドルのいずれかを選ぶことができることです。この選択の自由さもセールスポイントとされました。
車名と型番の記号「V」は、可変バルブタイミング機構を備えた「VCエンジン」を搭載するモデルを表しています。難しいことは抜きにしてCB400SFの可変バルブのハイパーVTECのバルブ休止システムとは異なり、エンジンの回転数に応じてバルブの動きを切り替える4輪のVTECと同じメカニズムになります。これをバイクで、しかも排気量の小さい250cc4気筒モデルに搭載できたのは、優れた技術力の証です。これを搭載したのは唯一バンディット250Vだけなのです。
1995年にフルモデルチェンジを受けましたが、バンディット250は2000年まで生産が続けられ、通算10年以上にわたって販売されるロングセラー車種となりました。
▲可変バルブ搭載のエンジン
▲鋼管丸パイプを強調したダイヤモンド構造のフレーム
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▲バンディット250
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▲バンディット250
足つき、オーナー評価
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