
【文:沼尾 宏明】
世界的に超有名&大人気な「ハーレー」
一体何が魅力なのか知らない人もいるハズです。また、大きく重いイメージがあるけど、実際はどうなのか?ハーレーに興味はあっても“一歩”を踏み出せない人向けに解説します!
目次
ワイルドでセクシー、独自のスタイルが大きな魅力
シブくてカッコいいイメージがあるハーレーはとにかく知名度がバツグン
バイクをよく知らない人でも「あぁハーレーね」とわかるほどです。その人気はグローバルで、世界中に多くのファンを獲得。日本でも輸入車部門でずっと販売台数1位を記録しています。
歴史は古く、なんと1903年にアメリカで設立されました。今から120年前……。国内メーカーより断然歴史が古く、現存する米国のバイクブランドではインディアンに次いで2番目に長い歴史を誇ります。
その魅力はまずスタイルにあります。剥き出しになったエンジンと低く長い車体は、実にカッコイイ。古き良き時代を感じさせると同時に、無骨でアウトローらしさに溢れています。
この独特なフォルムは広く支持され、他社からも同様のフォルムを採用したモデルが登場。
「アメリカン」というジャンルを形成することになります。

ロング&ローのグラマラスなフォルムに、クロームメッキや黒で飾り立てた車体が映える。これがハーレーらしいスタイルです。
ハーレーの販売車両一覧を見るドコドコ感が愉快痛快なVツインエンジン!
第二の魅力は、独特な乗り味
歴代モデルのエンジンはほぼ45度Vツインと伝統的な構造を採用しており、昔ながらのドロドロした鼓動感や振動、サウンドが味わえます。
エンジンは低中速トルクが厚く、加速性能が優秀。街中でのダッシュや、高速道路の追い越しなども得意です。停止状態から400mまでの加速を競うゼロヨン競技が昔から盛んなアメリカらしいエンジンと言えるかもしれません。
2気筒なのは「広大なアメリカ大陸で目的地にたどり着くため」と言われています。
アメリカ大陸は広すぎて、幹線道路と言えども人が住んでいない区間が長い。こんな場所でエンジンにトラブルが起きると立ち往生してしまい、生命の危機につながります。
そこで、1気筒が壊れても残った1気筒で何とか走り続けられる・・・、そのための2気筒だったと語られています。

OHV空冷Vツインがシンボルでしたが、近年は水冷のスポーツスターやアドベンチャーモデルなどが登場。時代とともに変化はありますが、ドコドコ感などのフィーリングは継承されています。
Vツインエンジンのハーレーを見る巨体で扱えるのか心配だけど・・・意外と大丈夫
ハーレーは車体が大きく重いのが特徴なので、初心者は不安に思う人もいるハズ。確かに押し引きなどの取り回しは重いですが、走り始めてしまえばドッシリ安定し、意外にも不安感は少ないです。
たとえフラッとしても足が着きやすいのがポイント。車体が低いため、シート高も控えめな700mm前後が多く、中には600mm台もあります。エンジン幅も狭いため、重さはあっても足着きに困るケースは少ないハズです。
得意なシチュエーションは、郊外道路や高速道路などのクルージングです。これはスタイルとも関係していますが、車体が長く重く、重心が低いほど直進での安定性に優れます。
街中での小回りはやや苦手ながら、そのぶん高速道路を淡々と走るツーリングは大得意です。
また、コーナリングでの安心感も絶大。重心が低く設計されているため、転ぶ心配がないほど安心して曲がれます。

シート高が低いハーレーは、足着き性がいいので安心。最も低いブレイクアウト114はシート高665mmです。
シート高780mm以下のハーレーを見る運転するには他社とは少し違うコツが必要
一般的なバイクは減速時、後輪より前輪ブレーキを強くかけますが、ハーレーは後輪ブレーキを重視してかけることが重要です。これは車重のバランスが後輪寄りであることが理由で、フロントブレーキが2~3割、リヤブレーキが7~8割ぐらいのイメージになります。でないと「止まれない」なんて場面が出てきます。
また曲がる際はお尻を使っての体重移動が重要。リヤに重心があるため、後輪から曲がっていくイメージで、シートに体重を乗せるとスムーズに曲がれます。

アフターパーツは無限大? カスタムもハーレーの大きな魅力
もう一つの魅力がカスタムです。
車体の大部分を交換できるほど膨大なパーツが用意され、世界に一つしかない自分だけの愛車に仕上げることができます。
ハンドルやシート、マフラーといった簡単なパーツ交換のほか、スタイル全体も大幅に変更することが可能です。

バイクの楽しみであるカスタム。特にハーレーはフレームやエンジンを含め、ほぼ全ての部品をカスタム可能です。
ハーレーのカスタムパーツを見るハーレーはもはや文化、仲間意識やイベントがアツい
こうしたハーレー独自の世界観や文化も魅力の一つです。
創業から120年の間に様々なシーンに溶け込み、数多くの映画にも登場。こうした歴史を感じながら、ドコドコした鼓動感に揺られて走るのは、まさにハーレーならではの醍醐味です。
また、独自の世界観ゆえに仲間意識が強いのも特徴。出先で仲良くなりやすい上に、各ショップや地域でのツーリングも行われています。
加えて、ハーレー乗りが集まるイベントが大盛況です。
米国で代表的なのが「デイトナバイクウィーク」と「スタージス」。ともに世界最大級のバイクイベントと呼ばれ、ともに50万人規模という驚異的な参加者が集います。
日本国内でも「ブルースカイヘブン」というイベントが開催され、1万人規模が参加。他メーカーのイベントも多くありますが、動員数や熱量は圧倒的です。

メーカーによるバイクイベントとしては国内最大級のブルースカイヘブン。
ブルースカイヘブンの関連記事を見る高額なイメージだけど、100万円台のハーレーも存在する
ハーレーで気になるのが「値段」です。
戦後に超高額なバイクとして知られ、年配の方を中心に「高級」なイメージが浸透しています。
現在、外国車としては平均的~ややお高めといった印象でしょうか。というのも価格帯が幅広いのです。最も安価なソフテイルスタンダード(1745cc)が187万円、次点のナイトスター(975cc)は188万8700円~と100万円台から存在。全体的には200万円台後半が多く、最高峰の「グランドアメリカンツーリング」系は300万~400万円台となります。
2010年代中盤頃までスポーツスター883は、排気量にちなんだ「88万3000円」という戦略価格を実現していたのですが、徐々に価格が上昇し、安価なモデルは生産終了してしまいました。円高など様々な要因でバイクの価格は上昇していますが、100万円台のモデルが用意されているのはうれしい限りです。
ちなみに、ハーレーの女性人気は絶大のため、買いやすい一面も・・・。旦那さんが、奥様からバイクを買う了解を得る際、他メーカーだと難色を示す場合でも、「ハーレー」と知るとOKが出るケースが多いのです(実話)。

最も安いのがソフテイルスタンダードの187万円。装備がシンプルなのでカスタムするベースとしても最適。

2番目に安いのがナイトスターの188万8700円~。2022年に登場したスポーツスターの後継モデルで、新設計の水冷Vツインを搭載します。

3輪バイクを除いて最も高額なのがCVOロードグライドリミテッド(553万8500円~)。職人が1台ずつ仕上げるカスタム仕様で、豪華装備が満載です。
200万円未満のハーレーを見る【まとめ】孤高のブランドながら取っつきやすい一面も
このように独特な魅力に満ちたハーレーの世界。硬派なデザインを愛でつつ、心地いいエンジンと安定した車体、そして長い歴史を感じながらクルージングすると、ハーレーから離れられなくなることでしょう。それに意外と取っつきやすい一面もあることがわかったハズです。
ぜひハーレーの世界に飛び込んでみてください!
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