
【文:沼尾 宏明】
免許を取って初めて乗るバイクは重要。その後のバイクライフを大きく左右します。業界歴29年のベテランライターが、現行モデルからオススメのファーストバイクを紹介しましょう!
目次
【まずはじめに】いいなと思うバイクを買うのが正解ですが・・・
「免許をとって初めてのバイクとしてオススメするベストモデル」という依頼で、原稿を書き始めているわけですが、正直な話「いいな」と思ったバイクに乗るのが正解だと私は思います。
一部のエキスパート向けバイクを除いて、現代のバイクでそこまで乗りにくいバイクはないですし、乗っているうちに慣れてしまうものだからです。
したがって、これから挙げるバイクは「自分が選ぶなら」という観点を加えつつ、足着き性や軽さなどを考慮して導き出した最大公約数的な選択であることをご理解いただければ幸いです。それではいってみましょう!
原付&原付二種 を初めて買うならコレ!(~125cc)
125ccまでの原付一種&二種クラスはどれを選んでも大丈夫……という気もしますが、「XSR125」(ヤマハ)を選びました!
ヤマハ XSR125
ヤマハ XSR125 足つき
XSR125は2023年12月に国内初導入されたばかりのニューモデル。エンジンは可変バルブリフトのVVAにより低中回転域から高回転まで元気に回ります。車重137kgはマニュアルミッションの125ccとしては平均的ですが、やはり軽量で扱いやすい。
走りはスポーティながら安心感が高いキャラクターです。ライディングポジションはハンドルがワイドですが、自然で違和感がありません。街乗りからスポーティな走り、ツーリングまで様々なステージで幅広く活躍でき、飽きずに長く乗れるはずです。
そして何よりクセがなく、カッコイイデザインがポイントです。街中にも溶け込みますし、バイクに乗らない友人も一目置いてくれるのではないでしょうか。自分の愛車が好きになって、バイクに乗る機会が多いほどビギナーにはいいと思うのです。
――ちなみに、車重がXSRより7kg軽いCB125R(ホンダ)、ライポジ+足着き性+軽さの三拍子が揃ったGSX-S125(スズキ)も悩みましたが、乗る人と場所を選ばないスタイルが決め手に!
ただ、少しだけ足着き性が気になるところ。シートがやや幅広なので、身長170cmではわずかに両足かかとが浮きます。とはいえ車体が軽いので、さほどハードルは高くないと思われます。
なお、クラッチレバー操作が要らない自動遠心クラッチを採用したホンダの110~125cc軍団もビギナーにオススメ。特にスーパーカブ110、クロスカブ110、ダックス125は軽く、足着き性も良好です。
ただし上位モデルにステップアップすることを考えた場合、マニュアルミッション車がいいなと思い、選外となりました。
なお50ccクラスは上限30km/hや2段階右折など独自のルールがあるため、免許があるなら自分は選ばないと思い、選択肢から除外しました。
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中型バイクを初めて買うならコレ!(~400cc)
250~400ccクラスでは、「レブル250」(ホンダ)を選びました。
ホンダ レブル250
ホンダ レブル250 Sエディション
ホンダ レブル250 足つき
やはり排気量が大きいほど車重が重くなるので、初めてバイクを買うビギナーの場合、400ccクラスより250ccの方がオススメでしょう。
中でもレブルは足着き性が圧倒的です。250クラスはシート高780~800mm程度が多いのですが、レブルは690mm。スーパーカブ50の735mmより断然低いシート高なのです。多くの人が足着きに悩まなくて済むハズです。
車重172kgは250クラスでは平均的~少しだけ重いですが、重心バランスが低い上に、抜群の足着き性なので扱いに困る場面は少ないでしょう。
250では珍しいクルーザータイプですが、走りはネイキッドのように万能。倒し込みが軽いのに安定感が高く、コーナリング性能も良好です。エンジン特性は穏やかで、扱いやすさ抜群。アシスト&スリッパークラッチを採用しており、クラッチが軽いのも嬉しいですね。
上体が起きたライディングポジションなので、長時間走行もラクです。
またデザインも特徴。アップル社製品のようにプレーンながら独特さがあるデザインも万人に受け入れやすいのではないでしょうか。
2018年から250クラスのベストセラーに君臨していますが、その人気もうなずけます。弱点としては人気モデルのため、乗っていると街中で多くのレブルとすれ違うことぐらいでしょうか(笑)。
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大型バイクを初めて買うならコレ!(401cc~)
大型二輪免許を取得できるということは、厳密に「ビギナー」とは言えませんが、やはり600~700ccクラスが気軽だと考えます。
結果、選んだのは「MT-07」(ヤマハ)。理由は軽さと走りです。車重184kgは、600cc級で最軽量レベル。それどころか400ccクラスと同等で、車体もスリムかつコンパクトです。
ヤマハ MT-07
ヤマハ MT-07 足つき
走りは懐が広い。まずエンジン特性が低中回転域では鼓動感を伴いつつ、スロットルの動きに過不足なく反応し、扱いやすいです。その一方、高回転はパワー抜群なので、ついつい右手を捻りたくなります。この二面性によりビギナーもベテランも楽しめる1台に仕上がっています。
軽量な車体と素直なエンジン特性が相まって、ハンドリングも自由自在です。805mmの低いシート高とスリムな車体のため、足着き性も大型クラスでは良好。ライダーを育ててくれるバイクだと個人的に思います。
なお、海外仕様ではカラー液晶メーターを採用しており、今後、国内版が同じ装備を採用する可能性も。ただし価格は上昇するでしょう。
――ちなみに未発売ですが、2024年モデルとして登場する新型CB650R/CBR650Rにも注目。「Eクラッチ」と呼ばれる世界初の新システムが搭載されるからです。
これはバイクのクラッチレバーを「使う/使わない」を自由に選べるシステムで、通常時はレバーを使わなくても発進~半クラッチ~停止が可能。オートマに近いですが、ギヤ変更は足元のペダルで行う必要があります。
ただしクラッチレバーを握るだけで通常のマニュアル操作に切り替わります。つまり、渋滞時など頻繁にクラッチを握る場面ではクラッチレバーが不要。極低速時などにエンストして立ちゴケするパターンも多いですが、E-クラッチならエンストしません。一方でクラッチレバーを使ったスポーティ走行もできるので、ビギナーにもオススメの1台となるハズです。
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ホンダ CB650R
ホンダ CB650R 足つき
ホンダ CB650Rの
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※2024年1月現在「Eクラッチ」は未掲載です
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※2024年1月現在「Eクラッチ」は未掲載です
ホンダ CBR650R 足つき
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