
【文:沼尾 宏明】
全くのビギナーにとって「車検」が何をするものなのか、わからない場合も多いハズ。
何ccから車検があるのか?いつどこで受けるのか?バイクショップに出す車検とユーザー車検の違い……などなど、初歩的な知識をレクチャーします!
目次
公道を走る251cc以上のバイクには車検が必須!
「車検」とは、車両が公道走行に適しているか、国の機関が判断するものです。バイクの場合、排気量251cc以上のモデルから車検があります。なので、250cc以下のバイクは車検がありません。
新車は登録から3年後、その後は2年ごとに車検を受ける必要があります。
車検に合格しないと公道を走れません。きちんと整備されていない車両がその辺を走っていたら、危険この上ないからです。もし車検切れの車で公道を走行した場合、30日の免許停止処分になり、違反点数は6点。6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられ、重い交通違反になります。

ナンバープレートに貼られたステッカーで車検の有効期限がわかります。
車検は全国各地の陸運局という機関で行い、前後ブレーキ、スピードメーター、ウインカーやホーンなど保安部品の作動、タイヤの状態、ヘッドライトの光軸(光の向き)、排気ガス&騒音などを検査します。
実は最低限の安全基準を満たすことが条件のため、検査項目は決して多くありません。なので、ふだん問題なく乗ることができる車両なら、車検に合格するのは難しくないでしょう。とはいえ、これはあくまで「最低基準」。愛車の管理はユーザーに任されており「故障せず、気持ちよく走れるか」は別問題です。車検がない250cc以下のバイクを含め、しっかり管理したいものです。
ショップに任せる、または自分でやる「ユーザー車検」がある
車検をパスするには主に2種類の方法があります。ショップなどに任せる場合と、自分で行う「ユーザー車検」です。ショップ車検の場合は、お金がかかるものの確実&安心。ユーザー車検は自分で整備と点検を行う必要があるものの、安く済むのがメリットです。
まず「ショップ車検」について詳しく解説しましょう。
最も一般的なのがバイクショップやディーラーに車検を通してもらう方法。整備から車検場の持ち込みまで全部オマカセです。整備点検代のほか、車検代行手数料(1~2万円)が発生。細かく消耗品を交換する店や、最小限の整備で済ませる店など、整備内容は店によって様々です。
- 総額の目安 約5万~10万円
- 日程の目安 約3~7日
ショップ車検に似た「車検代行」という方法もあります。
これは点検整備をユーザーが行い、車検場に持ち込んで車検を受ける作業のみをやってくれるシステム。その分、費用が安く済みます。メンテに詳しいけど、平日に休みが取れず、車検場に行けない人にいいでしょう。重要なのは信用できる業者に任せること。バイクショップでも車検代行のみ受け付ける場合もあります。
- 総額の目安 約3万~5万円
- 日程の目安 約1~3日
手間はかかるけど圧倒的に安いユーザー車検
そして「ユーザー車検」は、オーナーが自らバイクを陸運局の車検場に持ち込み、検査を受ける方法です。難しく見えるかもしれませんが、昔と比べて一般化しており、きちんと整備されたバイクならあっけなく合格できるハズです。
なお不合格になった場合、その日のうちに3回まで無料で再検査を受けることができます。
順序としては、まず書類を揃え、車検日を予約。予約は、専用HPで希望日の2週間前から可能で
自分で12か月点検を行い、点検整備記録簿を付けるのが基本ですが、初心者にはハードルが高く、工具を揃える必要も……。そこでブレーキまわりなど気になる部分のみショップに任せる方法があります。また、ショップによっては、ユーザー車検を受ける人向けに、12か月点検のみのメニューを用意しているケースもあります。
- 総額の目安 1万5000~2万円
- 日程の目安 1~2日

点検項目に沿って整備し、工具も必要。ビギナーはショップに任せるのが安心です。
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コレがないとパスできない! 車検に必要な「三種の神器」とは?
ショップ車検にしろユーザー車検にしろ、車検を受けるには「車検証」「自賠責証書」「納税証明書」の三つが必要です。
直前になって慌てないよう、書類は早めに用意しましょう。紛失していた場合、再発行に時間がかかる場合があるので、遅くとも検査日の2週間前には確認しておきたいところです。なお、検査を受けるバイクが廃車(抹消登録)されている場合は、廃車時に発行された「抹消登録証明書」が必要です。
まず車検証ですが、車検切れの場合も含め、現在の車検証(自動車検査証)が必須。万一見当たらない場合は車両のナンバーを発行した運輸支局か自動車検査登録事務所で再発行して下さい(管轄外では再発行不可)。再発行には、ナンバーのメモや、身分証明書、印鑑が必要です。

自賠責保険証書は、現在加入しているものに加え、次の車検期間にかかっている計2枚が必要。事前に保険代理店で契約してもOKですが、車検場周辺の代書屋などで当日加入できます。

そして最も行方不明になりやすいのが軽自動車税の納税証明書。毎年4月1日時点で251cc以上のバイクの所有者に課されるもので、市区町町村の税務課から4~5月に納税通知書が郵送。期限の5月末までに納税したハズです。その際、払込用紙の半片に領収印が捺されたものが納税証明書になります。

納税の際は切り離さず、車検の際は右側の半券のみあればOK。
紛失した場合は、市区町村役場の税務課で再発行してもらいましょう。
【まとめ】
251cc以上のバイクにとって、車検は公道を走るために必要不可欠。うっかり車検切れにならないよう時期をチェックしておきましょう。ユーザー車検に関しては、ビギナーでも挑戦してみると、バイクの知識や経験が増すハズです。興味がある人はぜひトライしてみてください。
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