教習バイクにも選出される素性の良さ!トータルバランスで右に出るものなし!!【ホンダ NX400】

2024年ホンダの普通自動二輪免許クラスで新たに追加されたニューカマー、NX400。実はこのNX400は従来存在していた400Xがフルモデルチェンジを受けるとともに名称も変えられたモデルです。
オールマイティなキャラクターで幅広い層に支持されていた400Xと同様にクロスオーバーをコンセプトとして開発されていますが、実際のところ使い勝手やパフォーマンスはどのように改良がされているのでしょうか。
じっくり乗ってみてわかってきたNX400の魅力をお伝えしていきます!

日本では控えめな印象ですが、実はグローバルヒットモデルなのです!

HONDA NX400_走行写真1

世界的にシェアを拡大してきたアドベンチャーセグメントですが、その中でもNX400は普通自動二輪免許で乗ることができることもあり注目すべき一台となっています。
そもそも従来モデルとなる400Xの人気は世界的に見てもかなり高く(欧州をはじめ一部の国では500X)、通勤通学などでの使用からロングツーリングの相棒、さらにはバイク便やデリバリーなどビジネスシーンでも重宝されてきました。
その魅力は何と言っても乗りやすさと高い耐久性、十分なパフォーマンス、さらに燃費も良いという満足度バツグンのお得感が凝縮されているからだと言えます。そんな400Xは装いも新たに「NX400」として大幅に進化し登場しました。
まず見た目からして、アドベンチャースタイルが俄然増しています!もちろん主観ではありますが個人的には400XよりもNX400の方が好みです。

気になる足つき性は、"きっとこれなら問題ない" と思うはず!

HONDA NX400_左向き HONDA NX400_右向き

400ccクラスのアドベンチャーモデルというのは貴重な存在であり、ライバルとして挙げられる現行モデルはほぼ皆無だと言えます。なのでNX400が欲しくなってしまったら比較対象なく一択状態なのですが、だからこそしっかりとした内容が知りたいというものです。
まずアドベンチャーモデルと耳にして気になるのは足つき性だと思います。スペックシート上ではシート高は800mmとなっていますが、跨ってみると数値程の高さは感じられず、むしろ低いくらいに感じてしまいます。
傍から見るよりも車幅そのものが細みであること、シート形状も内もも部分がシェイプされているということが大きな要因となっています。
ハンドルもステップもやや高めで、ライディングポジション的には、ちょっと前のネイキッドバイクのような安楽感があります。

吹け上がりが軽く心地よいエンジン!前後タイヤのサイズバランスも好み!

HONDA NX400_エンジンまわり HONDA NX400_リヤタイヤまわり

今から約10年前となる2013年のこと。フルカウルスポーツのCBR400R、ネイキッドのCB400F、アドベンチャーモデルの400Xというエンジンやフレームなどを共通とした3車種が登場しました。CBR400Rが最も売れるだろうというのが大方の予想でしたが、ふたを開けてみると、もっともセールス状況が良かったのは400Xだったと聞いています。
それはなぜかと考えた際に、新開発とされたパラレルツインエンジンとのマッチングの良さというのもあったのかと思っています。そもそも90年代に存在していたCBR400RRというモデルは並列4気筒エンジンを搭載していたため、古くからのライダーからするとCBRにパラレルツインエンジンというのがアンバランスに感じられたのかもしれません。

この”バイク選び”において半年ほど前に新型の「CBR400R」を取り上げた際に、私自身もパラレルツインエンジンであることに対して、やや斜めに見ていた節があったものの、乗ってみると最高のバイクだと称賛したことがありました。
そして今回NX400に乗ってみると、やはりこのエンジンの完成度の高さというものに改めて驚かされてしまったのです。
発進時に絶対エンストなどしないと思える安心感ある初動トルク、低中速域での扱いやすさ、高回転域まで意外なほど軽く吹け上がり、さらに十分だと思えるパワー感。
余談ですがGB350と入れ替える形でNX400に乗り出したこともあり、その差の大きさにひっくり返りました。

それと加えてフロント19インチ、リア17インチというタイヤサイズのチョイスもしびれます。現在のロードスポーツバイクの多くは前後17インチなのですが、そこまでのクイック感は必要ではなく、オフロードモデルに使われているような21インチの大径タイヤほど本格的な未舗装路走破性は求めていないという私などは19-17のタイヤセットが大好物なのです!
コーナーリングでもしっかりとした手ごたえと軽快感を併せ持っており、いざグラベルロードに立ち入ってもなんとかなると思わせてくれる安心感。アップライトなライディングポジションと相まって振り回し放題なのです!

専用アプリとの連携で利便性は大幅アップ!トラクションコントロール的機能も追加!

HONDA NX400_メーターまわり HONDA NX400_4ウェイセレクトスイッチ

NX400では5インチTFT液晶ディスプレイを採用しています。視認性が良く、インフォメーションもとても分かりやすい印象です。
さらに専用アプリをインストールしたスマートフォンと連携させることで、マップや通話、音楽なども楽しむことができます
左側のスイッチボックスに追加された4ウェイセレクトスイッチは直感的に操作することができ、車両状況やアプリケーションの設定なども簡単に行うことができました。

新たに採用された機能としては、トラクションコントロール的な役割を担うホンダセレクタブルコントロールも標準で装備され、これは使用シーンに応じてオンオフ切り替えを行うことも可能となっています。
このホンダセレクタブルコントロールがなかなか優秀で、雨で濡れたマンホールの上やリアタイヤのスリップが激しいマディな路面をパスする際に役立ちました。

パッと見は大柄な車格?でもしっかりと体にフィット!

HONDA NX400_足つき正面 HONDA NX400_足つき右向き

私は体格が良い方なので、アンダー400のモデルに乗車すると、バイクが小さく見えてしまうことがあるのですが、NX400は傍から見ると大柄な体躯なのでバランス良く見えます。
一方でライディングポジションの自由度は高くされていながらも割とコンパクトにまとまっていることや、車重も200kgを下回る196kgとこの手のモデルにしては抑えられているため、”NX400は気になるけれど大きさや重さに躊躇している!”という方は是非一度実車に触れて、フィット感を確かめてみることをお薦めします。きっと”これならいける!”と感じると思いますよ。

余裕を感じさせるシャシーはワンランク上の走りを楽しめちゃう!!

HONDA NX400_走行写真2 HONDA NX400_シート/タンデムシート

そもそも欧州向けに出荷するNX500という、より排気量の大きなモデルと車体構成を同一としていることもあり、全体的にしっかりした乗り味をもたらしてくれます。
特にフレームや足まわりのセッティングは素晴らしく、先述していた気持ちよく吹け上がるパラレルツインエンジンと相まって余裕ある走りを楽しめます。
それは一般道、高速道路、ワインディング、オフロード、どこへ持ち込んでも、頼もしく思えるもの。
積載性も高く、リアシートにカメラ機材を満載に括り付けて移動することも容易でしたし、100km程度タンデム走行をしてもライダー、パッセンジャー共に疲労度は少なかったです。

独断と偏見で伝えたい”勝手にGood&Bad!!”

HONDA NX400_フロントタイヤまわり HONDA NX400_シート高の様子

色々なご意見があることを加味しつつ、あくまで個人的な好みである、フロント19インチ、リア17インチのタイヤサイズセットをグッドポイントとして選出!
リアタイヤをバンクさせると、それにフロントタイヤがついてくるというコーナーでのフィーリングが、ゆったりと走っても、ちょっとスポーティなライディングをしても、ベターマッチなのです。

バッドポイントは、乗車姿勢で膝の曲がりがやや強いと感じたので、あと数センチでいいのでもう少しシートが高いと、私の体や乗り方に合うかなと思いました。
ただ普段日常的に使うのであれば渋滞路や車庫入れなどで跨ったままバタバタ足で地面を蹴って取り廻せることもあり、シートは低い方が楽ちんです!

生まれて初めて触れるモデル!?ニュージェネレーション誕生の予感!!

NX400

NX400は素晴らしいバイクでした。400Xが好きでしたがスタイリングの変更も踏まえ全体的に凌駕しています。
こんな出来の良いバイクを多くの人に知ってほしいと思っていたら、NX400をベースとした教習バイク、NX400L(ハンドルやサスペンション、減速比などがノーマルと異なります)というモデルがあるというのです。
つまりこれからは普通自動二輪免許を取得するために教習所に通い初め、人生で初めて触れるバイクがNX400Lというライダーが出てくるということ。これは凄いことなのですよ!
今から30年ちょっと前の私が免許を取得した時にはちょうどCB400SFの教習バイクが出た頃でしたが、ほとんどはそれ以前のVFR400Kに乗らされた記憶があります。
”教習バイクは何の車両だったか?”という話題はライダー間のコミュニケーションの一つであり、今後はそれにNX400(NX400L)世代のニュージェネレーションが誕生するのです! (*´Д`) ハアハア
くだらない話は置いておいて、実際のところは19インチ、17インチのタイヤを使ったモデルが教習車として使われるようになることに時代の変化を覚えてしまい感慨深く思えるのです。
なににせよ2024年に登場した新型車両の中でも推しの一台であり、ここに幸せバイクとして認定します!!

NX400[2024]主要諸元(メーカーノーマル)

  • 全長×全幅×全高:2,150×830×1,390mm
  • ホイールベース:1,435mm
  • シート高:800mm
  • 車重:196kg
  • エンジン:水冷4ストローク直列2気筒DOHC 399cc
  • 最高出力:46PS(34kW)/9,000rpm
  • 最大トルク:38Nm/7,500rpm
  • 燃料タンク容量:17L
  • 変速機:常時噛合式6段リターン
  • ブレーキ:F=ダブルディスク、R=ディスク
  • タイヤ:F=110/80R19、R=160/60R17
  • 価格:89万1000円

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