バイクの”諸元表”の見方を知っていますか?その3

その2」では排気量や馬力などエンジンに関する諸元表の情報について紹介していきました。「その3」では、バイクの車体回りに関する諸元表の情報について紹介していきます。

バイクのフレーム形式

バイクの骨格となるメインフレームの形状、構造を指しています。どのようなフレームなのかによって車体の剛性や操作性、乗り心地などに大きな影響を与えます。
車種のカテゴリーごとにある程度適切なフレームが絞られており、例えば、スクーターでは足元にフレームが配置されるアンダーボーンフレームが採用されることが多く、スーパースポーツモデルではエンジンをフレームが左右から覆うようなツインスパーフレームが採用されることが多いです。


フレームの種類やどのような特徴があるのかについては、こちらの記事を確認してみてください。

キャスター / トレール

キャスター角とは、車体を横から見たときに地面の垂直線からフロントフォークが寝ている角度のことを指します。
トレールとは、ステアリングヘッドで設定されているキャスター角のまま地面まで伸ばした線が接地している部分と、実際にタイヤが接地している点(=フロントアクスルの真下)の距離を表しています。キャスター角が寝るほど(角度が大きくなるほど)トレール量も伸びていきます。

赤い線の距離がトレール量となる


一般的にキャスター角が小さい(フロントフォークが立っている)方が寝かしこみやすく、キャスター角が大きい(フロントフォークが寝ている)方が直進安定性が高いと言われています。実際のところ、ハンドリングに影響を与えているのはキャスター角ではなく、キャスター角によるトレールの長さが影響していますが、詳しくはこちらの記事を見てみてください。

バイクのサスペンションの種類

フロントとリアにそれぞれ設置されているサスペンションは、路面からの衝撃を吸収しつつ、タイヤの接地を適切に保つ働きをしています。フロントサスペンションは多くの車種でテレスコピックフロントフォークが採用されており、スプリングとオイルが内蔵されたチューブが望遠鏡のようにストロークすることで地面からの衝撃を吸収しています。また、インナーチューブの配置によって正立フォーク、倒立フォークの2種類が存在します。その他のフロントサスペンションにはBMWで採用されているテレレバーであったり、リアと同じくスイングアームを用いたハブセンターステアなどもあります。


リアサスペンションはフロントフォークと異なりスプリングが露出しているのと、直接タイヤと繋がっておらず、スイングアームを介してタイヤから伝わる衝撃を吸収しています。リアサスペンションは1本で支えるモノショックと2本で支えるツインショックの2種類に分かれます。

バイクのタイヤサイズ

そのバイクに装着されているタイヤのサイズを示しています。バイクのタイヤの特徴として自動車とは異なり、バイクは前後でタイヤサイズが違います。その為、タイヤ交換の際には前後それぞれのタイヤサイズを把握する必要があります。タイヤは規格品となるため、タイヤ交換の際には基本的に諸元表に記載されているタイヤサイズを購入すれば間違いありません。
タイヤサイズの見方についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

バイクのブレーキ形式

そのバイクに装着されている制動装置(ブレーキ)の構造、種類となります。ブレーキの構造は大きく2種類に分かれており、ディスクローターと呼ばれる円盤状の金属をブレーキパッドで挟み込むことで発生する摩擦で制動する「ディスクブレーキ」と、ホイールの軸部分にあるドラムの内側に収められたブレーキシューを外側に広げてドラムに押し付けることで発生する摩擦で制動する「ドラムブレーキ」があります。


ディスクブレーキのパッドを挟み込む力は、レバーやペダルからマスターシリンダーを通じてブレーキフルードを押し出す油圧を利用しているため、握ったり踏んだりする力に比例して制動力が上がっていきます。また、近年装着が義務化されているABSは、モジュールを介して油圧を調整することで作動するため、ディスクブレーキの装着が必須となります。ちなみに、フロントホイールに装着されたディスクローターの枚数によって「シングルディスク」「ダブルディスク」と呼ばれたりします。

対してドラムブレーキは、レバーやペダルの操作をワイヤーやロッドを介してドラム内にあるブレーキシューを広げて押し付けます。ディスクブレーキと比べるとブレーキ回りが簡素化されていることでスッキリとしたフォルムとなり、クラシックモデルやビンテージカスタムと相性が良いです。しかし、ディスクブレーキと比べると制動力が劣るのと、前述のABS義務化の流れから純正採用は減りつつあります。

まとめ

その1ではバイクのサイズに関する情報について、その2ではエンジンに関する情報について、その3ではバイクの走行性能や操作性に関する情報について紹介していきました。他にも諸元表にはバイクに関する情報が記載されていますが、ここで紹介した内容からでも十分にバイクのキャラクターをイメージすることができると思います。バイク探しの際は諸元表の情報もぜひ役立ててみてください。

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