
初心者のうちは自分がどんなバイクに乗ったらいいのか分からない…と思います。
基本的には自分がカッコイイ✨キュンッ💘と感じたバイクに乗ればよいと言われてますが、何か「これだ!」という魅力を感じるものを探すのはなかなか難しいものです。
今回は昔からあるバイクのスタイルで、現代のスーパースポーツやストリートファイターなどにはない古き良きカッコよさ・魔力を秘めた"ロケットカウル"を付けたカフェレーサーについてご紹介します。
ロケットカウルについて
皆さんは"ロケットカウル"と聞いてどんなバイクを想像しますか?
いわゆる族車のような、カウル自体がハンドルよりも高く位置しているスタイルのもの
初代の仮面ライダーが乗っていたサイクロン号のようなタイプのもの
ビキニカウルとよく混同されがちですが、ロケットカウルはタンクまで伸びているのに対し、ビキニカウルはヘッドライトの周りだけを覆っているのが特徴です。
ロケットカウルを付けているバイクも色々あるのですが、今回ご紹介したいのはカフェレーサー/ネオクラシックスタイルのロケットカウルです。
カフェレーサーのロケットカウルは今でいうところのスーパースポーツのフロントカウルです。
ヘッドライトを先端としたロケットのような流線形のフォルムが最も風の抵抗を受けにくかったのか、カフェレーサーの元となる1960年代のレースバイクはほとんどがそんなカウル形状をしていました。
そして1970年代にメーカーのスポーツモデルとしてロケットカウルが登場するようになりました。
市販車としてのロケットカウルを世界的に知らしめたオートバイが、DUCATIの750SSであったと言われています。
その後、カウル形状は更に空力を意識したものへと進化していき、現在のスーパースポーツのようなフロントカウルへと受け継がれています。
カフェレーサーについて
カフェレーサーは1960年代に英国のロッカーズ達が速く走るために自分のバイクを改造していったのが始まりと言われています。
自分のバイクをいかにカッコ良く、そして速そうに見せるかのカスタムでした。
昔ながらのクラシックバイクを
①セパレートハンドル or ロータイプのバーハンドル
②バックステップ
③シングルシート or セミロングシート
にカスタムし、
④前傾姿勢で乗る(←ここ重要)
これが生粋のカフェレーサースタイルと言われています。
先にも述べた、①~③を満たす1970年代あたりの市販のスポーツモデルまでも、のちに"カフェレーサー"と呼ばれるようになります。
そんな当時のロケットカウルを付けたモデルや、ロケットカウル自体がカフェレーサーの象徴となっています。
ノスタルジックでトラディショナルな雰囲気をロケットカウルで表現することができるのです。
最初はカスタム文化として広まっていったカフェレーサースタイルですが、今や一つのバイクタイプとして確立し、メーカーがラインナップに据えるほど人気のジャンルです。
ロケットカウルの付いている人気車種はコレ!
ヨーロッパメーカー
カフェレーサー文化はやはり英国発祥です。トライアンフを筆頭にヨーロッパ圏でのメーカーには純正または純正オプション品としてロケットカウルを装着した車種が数多くラインナップしています。
ドゥカティはSport 1000S以外のスポーツクラシックシリーズや1970年代の旧車にはロケットカウルの付いた車種がいくつもあります。
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▲トライアンフ🇬🇧 THRUXTONシリーズ
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▲トライアンフ🇬🇧 SpeedTriple 1200RR
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▲BMW🇩🇪 R nineT Racer
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▲ドゥカティ🇮🇹 Sport 1000
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▲モトグッチ🇮🇹 V7 Racer
国産メーカー
"カフェレーサーらしさ"という点では、本場ヨーロッパメーカーに分がありますが、2022年にホンダのHAWK11がロケットカウルを付けたカフェレーサースタイルで復刻し話題となりました。
国産のロケットカウルは、1990年にスズキでバンディット400リミテッドが発売されてから実に32年ぶりということになります。
それだけネオクラシックブームはホンダが意匠をかける復刻車にもテイストとして取り入れるほど大きな波であることが伺えます。
番外編
ロケットカウル自体を定義するのであればロケットのような流線形をしたフォルムですが、国産のレーサーレプリカにも共通する、丸目一灯でエンジンまで覆ったカウルもネオクラシックとしてのカフェレーサーによく見られるデザインです。
国産のレーサーレプリカはエンジンまで覆ったカウルデザインが多く、それは現代のスーパースポーツおいても共通するデザインです。
まとめ
ヨーロッパメーカーにはロケットカウルを取り付けた車両が沢山ありましたが、国産メーカーの2023年3月現在の現行モデルではHAWK11のみです。
いちカフェレーサーファンとしてはHAWK11を皮切りにロケットカウルのバイクが国産車にどんどん増えていくことを願うばかりです。
1970年代の市販のスポーツバイクが懐古的にカフェレーサーと呼ばれており、メーカーは当時の雰囲気の象徴としてロケットカウルをドレスアップ的に取り付けています。
そしてそれはクラシックやヘリテイジシリーズとしてラインナップされています。
カフェレーサーのバイクはシックなカラーリングのものが多く、Tシャツやデニム、ライダースと相性がとても良いです。
変身せずとも、普段の"自分"の延長線上にバイクがあって、ヘルメットをかぶって、プロテクターを装着するだけ。
ロケットカウルを付けた車両を購入した際には、レザージャケットでキメて、前傾姿勢で近くのカフェまでツーリングしてみませんか?
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