
「バイクで高速道路を走ってみたい」「バイク仲間と高速道路を利用したツーリングをしてみたい」というライダーは多いと思います。
そして同時に「高速道路は危なそうだから怖い」という漠然とした恐怖心を持っているライダーも多いでしょう。
いくら一般道でバイクに乗り慣れてきたとはいえ、「ミスができない」高速道路のあの独特な空気感を初心者であれば尚更強く感じてしまい、それが一層恐怖心に拍車をかけている原因だったりします(私がそうでした)。
しかし、やはり高速道路の走行ができるとツーリングがより遠くまで行けて、楽しいものになります。
これを読んで経験を知識で補い、恐怖心を少しでも減らせれば嬉しく思います。
基礎知識
高速道路を走れるバイクは126cc以上
排気量が125cc以下のバイクでは高速道路を走れません。
免許区分でも同様に定められており、高速走行が認められている免許区分は「普通二輪免許」と「大型二輪免許」です。
最低速度は50km/h
最高速度が気にされがちですが、意外と知られていないのが最低速度です。
最高速度ギリギリで走るのが危険なのは明らかですが、最低速度ギリギリで左車線を走るのもやはり危険なので、周囲の車の流れに合わせた速度で走るのが良いでしょう。
高速道路の走行車線は概ね80km/h、追い越し車線は100km/h以上で流れている場合がほとんどですので、最低でも80km/hは目指して走りたいところです。
二人乗りは20歳以上かつ免許取得後3年以上
高速道路ではタンデム走行が以下2つの条件付きで許可されています。
- バイクの運転者が20歳以上であること
- 普通二輪免許または大型二輪免許を取得してから3年以上経過していること
最適な格好について
ライディングウェアについては普段から下記のような装備で乗車するのが望ましいですが、高速道路に乗る際はより一層、安全に配慮した対策をするのが好ましいです。
ヘルメット
安全性や整流効果の観点からフルフェイスヘルメットが最適です。
高速道路は一般道よりも速度域が高いので80km/h程度でも走行風によってヘルメットのブレが生じたり、風切り音により周りの音が聞こえずらいことがザラにあります。
シールドのないジェットヘルメットなどは目に砂やホコリが入ることもあり、安全面においてもフルフェイスヘルメットよりも晒されている面積が広くなるためオススメしません。
ウェア
短時間でも走行風に晒され続けると体力が消耗します。
走行風を受けない乗車姿勢やバイクのカスタムといった工夫も大切ですが、バタつきの少ないプロテクター入りのライディングウェアを着用することで大幅に疲労を軽減することができます。
シューズ
靴紐のないライディングシューズやブーツが最適です。
ステップやチェーンに靴紐が絡まる可能性があるため、一度不安に感じてしまうと、次バイクを停めて靴紐を確認するまでとてつもない不安に襲われ、靴紐のあるシューズを履いてきたことを激しく後悔します。
バイクで高速道路を走る前に確認しておくこと
高速道路をトラブルなく、スムーズに通過できるように、高速道路に乗る前に以下の事を確認しておきましょう。
ETCは正常に動作するか
ETCカードの有効期限が切れていたり、しっかりとカードを挿入できていないとETCレーンのバーが開きません。
ETCが正常な状態かどうかしっかり確認しておきましょう。
仮にバーが開かなかった場合は、停まらずにそのまま開閉バーを避けて、出口料金所の一般レーンで料金所係員に事情を説明すれば料金を後払いで処理してもらえます。
現金・クレジットカードを直ぐ取り出せるか
ETCを使わない場合は利き手側のポケットに現金(お札のみ)かクレジットカードを入れておくとサッと支払いをすることができるのでスムーズに料金所を通過できます。
その際、ポケットの閉め忘れにはくれぐれもご注意ください。走行中にポケットからお金が吹き飛んでいきます。
お金やカードを取り出しやすいタンクバックなどを用意できれば尚良いです。
目的地へのナビをセットする
バイクにスマホをセットしてナビ代わりに使えるのであれば目的地をセットしましょう。
ナビの案内一つ取っても、分岐の表示が分かりづらかったりと個人単位で相性があるため、分岐の土壇場で間違えないためにも事前に相性の良さそうなナビアプリを探しておくと良いでしょう。
ガソリンの残量には余裕を持って
高速道路に入ってからでもガソリンを入れることはできますが、憂いは少しでも少ないほうがいいです。
また、サービスエリアのガソリンスタンドは少々価格が高いので高速道路に入る前に満タンにしておきましょう。
高速道路走行に最適なバイク
高速道路に乗れるバイクは126cc以上ではありますが、高速道路をクルージングするのにも向き・不向きはあり、やはりそれはバイクの特徴やジャンルに大きく影響されるものとなっています。
大型バイク
大型バイクは大きな車格、充実した装備、どんな状況でも湧き上がるようなパワーで、走りにも心にもゆとりを与えてくれます。
高速道路の走行や荷物を積んでの走行も安定感があり、特にロングツーリングでは強い味方になってくれることでしょう。
ツアラーバイク
ツアラーバイクを探す
カウルによる風防性能が高いので走行風による疲れを軽減してくれます。
同じようにカウルがついているスーパースポーツモデルと比べて乗車姿勢がきつくなく、ホイールベースも長いのでより高速道路走行に向いていると言われています。
アメリカンバイク
アメリカンバイクを探す
アメリカンタイプはホイールベース(前輪と後輪の車軸間距離)が長く、直進安定性に優れています。
また、シートにドカッと座れるので長時間の乗車が楽とされています。
しかし、ツアラーバイクとは反対に風を受ける面積がもっとも広い車種なので距離が伸びれば伸びるほど、速度が増せば増すほど疲れは大きくなっていきます。
まとめ
バイクの高速道路走行は教習所でも教わらない、ましてや車での運転を経験していないと勝手が分からないので、間違いなく慌てることになるでしょう。
誰しも初めのうちは思うようにスピードに乗れなかったり、体が力んで普段のライディングよりも余計に疲れてしまったりするものです。
今回、書かせていただいた内容をしっかりと覚えておけば、いくらかの不安要素は無くせるのではないでしょうか。
実際私も関東圏に住んでいてSTOP&GOの多い一般道よりも、ある程度速度が出せてバイクの運転に集中できる高速道路の走行は好きですが、それなりの恐怖心を保ちつつ走行しています。
合流のテクニックや走行中に注意したいことなど、もっともっと高速道路については気を付けるべきポイントが沢山ありますが、それはまたの機会でご紹介できればと思います。
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